見出し画像

曇りなき眼で、いつも何度でも。(「あたりまえ」を「あたりまえ」のように疑う。)

スタジオジブリが、『もののけ姫』を劇場公開したのは、1997年でした。
気付けば既に25年の歳月が過ぎているのでした。

当時の宮崎駿監督は、環境破壊を含めた人類の行き過ぎた消費社会に危機感を持っており、このような作品を作るきっかけの一つになった。そんな話を聞いたことがあります。

2022年現在、私たち人類はどこへ向かうのでしょうか?

昨日の悲しいニュースを含め、ここ数年の世の中の大騒ぎをみると、大きな転換点に生きているようにも思います。


画像1

もやもやしながら、本屋さんに立ち寄ると、気になる本を見つけました。

それは、『GIVE & TAKE 』や『ORIGINALS』といった著作で有名なアダムグラント氏の最新刊でした。

『THINK AGAIN』というタイトルに惹かれて読んでみると、どんどん引き込まれて行きました。


当たり前に疑問符を

情報技術の進歩に伴い、人の知識も増えている。
しかも、どんどん、勢いを増しながら。2011年、私たちの情報摂取量は、その4半世紀前に比べて、およそ5倍増加した。
(中略)ということは、社会の変化の速度に伴い、私たちはより頻繁に、それまで当たり前だと信じていたことを疑問視する必要がある。

電車の中に乗れば、窓から見える景色をみている人は、ほとんどいません。
何をみているかと言うと、老若男女、ほとんどの人がスマホの画面を見ています。

遠目から目に入るのは、ゲームの画面か、SNSの画面、YouTube動画等。
夥しい情報を人々は、1日の多くの時間で消費しています。

数十年前には、想像していなかった光景が現実の中に広がっています。

人々が、本を読んだり、景色を眺めたり、うたた寝していた時間は、夥しい情報を仕入れる時間に変わっています。

それだけたくさんの情報が入ってくると言うことは、情報が廃れる時間が非常に早くなっていると言うことです。


1週間前のYahooニュースを覚えている人は、どれだけいるでしょうか?

今までは、新聞やテレビ、ラジオが主な情報源でしたが、今はスマホで24時間、好きな情報に好きな時にアクセスできます。

情報の洪水に溺れないためにも、自分が仕入れている情報を、自分なりの基準で考え、今まで当たり前だったことを、改めて見つめること。


これを今まで以上に意識的に行っていく必要があると思います。

とりあえずやってみよう

私たちは十分な自信が湧かずとも、高いハードルに挑み、越えることができるのである。
高いハードルにチャレンジする中で、自信を築いて行けばいいのだ。

当たり前がすぐに変わってしまう世の中。
だからこそ、とりあえずやってみることの重要性を著者は書いています。

準備ができるまでやらないのではなくて、まずはチャレンジして、自信をつける。そして結果的に成功を掴むと言うパターンが、今までより重要なのかもしれません。

「バラ色メガネ」をゴミ箱に入れよう

ものごとの本質を捉えるために、バラ色のメガネをかけず、健全な知識や分別のほうを好む。来年は失敗するかもしれないという不安が強力なモチベーションとなり、去年の失敗を曇りのない目で見直すことができる。
「多くの正しい判断ができる人は、よく耳を傾け、よく自分の考えを変える人だ」とアマゾンの共同創立者のジェフ・ベゾスは言う。
「自分の考えを頻繁に改めなければ、間違うことも多くなる」

日々の生活で、ものすごい情報が無条件に頭の中にアクセスしていきます。
だからこそ、自分の考え方や知識は、とことん疑ってみる習慣が求められているのかもしれません。

「薔薇色メガネ」(自分の過去に学んだ知識、考え方)をかけて、他人や社会を否定することは簡単です。

不満を言って生きることは、実は一番簡単なことだったりします。

情報が溢れる時代だからこそ、自分が知らぬ間に、薔薇色メガネを欠けていないのか、考えてみたいものです。

社会人になってある程度の年数を同じ会社で働くと、同じことが繰り返され、入社当時のように努力する必要はなくなっていきます。

楽になってくることは、悪くないことに思います。


けれども、それでいいのでしょうか?
実は、同じ場所で同じように、同じような考え方に固執すると、もうそこから抜け出せなくなってしまうかもしれません。

情報洪水、変化のスピードが早い時代なので、ボーッとしていると、溺れてしまうかもしれません。

そんな時代で、溺れないためにも、自分の頭で考え、軌道修正し、生き方をいつも見つめる。

当たり前のようなことですが、今の時代ほど、「曇りなき眼(まなこ)」を持って、自分と向き合うことが大切だと思うのです。

「当たり前」を「当たり前」に疑い、日々を過ごしたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?