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【感情シリーズ 2】感情のコントロールは怒りを我慢することではない



自分の感情がわからなくなったり
相手の感情に振り回されたり
自分でもうまくコントロールできなくなると

「いっそ感情なんてなければ楽なのに」

と思う

でも感じたくなくても
勝手に色々な気持ちが
出てきてしまう


それは私たち人間が
今まで生きていくために
必要だったからだ


原始人が食べる
”楽しみ”のために
狩りをしたり
マンモスに立ち向かうときに
”恐れ”たり
仲間を傷付けられて
”怒り”を感じたり

生き抜くために必要だったのだ

だから感情が生まれてくることは
防ぐことはできない

激しい怒りも
誰かを憎む気持ちも
恨んだり
悔しかったり

そんなネガティブな感情を
「感じてはいけないものだ」
と教えられた人は
そんな感情が湧き上がってきた時に

「こんなこと思ってはいけない」
「自分はなんてひどい人間なんだ」

と思ってしまうことがある

どんな感情も持ってもいい
どんな感情も大切で重要なものだ

でも、それをうまく抑えたり
小さくしたり
自分や相手を傷つけることが
ないように
することはできる

自分自身と自分の大切な人を
支えるために必要な
社会性と感情スキルを
身につけること

それがここで言う
感情のコントロール

ネガティブな感情を
抑えることではない

感情のコントロールというと
アンガーマネジメントと
結びつけやすいが
怒りを抑えること
コントロールすることだけでなく

楽しみ、喜び、好奇心、興味
など心地よい感情を
生み出すことも
感情のコントロールだ

今のストレスの多い時代に
ネガティブな感情だけでなく
意図的にポジティブな感情とも
バランスを取れるようになれば
最強だ!

その最強の感情スキルを知ること
欲を言えば手に入れることが
このシリーズの最終目標だ


⒈  感情を分類する


「今日の気分はどうですか?」

と聞かれたらどう答える?

「元気です!」

本当は元気じゃないのに
条件反射で言ってしまうことは
ないだろうか?

How are you?
と聞かれたら
I’m fine thank you!

と答えるような
定型文になっていないだろうか?

じゃあ
「ぼちぼちです」は?

それは気分?
それではあなたがどんな気分か
私には全くわからない

例えばここが病院だったら
どう答えるだろう?

「最近ジムに行き始めてから
 よくご飯も食べられるし
 調子がいいです」

「あんまり良くないです
 最近夜によく眠れなくて
 日中も憂鬱な気持ちです」

そうやって具体的に答えて
相手に不調をわかってもらおうと
説明するのではないだろうか?

感情は情報だ

病院で適切な治療を受けるとき
様々な検査をするように
感情について正しく理解
することが大切だ

もう一度聞いてみる
「今日の気分はどうですか?」

相手の状況とか
言ってもどうせわからないとか
ではなく
自分が自分に聞いているだけだ
どんな感情が出てきてもいい
誰も責めない
自分も責めない

本当に心の中から生まれてきた
感情を自分で知ることから始めるのだ

特に最近は世界的パンデミックや
経済・政治の不安など
自分でも気付かないうちに
心に影響を受けていることがある

気持ちを抑える習慣のある人は
パッと答えが出ないかも知れない

ただ気分が悪い
モヤモヤする
憂鬱だ
と、原因がわからないこともある
それは誰にでもあることだ
そう感じたらそれでいい

でも、多くの人は
一旦立ち止まって
自分自身の感情を確認する
時間を作っていないのだ

他にやらなければならないことが
沢山あるのになぜ
「本当はどんな気分ですか?」
なんて考える必要があるのか?

自分の中にある感情を理解すると
例えば自分が今イライラしている時
「今自分はイライラしている」と
落ち着くために
「ちょっとお茶を飲みに行こう」
「この場所から離れようと」
次にどうしたら良いのか
考えることができる

もしイライラしたまま気づいていないと
そのまま爆発してしまうかもしれない

その一時的な感情によって人間関係が
崩れることも防げるのだ


もし、子育てや教育に関わる人で
子どもの感情をコントロールする方法を
知りたいのになぜ自分がこんな簡単な
ことをしなくてはいけないのか
と思っている人がいたら知ってほしい

子どもは自分の感情について
すぐに話せるとは限らない

大人はそれに根気強く付き合うのだ

だから
すぐ怒りが出てくる
待てない人が
子どもに向き合うことは
難しいのだ

子どもと向き合うときに
怒りが出てきたり
焦りが出てきたことに
気づけること
それを落ち着ける方法を
知っていること

それを知ることは大切だ

そして自分ができないことを
子どもに教えるのはとても難しい

感情というものは
サッカーや英語のように
お金を払って誰かに代わりに
教えてもらうこともできない

親や信頼できる大人が
時間をかけて教えることが
どうしても
必要な部分なのだ

でもそれを
私たちは勉強した
経験がほとんどない

だからまずは
自分自身の感情から
振り返ってみよう


「今、あなたはどんな気分ですか?」


参考文献:
https://www.salzburgglobal.org/fileadmin/user_upload/Documents/2010-2019/2018/Session_603/Brackett_et_al.__2016__Handbook_of_Emotion.pdf

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