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世界中の絶景を、“窓”で旅する。「Atmoph Window」が彩る、ニューノーマルなワークプレイスとは

窓のない会議室で過ごす閉塞感。代わり映えのない景色で長時間働くストレス。それらは、認識すらしていない小さな問題かもしれません。でも、積み重なればいつかは、大きな負荷になってしまうでしょう。

こうした課題を「世界の絶景」で解決してくれるのが、窓型スマートディスプレイの「Atmoph Window(アトモフウィンドウ)」。映像と音で、ワークプレイスに開放感や彩りを与えてくれるプロダクトです。

今回は、開発元であるアトモフ株式会社の代表取締役、姜 京日(かん きょうひ)さんにインタビュー。Atmoph Windowが秘める可能性や、コロナ禍の働き方、これからのワークプレイスの課題とその解決策を考えました。

日常のなかで感じるストレスを、美しい“窓外の景色”で緩和

澤木録画_Moment

代表取締役 姜 京日さん

── まず、Atmoph Windowとはどんなプロダクトなのでしょうか?

Atmoph Windowは、窓の形をしたスマートディスプレイで、画面に世界各国の風景映像を映し出し、さらにはその場所で収録した音も流れます。

朝には鳥たちがさえずる美しい森を、夕方には海に沈む真っ赤な夕陽を、夜にはマンハッタンのきらびやかな夜景を楽しむ‥‥これらすべてが、普段過ごしている空間で叶います。

映像の種類は現段階で1,000種類を超えており、今後も1年間に約500種類のペースで追加していく予定です。

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── 日々の生活を豊かにしてくれそうなプロダクトですね。どのようにして着想を得たんですか?

きっかけは15年ほど前、私がアメリカのカリフォルニア州へ留学したことでした。街を歩けば青い空とヤシの木が目に飛び込んでくるのに、一歩部屋の中に入ると全然その景色を楽しめなかったんです。唯一見えるのは、隣のビルの外壁だけ。私は次第に、自宅で過ごすことにストレスを感じるようになりました。

そんな状況をどうにか改善しようと、テレビの画面で沖縄の海の映像を流したりしてみましたが、イマイチしっくりこなくて。そのときから約10年間アイデアを温めて、試行錯誤し、ようやく生まれたのがAtmoph Windowなんです。

── Atmoph Windowを設置すると、見る人にどんな効果を与えるのでしょうか?

やはり一番のメリットは、精神的にリラックスできることでしょう。

以前、心的負荷を抱えている患者さんを対象に実施した実証実験で、Atmoph Windowを病室の壁に設置している場合とそうでない場合とで、ストレス度合いに違いが見られるかを調査。脳波の計測や血液検査で詳しく調べたところ、Atmoph Windowがある方がリラックスしやすいことが明らかになったんです。

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これは、例えば仕事中の心理状態にも応用できると考えていて。「成果を出さなければならない」というプレッシャーのなか、わずかな時間でもAtmoph Windowを通して美しい景色を眺められれば、緊張がほぐれてストレスから解き放たれやすくなります。

ブランディングからリラックスまで。利用シーンも目的もさまざま

── ユーザーのみなさんは、どんな場所にAtmoph Windowを設置しているんですか?

Atmoph Windowの利用者さまは、個人・法人の割合で言えば、8:2から9:1くらいです。

個人宅で使われる場合は、寝室とリビング、ダイニングが同じくらいの割合だと聞いています。

一方、オフィスに導入いただく場合は、ロビーや会議室、休憩所などに設置されていることが多いですね。

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── オフィス内は特に、置く場所次第で得られる効果が変わりそうですね。

そうですね、かなり変わると思います。

例えばロビーに置く場合は、空間演出を目的としているケースが多いです。Atmoph Windowを横に3台並べて、パノラマ映像を流したり。お客様の目に触れる場所なので、流す映像を選んでブランディングにつなげている、という声もよく耳にします。

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会議室は、閉塞感を解消する目的が目立ちますね。会議室には窓がないことも多いので、息苦しさを緩和したいと思われるようです。

また、休憩スペースに置かれるケースでは、リラックスできる空間づくりの一環として採用されます。ゆったりとした音楽を流し、自由に飲めるコーヒーを用意し、観葉植物を飾る。それに加えて、素敵な景色を眺めて一息つけるように、という使い方が多いですね。

コロナが教えてくれた、「環境を整えること」の重要性

── コロナが流行して、家にいる時間が一気に増えましたよね。閉塞感でストレスを抱えている人も多い、と聞きました。

非常に多いと思います。実際に、コロナの前後でユーザー層の変化を見てみると、個人宅での利用が増えているんです。みなさん、なかなか自宅から自由に出られない状況にストレスを抱えていて、Atmoph Windowに癒しを求めているのだろうと推測しています。

とは言え、私たちはAtmoph Windowだけでストレスのすべてを解消できるとはまったく思っていません。現地に足を運んで眺める景色の美しさには、やっぱりデジタルでは叶いませんから。

コロナの流行が終息して、安心して旅行ができるようになるまで、Atmoph Windowがみなさんの心の支えになればと思っています。

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── コロナ禍で、姜さんご自身が感じた変化はありますか?

コロナの流行は世界的な未曾有の危機ですが、新しい気付きも与えてくれたと思っています。そのうちのひとつが、美しい景色を見たいという潜在的な欲求。そしてもうひとつが環境を整えることの重要性です。

長い間自宅で過ごさなければならない状況下で、家を快適な空間にする大切さに気付いた方は多いはず。これはあくまで私の感覚ですが、日本はヨーロッパ諸国などと比べて、過ごしやすい空間づくりにそこまで価値を見出していなかった気がするんですよね。

仕事・プライベートに関わらず、自分が過ごす空間にこだわることの大切さを実感できた。それは、プラスに捉えるべきことなのではないかと思っています。

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行くだけで、心が踊る。これからのオフィス=楽しい場所へ

── ウィズコロナ・アフターコロナの時代、ワークプレイスは大きく変化していくと予想されます。Atmoph Windowにはどんな可能性が秘められていると思いますか?

今まさに、オフィスの広さやレイアウトを見直すべきタイミングが到来しています。コロナをきっかけにリモートワークを開始して、今後もそのまま継続する、というケースも多いでしょうし、その反面、会議室に多人数が集まる機会は激減しているはず。

今後は、オフィス内にパーソナルな空間、集中スペースのようなエリアが増えていくのではないかと思います。そうなると、会議室はよりコンパクトになり、窓がない部屋も自ずと増えていくでしょう。

こうして閉塞感が強まる環境下では、Atmoph Windowの良さがより活かされますから、たくさんの企業に導入いただけたら嬉しいですね。

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また、自宅でも仕事ができると分かったことで、オフィスに出社する意味が再考されていますよね。私は、これからのオフィス=楽しい場所になってほしいな、と思っています。

「今日の会議はパリでやろうか」とか、「草原でランチ食べようよ」とか、そういう“遊び”の部分が増えていけば、きっとオフィスに行くことが楽しくなるし、コミュニケーションが弾んだり、アイデアも出やすくなると思うんです。Atmoph Windowが、そんな楽しい空間づくりの主役になれたらいいなと。

一方、在宅勤務もどんどん普及していますから、オフィスだけでなく自宅での作業環境も、引き続き大事にしていきたいところですよね。Atmoph Windowを見て気分転換をしたり、リラックスしてもらえたら嬉しいです。

── 最後に、今後のAtmoph Window開発における展望を教えてください。

ひとつは、Atmoph Windowを壁一面に広げる「Panorama Wall」の実装で、2020年度内を目処に準備を進めています。現状は縦1×横3がMAXですが、2x2や3x3、さらに範囲を広げて7×2など、接続台数を増やすことでより迫力のある演出が可能になります。

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「Panorama Wall」のイメージ

それから、Atmoph Windowは上部にカメラをつけられる仕様になっているので、近い将来、等身大のビデオチャットができるようにしたいと考えています。多くの方が感じている「会いたい人に会えない寂しさ」を少しでも軽減できればと、開発を急いでいるところです。

── Atmoph Windowが彩る新しいワークプレイスは、今までにないくらい心が躍るものになりそうですね。さらなる進化を楽しみにしています!

(執筆:中島 香菜/編集:澤木 香織)


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アトモフ株式会社
https://atmoph.com/ja/about_us
2014年に京都で設立。2015年に、世界初の窓型スマートディスプレイ「Atmoph Window」を発表。家で過ごす時間の質をより良くするために、「自然」と「テクノロジー」への新しいつながり方を考えている。
2019年に改良版として発売を開始した「Atmoph Window 2」では、風景の種類が増えただけでなく、サウンド進化やGoogle Home対応などの機能も充実した。