バービー
とにかくキラッキラした世界観が映画! インテリアや衣装の細部まで小ネタ満載。画面の細部に至るまで情報量が多すぎて、あちこちに皮肉が効いていて、読みきれなかったのでもう1回観たい。
女子の世界「バービーランド」を乗っ取った男子の国が「ケンダム」("kingdom=王国"のもじり)なのも笑えた。
バービーたちが逆転のため男たちの気を惹いて時間稼ぎする策略として、「photoshopの使い方を訊くと延々としゃべって止まらなくなる」とか「映画"ゴッドファーザー"について質問すると話が止まらなくなる」とか「海岸の焚き火の横で、ギター片手に歌を歌わせたら何時間も止まらなくなる」とか…… 男心の馬鹿度を心得ていて爆笑。
物語は、今の現実社会を裏返しにしたユートピア(女性が主役のバービーランド)で始まるが、ディストピア(男性が全てを仕切っている今の社会そのもの)に裏返ってしまったので、再びユートピアを取り戻そう!と女たちが闘うことになる。
中盤、グロリア(アメリカ・フェレーラ)が、今の現実社会で「女性はこうあるべき」と課せられている数々の”呪い”をまくしたてるスピーチが圧巻。
バービーとその仲間は、この「女性にかけられた呪い」をそれぞれ自覚することで洗脳を自ら解くことになり、事態は収束に向かう。
とはいえ単純な逆転劇では終わらず、男がエラいとか女がエライといった「二項対立」こそを超えていくべきなんじゃないか?と最終的には問いかけてくるところが奥深い。「未来は自分で作り出そう」という前向きなメッセージを受け止めた。
(2023.8.25)
http://www.wonosatoru.com
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