泣きながら

ヤダヨーヤダヨー
どこかで赤ちゃんが泣いている

頑張って生きるんだぞ

イヤダヨーイヤダヨー
カエリタイヨー

泣いてる赤ちゃんを見てニッコリ笑顔の夫婦がいる

しあわせになれよ

おなかがすいては泣き
きもち悪くて泣き
びっくりして泣き
眠たくて泣き

泣くことしか知らなかったんだ
泣いたら戻れると思ったのに
なーんも持たないでどうやって生きていくんだろう

人は泣きながらだんだん成長していく

泣くことを止めたら笑顔を覚えた
もう泣かなくてもよくなった
どうやらこっちの世界に慣れてきたようだ
あっちの世界のことを思い出せない

それでいい

嬉しくて泣き
怒っては泣き
悲しんでは泣き
楽しくても泣く

泣くことを覚えてからはもう未練がなくなった
泣きながら生きていくしかないようだ

そうやって生きていたら帰ることすら忘れてしまった
どうやって帰ったらいいのだろう

裸で生まれてきたぼくはとんだ荷物を背負いこんだ
何ももたずに逝こう
最後に一粒の涙を流して

おかえりなさい

インスタントフィクションとは自由な発想と気軽なノリで書かれた文章、読書しない人でも遊び感覚で挑戦する。原稿用紙1枚＝400字の中で表現、自分の思う「面白い」を入れるのがルール。

youtubeピース又吉直樹「渦」より

子どもの日にインスタントフィクションでもつくろうかなぁ～と思っていたのに、気持ちに余裕がなくつくれなかった。

急に「赤ちゃんってずーっと泣いてんなぁ」と思ったり、「生まれたときは裸で何ももってなかったなぁ」と考えてみたり。
こんなにものに溢れている生活であっても死ぬときは何も持っていけないようなぁ～とか。

だいたいどうして赤ちゃんは泣いているんだろう？
あの「泣き」はどういうこと？
神様から「行きなさい」と言われてこの世に生まれてきたことが嫌なのか？
何考えてんだろうなぁ？

いろいろ考えてたら400字の作品ができあがりました。

よい週末を。

インスタントフィクション（うぉんのすけ つれづれシリーズ）｜うぉんのすけ｜note

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