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今週の未来のケアを紹介します。(2022/08/09)「未来のケアを考えるミーティング」 講座開催報告


テーマ『ケアのある社会とケアを基点に思考することのできる社会実装を目指して』

シラバス

内容

「未来のケアを考えるミーティング ワンダーケアミーティング」
心理学、哲学をベースに「働くこと」に関連する思考法を学ぶ講座です。ともに学び、共感し、議論を重ねて思考を広げる構成で行います。

受講者

参加は招待制です。20代〜30代の受講者が対象の内容です。
対象:
・「働くこと」に関する悩みがある。
・自分で主体的に何かを生み出したいと考えている。
・「このままで良いのかな。」という漠然とした疑問や、この先に起こる社会システムの変化や環境変化を知っておきたいと考えている方。
・柔軟な適応能力を身につけたい方。これから起きる変化を受け止めて、思考する能力を磨きたい。
望ましい準備: 特に必要ありません。答えを得るのではなく、常に考え続ける姿勢を意識してご参加ください。
日程:
2022年5月より3ヶ月間
毎週木曜/ 20:00-22:00(変更あり)
講義/全6回+ワークショップ2回

講義ノート

(1)2022/05/12 第一回:古典的に必要だった計算や手法はテクノロジーで解決できる時代。人が考えるべきこれからの社会に本当に求められていることは何か。
 
(MEMO)イノベーションを生みだす。人の役に立つこと。チャレンジだけでは衰退する時代。本当に残る役にたつものを追求して、必要なら撤退することも潔く行ってみよう。
(2)2022/05/19 第二回:「ナラティブ」の前提。誇大広告が与えた負の影響と、本当の目指すべき目的地の探求。
 (MEMO)誇大広告を行ってきた社会の負の遺産。いまだに過去の大量生産時代を夢見た広告の例。マスで伝えなくても、本当に必要な人に本当の情報が必ず届く時代になった。「ゴール=目的地」のために新しい伝え方の時代へ。
(3)2022/05/26 第三回:時代とともに変化をするべきポイント
 (MEMO)世界の情勢や社会の雰囲気が変化すれば、全てを見直す必要があり、必ず変化して順応することを考える。
(4)2022/06/02 第四回:時代が終わるときと始まるとき。AIとアルゴリズム、テクノロジーの予測と起きること
(MEMO)人間の曖昧さやグレーな部分人間の知能を超えたアルゴリズム時代に持っておくと便利な視点=こう考えたほうが楽かも。
(5)2022/06/09 第五回:これから持っておくべき視点と情報
(MEMO)広告、社会の動き方、自分自身や身の回りの環境の置き方。これから想像を超えるスピードと出来事が待っている。起こり得ることとその背景について知っておくことは、考える材料が増えるので今、学ぶことが重要。
(6)2022/07/14 第六回:過去の情報の広がり方と現在の違い。現在に必要な情報の伝え方。
(MEMO)情報の広がり方を理解すると自ずとパーパスの重要性がみえる。社会課題やこれからの未来を考えて本当にみんなが幸せになれる方向を見出して、進めていくことができなければテクノロジーやAIに淘汰される。
(7)2022/07/28 ワークショップ(ディスカッション):これまでの構造主義と相対的な考え方がつくってきた大量消費と破壊の仕組み。
(MEMO)相対的な社会システムの中で、絶対的な考えを提唱できる人たちが少しでも増えれば社会は現状ではない場所へ向かわすことができる。
+テクノロジー、人工知能、アルゴリズムがある。
ナラティブに到達点はない。
けれど追い求めていくことがイコール存在し続けることになる。なぜなら、アルゴリズムもそれを求めているから。テクノロジーが補助して生きていけるようなスモールな社会が回り出す。
それが全員に必要だから、ナラティブを突き詰めること=前に進むためのたった一つの道である。
(8)2022/08/04 ワークショップ(ディスカッション):学び方の基本と常に持つべき心構え
(MEMO)グローバル思考とローカル思考。絶対的と相対的。


あとがき:「講座とディスカッションを終えて」

 本講座は20代後半〜30代、事業の経営や個人の事業などを行うメンバーが参加してくれました。

全六回の講義と、二回のディスカッションを行い、それぞれの学びや疑問を共有しながら進めることができました。講義といっても「教え、教えられる」ような、いわゆるスクールのテキスト通りではなく、講師の経験をもとに、みんなで今起きていることをタイムリーに捉え、これから起きる出来事を予想しながら自らの心に本質を問いかけるような時間になりました。

 受講者の皆さんは「問い」を毎回持ち帰ることになり、自分の心に問いかけて答えのない思考を繰り返したことだろうと思います。「問い」は宿題のように課題を誰かから与えられるものではありません。
講義の中で感じたことをゆっくりと消化する過程でどこからか湧き上がってくる自分自身への「問いかけ」となるもののことです。

これから必要になる普遍的な「問い」を立て続ける力とは。

 20代〜30代、現代では多くの活躍の機会を得られるようになりました。インターネットネイティブ、SNSネイティブの世代であり、あらゆる物事がグローバルにつながることで共感や評価をしてくれる人と出会うことも増えたことでしょう。しかし、同時にこれまで大量生産と大量消費を繰り返しながら成長し、壊れ、すでに終息後の誰も経験したことのない社会を生きている世代です。先人たちの成功例を真似しても、先人たちの歩んだ道をそのままの歩調で歩んでいても、これまでとは全く異なる結果が待っていることは避けようがない事実です。
自信を持って自分の心のままに歩んでほしいと願いますが、残念ながら今の社会や、置かれた環境によってはその機会は限られ、残念ながら抵抗を受けずに歩んでいくには難しいことも多いです。

 そのような中で、「普遍的な本質」に触れることはこれから予測不能の事態が起きた時に「思考する」ことを助けてくれるのではないかと私たちは思っています。それが本来の「学び」だと考えます。答えやテクニックを身につけたとしても、すぐに更新されて明日には古くなっています。
情報の更新速度は今や7倍から18倍と言われます。これから時代の速度はさらに早まり、テクノロジーや人工知能が作る基盤に人間が合わせる時代は間も無くのことと言えるでしょう。

 人類がまさに「知」を残そうとした紀元前から変わらないこと。ブッダやソクラテスが現代の私たちにも語りかけてくれていることは本質であり、永遠に失われません。それは常に「問い」を持つこと。世の中、世界の全て、すべての全てを知ることは人間には不可能です。
そのことを前提にして常に「問い」を持つこと、「疑問」と「探究心」を持って周囲の出来事を見る眼差しが必要です。いま、科学の進歩によって人間の認識では把握できない「何か」の存在があることがわかりました。ようやく人類は計算によって「絶対に知ることができない何かがある」ということがわかったのです。ではそこで知り得ないなら諦めて相対的に生きることを選択するのでしょうか。そうではありません。
人間は相対的ではない選択の結果、生命として脈々と歩みを続けてきたのですから、自ら思考する過程で、自分自身への本質的な問いかけの中で、自分のようなものを認識し、心の向く方向を確かめ、感じた感覚。それに従って足を前へと運ぶのです。答えのない思考の中で、自分への問いかけが自分自身や大切な誰かの活路を見出すと、現時点で感じています。そして、それこそが普遍的な問いを残してくれた先人たちからのメッセージと受け取っています。

 「問いかける」とは実はとても難しいことです。知識や経験に囚われてしまうと、人間はいま考えられること、つまりすでに頭の中にあることだけでしか思考できないということです。それでは落とし穴にはまってしまいます。知らない間に内側へ内側へとベクトルが向かって、ぐるぐると同じような言葉で、とりあえず出てきたこれまで知っている言葉に帰結する。いわゆる「悩む」というような状態かもしれません。

「悩む」のではなく、「考えること」。

 では、私たちは「悩む」と言われる状態になった時に、何をするべきなのでしょうか。それは、ひたすら思考し、問いかけること、です。そして一番重要なことは、その問いかけによって自分の感じる感覚に言葉を当てはめるのではなく、心が動くその瞬間を感じて、見逃さないことです。「情動」を感じたときは、本来の自分が非常に近くにある時です。いつもは奥底に入っている自分の心そのものが近くにあります。無理に知っている言葉でそれを定義せずに、その情動の中へ思いきり浸って包まれるように感覚を拡張させてみてください。そうすると、不思議と目に映るものがこれまでよりも新鮮で、美しく、刺激的に映るでしょう。新しい分野への探究心や興味が湧くことでしょう。
そこでようやく、内側でぐるぐるしていた思考が外側へと向かい始めます。

 「問いかけ」の中で次に重要なことは、その質です。その問いが「本質の問い」であることです。本質の問いかけをすることは、これもとても難しいことです。

問いを誤ってしまうと全ての思考も向かいたい方向とは別方向へ行ってしまいます。これは「問い」を決して間違ってはいけないというわけではなく、自分で立てた問いすらも常に疑い、問い続けることです。
辿り着きたい目的地(ゴール)のイメージは1つ目の大切なことで伝えた通り情動に注目することで感覚的に描くことができます。そのゴールのイメージに向かって行くために、設定する道順が「問いの質」だと考えると良いかもしれません。例えば、カーナビで目的地を設定し、その後の設定がズレていると時間がかかってしまったり、迷子になります。
回り道をしたとしても大きな出来事に遭遇しない時代なら良いですが、現代は助けてくれる人たちが多く行き交うような道は残念ですがあまり多くはありません。できるだけ最短で、安全で、快適な道順を選ぶには設定がとても重要です。それが「本質の問い」を立てることです。本質を追求し、問い続けることです。

自分だけの目的地を探す「問い」の旅。 

今回の講義では具体的にこれまでの文献や定説を例に挙げながら、時事的な出来事も数多く取り入れ、みんなで学びを深めました。参加してくれたみなさんにはどうか紹介した事例や先人の考え方を参考にしながら、それらはすべて過ぎ去った過去の成功例であることと理解した上で、自ら問いを立て、イメージを拡張させて、自らが心からの喜びを感じる目的地を探し続けてほしいと願っています。

  • 「本質」はどこにあるのか。

  • 「問い」は間違っていないか。

  • 「心がうごく、自分の本当の目的」は何か。

  • 「自分」とは何か。

  • 「存在」とは。

  常に思考し、自分を外側へと拡張していく動作は容易いものではありません。場合によってはそれは修行と言われ、ときには哲学とも言われます。安住の地に身を置くことができたと思っていても、環境変化によってあっという間に破壊されてしまう時代です。自然環境の破壊、未曾有の災害、人災、経済環境の悪化、社会システムの変更、食糧・健康基盤の危機など。さまざまな事態が発生し、これまでのそれらは幻想だったとふと気づいた時に、自分が自分にできることは「問いかける」ことだけだと感じます。

容易ではないその動作の先に、自分の中から湧き上がり、寄り添ってくれる「本質の問いかけ」にいつか出会えることを願って。少しでも本講座がみなさんの未来への歩みの糧になることを祈り、本講座を終えてのあとがきといたします。

本講座の開講にご協力をいただいた皆様、ありがとうございました。

ワンダーケアラボ by WONDERCARE PROJECT


どうぞ本記事を引用いただく際は、以下の一文を添えて活用いただくようお願いいたします。
引用元:ワンダーケアプロジェクト(©️WONDERCARE PROJECT)

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