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徒然なるままに・・・030_20220605

やりすぎ?危機管理!?

かなり前の話になるが、アパートに警察官が個別訪問調査にやってきた。
そういうことをしていることを知らなかった私は突然のできごとに少し冷静さを欠いた(いや、むしろ極端に冷静になった)。

ピンポーン
どちらさまですか?
ドアガードをしたまま、外の様子を覗いて見る。
制服を着た警察官が立っていた。

〇〇交番のものです。こちらにお住まいの方の状況を把握しに参りました。
お一人でお住まいですか?

ドキドキ・・・❤
一人でお住まいか?と聞いている。
これはヤバい!女性が一人で住んでいることを確認している人だったらどうしよう・・・

夫と二人暮らしです。

どんなことを聞かれたか、頭がパニックになりながら、それでもできるだけ冷静に何とか答える。答えながら、その質問の意味を、そして答えた後の影響(危険性)を考えながら、慎重に、慎重に。

だんだん冷静さを取り戻してきた。
 警察手帳を見せてください。
 名前控えさせていただいていいですか。
 あなたが〇〇交番の警察官だということを〇〇警察署に問合せますが、よろしいでしょうか。

今度はだんだん興奮してきた。
 だいたいこんな突然に来られたら、こちらもあなたが本当の警察官かどうか分かりませんし、対応に困ります!
 「〇月〇日から〇月〇日の間、〇〇交番のものが個別調査に伺いますので、ご協力お願いします。」といったカードを郵便ポストに入れて事前に周知しておくとか、方法はなかったんですか!
 今日はたまたま家にいましたが、いない場合だってあるでしょ?こちらの都合で訪問の日を決めたりとか、電話で要件を済ませるとか!

・・・ということで、少し圧倒された警察官は、恐縮です、と言って帰っていった。
まぁ、私も最後には、この人が本当の警察官だったら、ただの職務なわけだし、ちゃんとしなきゃ、と再度冷静さと優しい気持ちを取り戻し、「ご苦労さまでした~」と笑顔で送り出したとさ(笑)

その後、すぐに〇〇警察署に確認の電話を入れ、間違いなくその方が在職されていることが分かったので、安心した次第である。
さらに言うと、もしその人が〇〇警察署の誰かを装っていたとしても、私が電話確認を入れることで、「えっ、私はそんなお宅に個別訪問していません」となり、誰かが偽装の個別訪問をしているのでは、と疑ってもらえるということまで確認して、安心した。

このエピソードを実家の70歳を超える母に自慢気に話をしたところ、「私の話もちょっと聞いてくれる~?」と話題が戻ってきた。

母の高校時代の友人で、今も一番の仲良しの人がアルツハイマー型認知症になったのである。症状が出てからもうかなり時間を経過しており、家からスーパーにでかけて帰れなくなったり、いろんなトラブルが起きていた。
私に似て(私が母に似て・・・か)お節介な性格の母は、認知症の大親友を放っておけず、週に何度かは外に連れ出して普段どおりお茶をしたりなど、甲斐甲斐しくお付き合いを続けていた。

ある日、友人が旦那さんとスーパーにでかけて、いなくなってしまった。旦那さんから母にヘルプの電話。スーパーで5時間も経ってからのヘルプだった(旦那さんも相当やばいかも)。母はスーパーに行き、パニックになっている旦那さんをなだめ、事情を聞きながら、すぐに警察を呼んだ方がいいと判断。警察に捜査協力を依頼した。

警察が到着して、事情聴取が始まる。
いっても母は友人の家族ではない、赤の他人である。
私が想像するに・・・テキパキと行動し、警察さん待ってましたとばかりに説明しかける母に対して、少し上からの態度をとったのではないかと思われる。
「おたくさんのお名前は?〇〇さんとはどういうご関係で?」

そこで、はいっ!かっちーん!
母は、こういったそうである。
「まずはあなたが名前を名乗るべきでしょ?通報者の善良な市民に対して、何ですか?その威圧的な態度はっ!」

「しっしっ失礼しました。私は〇〇警察署の〇〇というものです。先ほど、〇〇さんから、認知症の〇〇さんがスーパーで買い物後5時間も行方不明との通報を受けて参りました。〇〇さんでいらっしゃいますか?少しご事情を伺ってもよろしいでしょうか?」
おそらく、これが母が思う正解の態度だったのだろう。
その後はちゃんと協力し、見つかったそうである。

この親にして、この子あり。
私たち親子は、公権力に厳しい善良な市民である(笑) 

振り込め詐欺、絶対ひっかかっちゃいけんよ、おかあちゃん。
あまり正義感かざして、いろんな人に嚙みついてもいけんよ、おかあちゃん。

喧嘩の仲裁に入ろうとして、悪いことをした人を正そうとして、困っている人を助けようとして、命を落とす場合がある。そういうニュースを見た母からすぐに電話がかかってきて「あんたっ!絶対に人を助けたらいけんよ。自分の身を守りなさい!」
いや、あなたもそうですよ、おかあちゃん(笑)

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