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渋谷から逗子へ移住。STUDIO CPO・甲斐さんが実践する、ワークとライフのあたらしいカタチ

コロナ禍で、働き方の多様化が加速しています。この機会に、あらためて住む場所を見直そうとしている方、多いのではないでしょうか。

STUDIO株式会社のCPO、甲斐 啓真(かい けいま)さんも、そのひとり。リモートワーク導入をきっかけに、渋谷のマンションから神奈川県・逗子の新築物件に引っ越しました。

今回は、そんな甲斐さんの素敵なご自宅にお邪魔して、移住を決めた経緯や、生活の変化、そしてこれからの働き方について思うことを伺いました。

リモートワークをはじめて気付いた、住環境の大切さ

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── はじめに、甲斐さんが逗子に移住した経緯を教えてください。

きっかけは、コロナの流行で3月頃からオフィスに出社できなくなり、毎日自宅で仕事をするようになったことです。

僕は、もともと家で長時間過ごさないタイプだったので、会社へのアクセス重視で立地を選んでいて。渋谷にあるマンションのワンルームだったのですが、目の前に高速道路が通っていて日が入らないし、空気が悪く、音も気になる‥‥という環境でした。

正直、寝るためだけに帰る家であれば、立地さえよければ問題なかったんです。でも、リモートワークと外出自粛がはじまって、一日の大半を家で過ごすようになると、さすがにしんどくなってきて(笑)。自然と引っ越しを考えるようになりました。

── 引っ越し先に逗子を選んだのは、なぜですか?

週1回、中目黒のオフィスに出社することは決まっていたので、あまり遠すぎない距離で、と考えていました。はじめは、神奈川・千葉・埼玉と広く見ていたのですが、あるときこの物件と出会ってしまったんです。ひと目見て、「あ、いいな」と思って。

不動産会社さんに連絡して、すぐに内見して、ほぼ即決でしたね。一番のお気に入りポイントは、窓の外に竹やぶが見えることです。

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僕は横浜市出身なので、逗子にはもともと土地勘があって。都内に引っ越してからも、たまに遊びに行くほど好きなエリアでした。交通アクセスも、JRと京急の2路線が使えて、意外と便利なんですよ。

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── 渋谷と逗子とでは、環境もがらっと変わりますよね。

そうですね。ほんとに正反対です。豊かな自然に囲まれていて、天候や季節の変化を身近に感じられるというのは、都心ではなかなか手に入らない環境ですから。

我が家は駅から少し離れているので、移動には車が欠かせなかったりして、多少の不便を感じることもありますが、個人的にはすごく満足していますよ。まさに、コロナ禍でなければ実現できなかった暮らしですね。

リモートワークをはじめたことで、これほど住環境が大切だと思うようになったのは、僕自身も驚きでした。

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── 甲斐さんは普段、どちらのスペースでお仕事しているんですか?

一階をメインの作業スペースとしていて、PCのモニターやワークチェアなど、必要なものを揃えています。

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同居人も同じ場所で働いているのですが、たまにリモート会議のタイミングが被ることがあって。そのときはどちらかが二階に移動して、リビングのテーブルか、寝室に置いている小さめのデスクを使うようにしています。

家の中に作業スペースが複数箇所あると、気分転換にもなるので、とてもいいですね。

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週1の出社が楽しみになり、私生活もより充実

── リモートワークになってから、なにか業務に支障はありますか?

いえ、今のところ困ることはほとんどないですよ。コロナで出社が難しくなって以降、「Discord」というボイスチャットツールを使っているんですが、当社にはすごく合っていて。みんな「これがあれば十分だね」と話しています。

雑談などのコミュニケーションも、オフィスにいるときと変わらないくらいできていますし、おかげで業務もスムーズに進められています。

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── 業務以外で、なにか心境的な変化はありましたか?

オフィスに出社することが、楽しみになりました。出社の頻度がぐっと下がったぶん、週1の通勤が気晴らしになるんですよ。渋谷の頃よりはだいぶマシですが、毎日家で仕事をするのはさすがに飽きますからね。

自宅から中目黒のオフィスまでは、片道だいたい1時間半ぐらい。ちょっとした遠足のような感じです。「やっぱり東京は建物が高いな」とか思ったりします(笑)。

── 逗子に引っ越して、プライベートではどんな変化がありましたか?

今までやらなかった料理を始めたり、朝はやく起きて自転車で海を見に行ったり。新しいことにチャレンジするようになりましたね。

過去にも都内で何回か引っ越しをしましたが、これは初めて感じた変化で。新しい部屋でなにかをやろうとか、どこへ行ってみようとか、そういう欲求が湧いたことはありませんでした。いつの間にか、都会の暮らしに飽きていたんだと思います。

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── 私生活がより充実したんですね。甲斐さんのように郊外に移住する人が、今後ますます増えそうだな、と思いました。

そうですね。ちなみに当社では、茅ヶ崎や多摩ニュータウンに引っ越したメンバーもいますよ。

もちろん事情によっては引っ越せない方もいると思いますが、「これといった制約はないけど、漠然と悩んでいる」という方には、ぜひ一歩踏み出してみることをおすすめしたいですね。

リモートワークだからこそ生み出せる成果が、きっとある

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── これからの時代、住むことと働くことは、切っても切れない関係になっていきますよね。今後、どんな変化が訪れると思いますか?

まず、住む場所の選び方は大きく変わっていくはず。コロナ以前、都内のIT企業では家賃補助を使ってオフィスに近い場所に住む、といった選択がポピュラーでしたよね。

でも、これから通勤の頻度が下がる、もしくは必要がなくなることで、住む場所の選択肢はぐっと広がる。そして、郊外に住めば家賃も下がって、浮いたお金を趣味などに使うこともできるでしょう。

コロナ後は、一人ひとりが自分らしい生活を実現できる場所を求めて、いろいろな場所に分散していくのではないでしょうか。

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働き方については、今以上にリモートワークがスタンダードになると思います。それも、やむを得ずではなく、戦略的に選択されるようになるのではないかと。

実は僕自身、ずいぶん前から海外などでリモートワークが流行っていると聞いて、「リモートでいいものをつくるのは難しいだろう」と思っていたんです。でも、実際に自分がその立場になると、ツールさえ揃えられれば問題ないと気付いて。今では、それを成果として見える形でも証明したいと考えています。

リモートワークには、一人ひとりが丁寧な情報伝達をするようになったり、業務の効率化がしやすかったりと、いろいろなメリットがあると思うんですよね。その強みをもっと活かせるようになったら、これまで以上にいいものを生み出せるのでは、と期待しています。

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── 「リモートワークでも」できるではなくて、「リモートワークでしか」できないことを実現する、ということですね。

そう思います。もちろん、リモートワークのデメリットがまったくないとは言いません。ですが、それは従来の社会がリモートワークを前提にしていなかったから、すぐにカバーできていないだけ。最適化が進むにつれて、可能性はもっと広がると思います。

── 新しい暮らしとワークスタイルを通じて、より多くの人がゆたかな未来を描けるようになるといいな、と感じました。今日は貴重なお話、ありがとうございました!

(執筆:中島 香菜/編集:澤木 香織/写真:森田 剛史)

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甲斐 啓真(かい けいま)
STUDIO株式会社 創業者で、2017年よりCPOを務める。慶應SFC在学中にUI/UXの研究室である増井研に所属。フリーランスエンジニアを経験後、2014年4月にUIデザイン会社のOHAKOに入社し、2016年4月にSTUDIOプロジェクトをスタートした。
同社が手がけるWebデザインプラットフォーム「STUDIO」は、コードを書かずにWebサイトを作成することができる。誰でも直感的にデザインができる操作性の高さから、日本のみならず世界でも注目を集めている。