ほのぼの生きる 015_20230116
救われた
私には10年来つきまとう友人の亡霊がいた。
と書くと、何?ホラー?
となってしまいますよね?やっぱり・・・
10年も前に喧嘩別れをしてしまった友人の話。
今回の帰省、全く期待していなかったが、思わぬところでつながってしまった。
先週(金)13年前に勤務していた職場を訪ねた際、偶然にも彼女のだんなさんとすれ違った。
だんなさんの顔を見た途端思わず「あっ」と声が出てしまった。
私は、だんなさんとはほぼ初対面。話したことはなかった。
私たちが喧嘩をした後、彼女が結婚したと後から聞き、相手がその人だと知っただけであったため、そのだんなさんとは面識がなかったのだ。
でも、顔を見たら分かったので、思わず声が・・・
向こうも認識があったようだ。
一瞬にして「この人はうちの妻の友だちだ」ということを認識されたことを私が悟った。
「うぉんのすけです。分かりますか?〇〇ちゃんは元気ですか?」と精いっぱいの作り笑いで何とか明るく挨拶をした。
「〇〇は下の階にいますよ」と普通に居場所を教えてくれた。
あわわわっ
「急に訪ねて行っても、もしかしたらまた傷つけちゃうかもしれないので・・・よろしくお伝えください」
逃げた・・・
怖かった・・・
でも、私が地元に戻ってきていることは運よく伝わった。
これほどの幸運はない。
良かった~
(ただし、だんなさんが私のことを話題に出すかどうか)
こちらからメールを出してみようと思った。
電話帳を探した。
ないっ
あれ?メールアドレスがないっ!!
たぶん最後にメールでやりとりした後、彼女がアドレスを変えてしまって送れなくなってしまったものだから削除してしまったのだと思う。
えーーーっ
こっちに術なし。
じっと待つしかない。
それでも10年もこの状態だったのだから、大きな一歩だ。
とにかく良かった。
・・・一晩明け、二晩明け
そして日曜日の朝。
名前登録なしのメールが届いた。
短いメールだったが、彼女の精一杯の勇気と気持ちを受け取った。
背中に、姪っ子と甥っ子が張り付いてわちゃわちゃしている。
ゆっくり文章を吟味してメールを送りたいが、そんな時間は今の私には与えられていない。返事が遅れれば、向こうは相当気にする。とにかく早く返事をしなければ!!焦る!焦る!
伝われ~~~
「会いたい」と送った(あいかわらず感情盛りだくさんの長い文章を書いたが、要点は1つ)
会って謝りたかった。
早く謝りたかった。
本当はずっと気にしてた。
今でもずっと友だちだと思っている。
変わらぬ自分を見せたかった。
今日は日曜日。明日からは仕事だろうから、会うなら今日しかない。
これから会いたいと言われたらどうしよう。姪っ子、甥っ子がいるため断るしかないのか・・・
待てど暮らせど返事は来ない。
彼女の性格からして「私も会いたい」とはこないだろう。
ただ時間がすぎていく・・・
もしかして、そういうつもりじゃなかった?
会いたいなんて言ってはいけなかった?
このメール、社交辞令だったか?
ちょっとだけ弱気になる。
夕方まで待っても来なかった。
これで会うチャンスはなくなったな。
18時半頃メールが届いた(実に適当な時間だ)
彼女らしいと思った。これは本音。彼女はいつも私の事情を優先して考える。自分なんかが時間をとったら、私の家族団らんの時間を奪ってしまう。
本当に優しい子なのだ。
あの店、よく行ったよね。私、いつも同じメニューしか頼まなかったからね。いまでもそうだよ。同じ店しかいかないし、同じメニューしか頼まないし。何でもそう。だから、友だちもそう。気に入った人としか遊びに行かないんだよ。あなたがその友だちの一人だったんだよ。
この気持ち伝わるかな。
おっとその前にやることがあった。
言えた!
やっと言えた!
ずっと言いたかったことを10年越しに言えた!
次、帰省するとき連絡するから、ぜひ会いたいです、と締めくくった。
返事は・・・来なかった。
でも、分かる。
私には分かる。あなたは消化しきれていない。私たちの空白の10年を。
やっと・・・だったよね。
お互いに良かったよね。
神様、なんて素敵なプレゼントをありがとう。
本当にありがとうございました。
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