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Hotel Akashic Record 48 murder caseホテルアカシックレコード48それは亜空間に存在するかもしれない全ての記録集まった記録を確認するためのホテル施設。団野少年は渋谷のとあるレコード店から亜空間に迷い込む。アカーシャとは何か?アカシックレコードとは何かを紐解き、ある計画を思いつく団野少年。そしてアーカーシャの真の目的とは何か?


「アカシックレコード・アカシックレコード」こんなレコ屋、渋谷にあったけ?
真夏の渋谷スクランブル交差点。空気は熱気に包まれ、街は煌々と輝く太陽の光が見える。 歩道には複雑な模様の熱帯魚のような歩行者たちがいて、様々な方向へと流れるように移動しているまさにスクランブルだ。 人の額には汗がにじみ、背中には濡れたシャツがぴったりと張り付いている。体感43℃はあるだろうか。

「今時レコ屋でホームページねーとか終わってんな。」
団野篤独り言を呟く。
DIGGIN ALL TIME ティーシャツには恥ずかしいプリントが施してあるがこのTシャツの背中も御多分に洩れず
汗が滲み出している。

たまたま鎌倉の古本屋で見つけた。
レコードコレクターズに当時の持ち主が手に入れたであろうアカシックレコードの広告が挟まっていたのだ。

あなたも私もアカシック
そんな彼女のアカシック

[知りたくないかい?アカシック
全てがそこにはあるぜ!
1995年8月4日堂々開店
アカシックレコード
スクランブル交差点最寄り内外ビルM4F
アクセスはこちら↓

「しかし暑いな。死ぬっつーの。」
手に持っている ナニスタルガイザー は秒で無くなった。
歩道にはビルの影が限られており、人々はその限られた場所を求めて群がる。 日陰を求める人々の姿は、まるでオアシスを求めてさまよう旅人のようだ。汗ばんだ髪を手で払い、うだるような暑さにも負けずに歩いている。

そんな中、発見した。

アカシックレコード本店M4Fの看板

「以外に近けーじゃん」
渋谷駅ハチ公口から徒歩5分といったところだろうか?
「っていうか、看板 古!場末のスナックかってーの。看板の色が紫ってヤッバ!」

団野は避難するかのように、ビルに駆け込み、エレベーターの作動ボタンを押す。
さながら、地球最後の自爆装置のボタンを押すかのごとく登りボタンを連打。

「さっさと来いよエレベーターの分際で!」
みんな知っていることだ。ボタンを連打したって、エレベーターが早く降りてくることはない。

チーン。

美容整形を終えた女子たちがきゃっきゃ言いながら余裕こいてエレベーターから降りてきた。

さっさと降りろよボケ!と心に思いをぐっとしまいこみ、エレベーターに「読書き小人軍に在籍した三志」の盗塁を彷彿とさせる動きで
エレベーターにスライディング!からの閉まるボタンの連打である。

行き先階のボタンを探すが・・・・・。
M4Fのボタンがない。
「は?」
M4F・M4F・M4F・・・・・ピンポーン!閃いた。
ミドルだ。ミドルのMなんだ。
ってことは5階から階段で降るか4階から登るかってことか。
バカでもわかる選択肢だ。5階から降るに決まってんだろう。

ここでも5のボタンを激しく連打する団野にボタンを連打しても早く着くことがないことを
突っ込む友人は今日はいない。一人で渋谷にレコードを探しにきた。というより、

アカシックレコード本店に行ってみたかった。

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