【毎週ショートショートnote】ネコクインテット
【今宵、虎猫美術館より『天使の猫鍋』を頂戴する】
「また、キャッツ5の予告状か」
犬のお巡りさん、ポチも5匹組の怪盗には困っていた。
『天使の猫鍋』は、翼の生えた鍋に入った猫が天に昇る様を描いた名画。
猫に泥棒されるわけにはいかない。
ポチはある場所を訪れた。
行きつけのジャズ喫茶だ。
お目当ては、ネコクインテットの演奏。
引っ掻きまわす音の展開に、じゃれるような無邪気で自由な演奏のファンだった。
「俺も華麗に捕まえてやる」
その夜、虎猫美術館を囲うように101匹のわんちゃんが配備された。
予定時刻。
「猫に小判だ!どこからでもこい!」
パリン!
ガラス張りの美術館の屋上からだ。
「どうやってあんな高い所から?」
闇に目を凝らすと、黒いキャットタワーが。
「なんと大胆な!」
ポチの負け犬の遠吠えが闇夜に響いた。
ジャズ喫茶の屋根裏にお宝があるとも知らず、ポチは今日も大好きな音を追っかけている。
(400字)
【副題】キャッツ5
今週もギリギリとなりましたが、参加させていただきました。いつもありがとうございます!
なんとか、次のお題発表前に間に合うことができました(とりあえずホッ)。
今週のお題は、最近観た『ルパン三世vsキャッツ・アイ』からヒントを得て、というか思いきり乗っかって、そこに猫&犬要素を加えた形となりました。
どうか楽しんで読んでいただけますように!
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