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コロナで取り戻した、人間らしい生活

世の中の流れにのって、私の会社でも先週からリモートワークが始まりました。


たぶん、こんな事態にでもならなければ、私の会社はリモートワークとは永遠に無縁でした。

私の仕事は、人材会社のキャリアコンサルタント。

「世の中の”働く”を司る人材会社なら、さぞかし先進的な働き方改革をしているんだろう」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはない。

人材業界って、「成長のためなら身を粉にして働くのが当たり前!」みたいな仕事中毒人間も多くて、そうなると出社をしないで働くなんてわざわざ考えない。


もちろん、例に漏れず、私も。


毎日、朝の9時から夜の21時(遅い時は22時になったりも)まで働いて、ヘトヘトになって電車で爆睡。

家に帰ったら、お風呂もそこそこに顔だけ洗って寝る。

そして、また朝を迎える・・・というルーティーン。

もう何年もこういう生活だったから、疑う余地もなかった。


それが、さすがにこの事態で出社を自粛することになって。

(それでもキャリアコンサルタントは、事業を止められないということで最後まで出社し続けていたけど)

これまでそんな準備なんて一切やってこなかったものだから、バタバタとリモートワークに入る準備を行い、いざ突入。


それから一週間が経ちましたが、すっかりリモートワーク生活にも慣れました。


朝は8時にゆっくり起き、ランニングかヨガを30分ほどやって体づくり。

9時過ぎになったらハーブティーを入れて、ちょっと早めに仕事用のPCを起動し、ゆっくりメールチェックをして仕事開始。

夜は20時にはかんぜんにPCを切って、夫が作ってくれた夕飯を一緒に食べて、食事が終わったら一緒にソファでゴロゴロ。

たまに食後にコンビニにデザートを買いに行ったりなんかして。

そして、お風呂にゆっくり浸かって23時過ぎにはベッドへ入り、たっぷり8時間は寝ています。


・・・世の中が大変な時に、不謹慎なこと、承知で言わせてください。


私、ここ数年で、一番人間的な生活をしていると思います。


会社では、「前年比○%成長!」ってお尻を叩かれ、常にそのプレッシャーの中。

PCでメールをさばきながらお昼ご飯をかきこみ(左手でキーボード、右手に箸持ってやってた)、小腹が空いたらコンビニのおやつで小腹を満たす。

そして、仕事に集中したくても、無意識のうちに周囲の人に気を取られてしまう。

この人にどう見られるだろうか?あの人はすごいな・・・って、声には出さないけど、そんな人々の心の声が聞こえてくるようで。

なんだか常に殺伐とした空気だった。


それが、なんだろう、この心穏やかな日々は・・・。


私、本当は、じっとしていられない性分なので、在宅で仕事とか向いてないんじゃないかと思ってたんです。

でも、よく考えてみれば、物心つく前の私は超インドアで、好きな遊びはお絵描き・お人形遊び・おままごと。

元々はお篭り型の人間だったのに、大人になるにつれて「成長成長!」って価値観に飲み込まれていってしまってたんでしょうね。


なんだかこの一週間、「生きているだけで幸せ」って、そんな言葉が本気で心からこみあげてきます。


一説では、コロナっていろんな不自然なものにストップをかけるべくして生まれたのかもしれない、と言われています。

コロナの影響で封鎖された都市の上空は、空気が格段にきれいになったという。

電車も、数ヶ月前までの満員っぷりが嘘のようにガラガラ。


「早く元通りになればいいね」って皆はしきりに言うけれど、実は私は素直に頷けない。

なんだか、こっちの生活の方が、よっぽど本質的に感じてしまって。


だから、コロナがおさまったら、ただ「元通り」にするんじゃなくて、「どう心地よく暮らしていくか」を本気で考えたいなと思います。

きっと、成長成長って時代は、もう終わるんだろうな。

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