君と歩いた季節
それは4月、秋だった。
長い冬を越え、土筆が地面から顔を出した。
春がやってくる。
飛行機で10時間。
夏の日差しがギラギラと照りつける。
サングラスがないと目が焼けちゃうよ。
先住民の奏でる楽器が異国の装いを強調する。
港というより船着き場、ここが明日の出発点。
コーヒー片手に風を感じ、故郷を思う。
10月のジャカランダ。桜と違って余命1か月。
クリスマスには短パンサーファーサンタ。
年始の花火は夏祭り。
南北が頭の中でひっくり返る。
地図が読めない。
東西南北を上下左右の感覚でしか生きられない愚か者。
希望の星、北極星が見当たらない。
めじるしのありがたさを今こそ知る。
地球を離れ宇宙を旅する、壮大な夜空がちっぽけな人間を覆いつくす。
地球のへそにたどり着いた。
ここを世界の中心というのか。
愛を叫ぶしかない。
永遠の別れとも言うべき時が来た。
もう二度と同じ時間は過ごせないだろう。
4月、また春がやってきた。半年ぶりの春が。
18年以上も前のことを思い出して書いた作品。
2年間の思い出をぎゅっと400字に押し込めました。
あーなるほどね、と思ってくださる方はきっと私の一部分を少しでも共有してくださっている方なのだと思います。
うん?何?どういうこと?と思って読まれた方は、新しい世界との出会いを少しでも味わっていただえると幸いです。
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