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オンラインとオフラインの境界線が、無くなる前に。

オンラインは良いことだけか?

オンラインは、本当に良いことだけなのか?

その問いについて、数々の実験データに基づき答えた本がある。

それが、『オンライン脳』という本だ。この本は、脳トレブームの立役者である川島教授によって書かれた。

川島教授は、この本の中で繰り返し、オンライン化する日常に警鐘を鳴らす。

同期しない脳

私たちのスマホは、インターネットに繋ぐたびに、アプリをアップデートする度に、システムと同期して更新される。

けれど、私たち、つまり人間はそのようにはいかないと川島教授は指摘する。

私の研究では「相手の気持ちを思いやりながら行動する」側面にも注目しています。対面でお互い顔を見ながらよいコミュニケーションがとれた場合には、お互いの脳活動が「同期する」という現象が起きます。  ところが、 オンラインでは脳が「同期しない」という実験結果が出た 
これは、重要なことを示しています。脳活動が同期しないことは、脳にとっては、「オンラインでは、コミュニケーションになっていない」 のです。 情報は伝達できるが、感情は「共感」していない。つまり、相手と心がつながっていない、ということを意味します。
人は、対面で視線を合わせることで共感が得やすい、と心理学でもいわれています。動物と違って、視線を合わせることで心を通じ合わせてきた人類にとって、パソコンなどのカメラと画面で 微妙にずれた視線では、心が動くコミュニケーションがとれない のです。  また、音声と画像もずれていますから、脳にとっては、声がずれた紙芝居を見ているように感じられているのでしょう

現在は、どんどん、オンラインの世界がリアルになっていく傾向にある。

最新のゲームをみてみると、私たちが見ている世界と変わらない画質が映し出される。

VR(仮想空間)のテクノロジーが進歩すればするほど、この傾向は顕著に進んでゆくだろう。

気がつけば、マトリックスの世界。

自分がオンラインの世界にいるのか、現実の世界にいるのか。

わからなくなることだらけ。

そんな可能性は近い未来に現実的になるだろう。

そんなことはない、といえるだろうか?
10年前の世界が、現在のスマホだらけの世界を想像できなかったように。

どう抗ったとしても、大きな流れに私たちは逆らえない。

だからこそ、オンラインとオフラインの境界線が消えないうちに、いまはオフラインの現実の世界を楽しみたい。

目の前の人とじっくり話したい。

自分の体で自然を感じたい。

海の冷たさを感じたい。

人と握手したり、大好きな人を抱きしめたり、人の温かさ、温もりを感じたい。

人間だからリアルな世界だから感じられることを感じていきたい。

そんなことを想う、今日この頃なのです。

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