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蒲原でも面白いワーケーションがしたい!千曲メンバーによる視察レポート

「千曲市のように蒲原を盛り上げていきたい!」
静岡県清水区蒲原で活動する青山健さん(健さん)に相談を受けたのは、長野県千曲市で「ワーケーション・ウェルカムデイズ(WWD)」を実施している株式会社ふろしきやの田村さん。

健さんの話から蒲原愛を感じ、「実際に足を運んでみよう!」と2023年4月に1泊2日の蒲原ワーケーション視察が実現しました。株式会社MaaS Tech Japanの清水さんと、私、PR担当坂下も一緒に清水区蒲原に伺いました。

清水区蒲原は東海道15番目の宿場町として栄え、今でも風情ある町並みが色濃く残っています。町を盛り上げようと開催された座談会には清水区区長も参加し、活発な議論が行われました。今回は視察の様子、紹介いただいた名産や名所、清水区蒲原の魅力をレポートします。

清水区蒲原と千曲をつなぐ出会い

(清水区蒲原の皆さん:男性左から、青山健さん・西尾透雄さん・奥山紀之さん)

清水区蒲原を案内してくれた皆さんは、千曲市と深い絆で結ばれています。清水区辻でTシャツプリント屋を営む奥山紀之さん(紀さん)は、屋代駅前にある和かふぇよろづやの女将、北村たづるさんと大学時代からの知り合いで、2019年に偶然再会を果たしました。

そんな矢先、台風19号により千曲川が氾濫、被害が広がっていきました。たづるさんや千曲市の方々がショックをうけている姿を見て、紀さんは何かできることはないかと、清水区蒲原の仲間たち(青山健さん・西尾 透雄さん)を引き連れて千曲市でチャリティーランチ(長野×清水チャリティーランチ)を開催しました。蒲原特産、天皇杯受賞の蒲原いわし削りが大人気だったそうで、チャリティーランチは大盛り上がりだったのだとか。

清水区蒲原の皆さんはこの日を機に千曲市の方々と意気投合し、お互いの地域を行き来するなど、交流の輪を広げています。

ランチは70人待ち、大人気海鮮丼を漁港で

そんな紀さんと健さんに出迎えていただき、私たちが最初に向かったのは静岡市の隣に位置する富士市にある「田子の浦漁協直売所、漁協食堂」さんです。土曜日ということもあり食券を買うにも列ができていました。食券の番号から計算すると、70人待ち。その間に名物、しらすコロッケを食べながら話しつつ、漁港を眺めていると、ついに食券番号が叫ばれました。

お盆を2つ持ってきたのは田村さん。誰かの分も持ってきてくれた……のではなく、「気になるものは全て食べる、それが旅の楽しみ方の一つ」と、一人で2杯頼んでおりました(笑)。田村さんいわく、腹八分目ならぬ、腹十二分目になったとのこと。朝採れの生シラスは新鮮で味がしっかりしていて食べ応え抜群!他の海鮮を食べたくなる気持ちが分かります。

満たしたお腹を落ち着かせるため向かったのは「ふじのくに田子の浦みなと公園」。周りに遮るものがなく、北に富士山、南に駿河湾の海を望める広場は、都内ではなかなか目にすることがない空間です。子どもたちが走り回る様子に、この公園を目的に住みたいと思う家族も多そうだなと妄想しておりました。

区長も参加の座談会、溢れる清水区蒲原の熱気

本日泊まる宿「BACKPACKERS HOSTEL燕之宿」さんにチェックインします。豊かな自然と、町並み、清水区蒲原に住む人々に魅せられて移住を決めたオーナーさんが経営する、落ち着いた宿です。

座談会会場は、燕之宿に隣接する築200年の醤油醸造蔵を改築したコワーキングスペース”ヤマロクソース”です。座談会には地元住民、行政職員、事業者さん、そして清水区区長もお越しになり、総勢15名で話し合いました。

まずは田村さんから、千曲市で開催しているワーケーション・ウェルカムデイズの取り組みを説明します。住民の方、行政と連携する話は関心が高く、具体的な質問が多く寄せられました。ワーケーションをきっかけに始まったプロジェクト、ふるさと納税活用やゲストハウス設立の動きは特に清水区蒲原の皆さんも刺激をうけたようで、活発な議論が行われました。

清水区蒲原の取り組みについてもお話しを伺いました。住民主導で提案をした「蒲原軒先トイタマーケット」や、旧東海道沿いに江戸以前から紡がれる歴史、サーフィンをするときに海から見る富士山がキレイといった、話を聞きながら景色が浮かぶような地域の魅力を伺えました。

働く場所・楽しむ場所

座談会でお話しがあった場所や取り組みを実際に体験させていただきました。

蒲原軒先トイタマーケットInstagramより

蒲原軒先トイタマーケット

燕之宿オーナーさんや健さんなど、地域事業者さんが旗揚げした「蒲原軒先トイタマーケット」は、戸板(雨戸)をひっくり返し、市のようなことが日常的に行われていたのをヒントに、旧東海道沿いに小さなショップを点在させたマーケットです。

漁師兼コーヒーショップを営む方や、果物専門店による生フルーツゼリー、手作りジャムをつくるおじいさんの店と、味のあるお店がたくさんあります。あえて店を近接させないことでまち歩きを促して、情緒あふれる街を楽しめる設計になっています。たくさん食べて歩いて景色にいやされ、町の方と交流を楽しめる、地域の絆が生み出したイベントです。ホルモン定食、ラーメン、コーヒー、ジェラート、おでん……ここでも田村さんの「怒涛のグルメ」が展開されたのはここだけの話(笑)。

歴史ある建物を活用する

淡い緑色の外観が特徴的な旧五十嵐邸は、大正期以前に町家建築として建てられた医院併用住宅です。歯科医院として利用されていた建物の2階には今も機材が残されていて、当時の面影が残っています。Wifiを持ち込めば快適なワークスペースになり、風が吹き抜ける2階スペースは気持ちが良いです。

清水区蒲原でまちづくりをおこなうベンチャー企業のスルガノホールディングスさんが展開する取り組みにも目が離せません。ジェラートや地ビール、ラーメンなど産物の創造に加え、拠点づくりにも力を入れています。
その一つが古民家をリフォームして宿泊施設にするプロジェクトです。第一弾の456(シゴロク)を訪れました。貸切できる、活用の幅が広い宿です。

BBQ、サウナ、RVサイト、レンタサイクルが利用できる「トライアルパーク」も注目です。充実した施設を活用して行政、地域、企業が実験の場として活用できることがコンセプトになっています。蒲原ワーケーションを実施する際の拠点になりそうです。

イルカに牛の肺、清水区蒲原驚きの名産品

清水区蒲原はシラスや桜エビといった海の幸が楽しめますが、懇親会で出てきたのはなんとイルカの「すまし」。別名「蒲原チューインガム」……ガム!?
イルカのヒレをスライスして茹であげた後に塩をもみこんだ珍味です。ガムの名前に先入観を持ってしまいましたが、弾力があって塩味と独特の香りが楽しめます。昔は駄菓子屋などでもよく売られていた、独特のクセがたまらない一品です。

そしてもう一つ初めて食べたのは牛の肺です。食感は……ふわふわ。そう、そんな食感からこの部位の名前は「フワ」と呼ばれているのだとか。おでんの具にも使われる希少部位です。普段食べる機会がない食事を皆と楽しめるのもワーケーションの醍醐味です。

肝心の桜エビはちょうど帰る日の夜解禁で食べれず……次に来たときには食べるぞー!

清水区蒲原でお会いしましょう

複数の宿、ワークスポットも点在し、どこか懐かしさを覚える街並みと主体的に町おこしをしている方々がいる清水区蒲原。どこか千曲市に似ているあたたかさを感じました。蒲原地区は、富士川の橋を渡ってすぐ富士市にアクセスできます。千曲市のワーケーション・ウェルカムデイズ同様、市内にこだわらずに近隣地域の魅力も味わいながら交流や体験ができそうです。

千曲市でワーケーションを展開してきた私たちが皆さんに届けたい「短期間で非日常を味わえる旅のような、予期せぬ出会いと五感で楽しむ感情」を、清水区蒲原の魅力を生かして実行していきたいと思います。ご案内いただいた皆さん、座談会や懇親会でご一緒した皆さん、ありがとうございました。蒲原ワーケーションの実施により出会いの輪が拡がるきっかけになりそうです。

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