山並みのあいまから。
恵那市笠置町に暮らす佐藤亜弥美のエッセイ・紀行文を不定期にアップしていきます。
日々の暮らしのこと、里山のこと、アフリカ旅のことなど。
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#ひとり旅
シソノという子 -マラウイ・サリマ、センガベイにて【旅のエッセイ】
蓮の湿原を抜けて シソノを思い出すとき、その場面は映画であるならおそらくハイライトと思われる。シソノは光をまとって微笑んでいる。しかしそのまぶしい光はすぐに霧に暗く覆われてしまう。シソノの行く末を考えると、彼女の将来は苦しみに満ちているのか、それとも満ち足りた生活を送っているのかと案じてしまう。わたしにはそれを知るすべがなく、涙を禁じえない。
シソノはおそらく二歳とすこしだったと思う。そこら
天国と呼ばれる国 レソト 【旅のエッセイ】
レソトの肩を越えて
南アフリカ共和国のなかに、九州ほどのちいさな王国がある。ドラケンスバーグ山脈を南東に抱えるレソトという国は、四方を南アフリカに囲まれている。
南アフリカの海岸の都市ダーバンに滞在していた時に、旅する若いフランス人カップルに出会った。特に行く当てもなかったわたしを、レソトへの旅に誘ってくれた。カップルの旅行についていくなんて悪いな、と思っているわたしに、ふたりより三人のほうが