見出し画像

義務からの解放が夢中へとつながる(by 為末大)

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

「夢中になる」ということについて書きます。

仕事も趣味でも、夢中になって取り組んでいる状態というのは、「なんでこれをやってるのか?」という問いに対して自分の言葉で語れている状態だと思います。

「なんでこれをやってるのか?」という問いに対して、自分の言葉で語れることがなぜ重要かというと・・・

本当に夢中になってる時って、自分を客観視することさえ忘れてしまう(できない)ほど打ち込んでいる時であり、そこに冷静さがあると、「もっと夢中になれるでしょ?」って思うんです。

ある意味「冷静さを失っている」状態なのかもしれませんが、目の前のことに本気で打ち込んでいる時っていうのは、周りの声も聞こえないこともあります。

ただ、夢中になってあることに取り組んでいる時間というのは、ずっと続くわけではありません。

ふとした時に、冷静になる瞬間があるんです。

そんな時に脳裏によぎるのは、「なんでこれをやってるのか?」ということ。

そんな根本的な質問に立ち返った時に、明確な答えが出ないと何が起こるか・・・

「やってる意味なくない?」という結論に至って、やってたことを手放してしまう。

仕事に置き換えると・・・

ふと「なんでこの会社に勤めてるんだっけ?」と考えた時に、明確な答えが出てこないと、「転職しよっかな」となります。

人間関係に置き換えると・・・

ふと「なんでこの人と一緒にいるんだっけ?」と考えた時に、明確な答えが出ないと、「次からは会わなくていっか」となります。

その時の自分は夢中になってその時間を過ごしているんだけど、ふと冷静になった時に、その時間に対する意味を明確に持っているかが、安心して夢中になれる理由なのかなと思います。

「なんでこれをやってるのか?」という問いに対する答えは、具体的でも抽象的でも良いと思います。

大切なのは、その答えに対して自分自身が納得しているかどうかです。

自分自身が迷子にならないように、安心して夢中になれるように、今の自分に対して「なんで?」を問うことはとても大切です。

客観的に見たら「なんでそれやってるの?」と言われるようなことをやっている時に、この問いの重要度は増します。

自分がやっていることに対して「なんでそれやってるの?」と言われると、「あれっ、自分のやってることって普通じゃないのか」と考える瞬間ができるからです。

「自分の言動を自分で言語化する」ということで、これも、ブレない自分を構築するためには必要な能力な気がします。

元陸上選手の為末大さんの言葉を紹介します。

「努力は夢中に決してかなわない」

「義務からの解放が、夢中へとつながる」

この2つの言葉、とても共感しています。

以下の引用部分もぜひ目を通していただきたいです。

個人的には、「とてもわかりやすい言語化だなぁ。」と思える内容が書かれていました。

何かに夢中になると、ぐんと上達するというのです。
ただ意図的にそうしようとしても、なかなかできるものではありません。
「しよう」と思っている状態は、すでに自分を客観的に見ている状態です。
例えば、目の前に大好きな父親が立っていると、自然に走っていけるお子さんがいるとします。
でも卒業式のようなたくさんの他人に見られる場所で歩くと、急にギクシャクしてしまいます。
人から見られていると意識をした途端、身体の動きは自然ではなくなるのです。

これは、スポーツの試合とかでもあることだと思うんです。

意識してやろうとするとなかなかできないけど、夢中になっていて身体が勝手に動いたみたいな。

※僕はサッカーを18年ほどやってましたが、こういう経験が何度もありました。

本来、アスリートは自分の限界を突破するまでがかなり難しいのですが、一度超えると、記憶して再現できるようになります。
「努力」は没頭している状態ではないので、限界を突破するのが難しい。
だからこそ、「夢中」になることは選手の力を向上させるためには欠かせず、努力は夢中には決してかなわないのです。

これはアスリートとして極めた人ならではの発言だと感じました。

「努力は没頭している状態ではない」というのは、「なるほどなぁ」と感じました。

指導者は選手を競技に没頭させるためには、どうすればいいのでしょうか。
それは義務から選手を解放することです。
例えば、「勝たなければならない」「より上の順位に行かなければならない」ということから、意識を解放させることが大事です。
漫画を読んでいると夢中になれるじゃないですか。
それは読んでも評価されないからです。
でも読書感想文を書くとなり、評価されるとなると急に読む姿勢も変わってしまいます。
アスリートの場合、上に行けば行くほど、期待値は上がりますし、義務から自分の心を解放するのは難しくなります。
しかし「ここは絶対に勝つぞ!」と指導者が言うと、選手は期待に応えなければならないと思い、そう思えば思うほど、夢中からは遠ざかってしまいます。
ちなみにチーム競技よりも、個人競技の方が義務から解放する必要性が高い。
チーム競技だと、組織の中でそれぞれ役割があるので期待との向き合い方も少し違うからです。
いずれにしても、周囲の期待や義務との向き合い方を実践しながら、自分なりの向き合い方を定めていく必要があります。

「義務から選手を解放すること」という言葉と出会ってから、キャリア系の研修の場で何度も使っています。

「向き合わされている」という感覚を持っていたら、いつまで経っても自身の限界を突破することはできないですから。

私自身、好きなこと、勝つことのどちらが自分にとって大事なのかを18歳のときに問いました。
100メートル走の競争は厳しいので、400メートルハードルなら勝てると思い選びました。
どこを主戦場にするのかを決めることで、その後の人生は変わりました。
競技選びはサイコロの目のようなもの。
トップアスリートでも自分で選んだという人はほとんどいません。
家族がそのスポーツをしていて5、6歳から始めて、ハマっていき、勝つのが楽しくなったという人がほとんどです。
それほど自分に合った競技を選ぶのは難しいのです。

この内容は、好きなことを仕事にするのか、提供価値が大きいものを仕事にするのかという話に近いかなと思います。

「提供価値が大きい仕事ってなんだ?」ということを個人でも追求しないといけないなぁと感じました。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?