見出し画像

徒然なるままに・・・117_20221122

善いおこない

週末に母と長電話をした(久しぶりのことだった)

母と電話をするといつも長い。
忙しい時は困ったなぁ~と思うこともあるが、毎日一緒にいるわけではないし、帰省だって年に1回できればいい方で、母の歳を考えたらあと何回会えるかわからない、電話での会話だって時間にして週に1時間としたって年にたったの52時間(2日ちょっと分)じゃないか。
親不幸するんじゃないっ!私。

そして、今回も母の話にはとてもためになる話があった。

母は体を悪くして50歳のときに早期退職し、それからはずっと家にいる。
退職後は家事専門。10年以上祖父の介護。そのほかは元同僚のお世話?
最近も毎日友だちとの時間が大半を占めている。母は友だちが異常に多い。75歳にして年上の友だちも大勢いる。

昔の同僚が母をよく訪ねてくるらしい。「会いたいです」と言われるらしい。世話好きな母はお弁当を作って、会いに行く。

先日年上の男性の先輩からお声がかかり、10歳も年上の女性の先輩のところに遊びに行ったそうだ。
その男性は手の震えが止まらないらしい。果物を差し入れたそうだが、みかんの皮をきれいにむき、4等分、リンゴやナシの皮を剥いてタッパーにきれいに揃えて持って行ってあげたそうである。
「〇〇ちゃんよ、あんたはどうしてここまでしてくれるん?頼んでないのによくわかったな」
「だって、手が震えてたら果物の皮が剥けんでしょ、危ないし。うちのおじいさんにもそうやっていつも食べさせてたから」
「あんたはいつになっても変わらんなぁ~。わしゃ、そういうあんたのことが好きだで。ずっと果物を食べたかったけど、誰も剥いてくれる人がおらんかったけん(一人暮らし)、こんなにおいしい果物を食べたのは久しぶりだわ、ありがとう」

母は普通のこととしてやってあげたことが、ひどく感謝されたということである。

そして、会いに行ったもう一人の85歳の女性の先輩からは・・・
「私は昔、あんたに救われたことがあったんだわ。皆で花見か何かで飲みにでかけて、急に気分が悪くなって公園のトイレに駆け込んだことがあった。苦しくなってる私を誰も相手にしてくれんかったのに、あんたは私が吐いとるところにずっと寄り添ってくれて、吐いたものをキレイに掃除までしてくれて、私は本当にあの時嬉しかったで」

母が言う。
「私、そんなことがあったなんて、全く覚えとらん」
母の方は特別なことではなかったのだろう。具合が悪くなっている人を見かけたから介抱した、それだけのことだったようだ。でも、その人はそのことをずっと嬉しく思い、ずっと感謝しつづけ、いまだにその話を事あるごとに話すという。「〇〇ちゃんには親切にしてもらった」と。

「うぉんのすけよ、おかあちゃんが独身時代の話だで。もう50年も前の話だわ。人ってすごいもんだな。ちょっとしてもらって嬉しかったことを50年も忘れずに感謝してくれる。」

かあちゃん、何気なく人に善いおこないをしてきたのですな。
先日、コメントで「うぉんのすけさんは気配り・気遣いの人だ」と言っていただいた。嬉しかったぁ。
こちらは何の気なしに発言していることでも喜んでくださる方がいる。一日一善を目指して、善いことを行える人でありたい。これもかあちゃんのおかげかな。

自慢の母をいつまでも大切にしたい。年明け会いに行くぞー!!楽しみだ。


この記事が参加している募集

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?