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てんかんと神経系の病気
primary epilepsy
てんかんは脳の神経細胞の過剰な活動が、意識障害や全身の痙攣を伴う発作を繰り返し引き起こす神経疾患です。原発性(突発性)のものと、脳腫瘍など他の様々な病気に併発して副次的に起こるもの(症候性)があります。
原発性(突発性)てんかん
カサルらの2006年の論文によると、てんかん症状を示した796頭のウルフハウンドのうち、146頭(18.3%)が原発性でした※1。ア
IWに多い病気・気をつけたい病気
犬の病気には、犬種に関係なく広く一般的にみられる病気もあれば、特定の犬種で多発する病気もあります。胃腸炎、皮膚病、アレルギー性疾患など、一般的な病気でウルフハウンドでも発症する病気も多くありますが、ここではとくにアイリッシュ・ウルフハウンドで多くみられ、注意すべき病気をリストアップしています。
深刻な病気悪性腫瘍、とくに骨肉腫 ー 骨肉腫はIWの約2割が発症し、死因の第1位となっています。治療を
離断性骨軟骨炎(OCD)
Osteochondrosis, OCD
OCD は成長期、とくに4~10カ月の子犬に起こりやすい病気です。関節の軟骨が小さく欠けて「関節鼠」となり、関節炎を起こします。
成長期の骨の両端には、成長板と呼ばれる軟骨でできた組織があり、これが骨に変化しながら伸びていきます。成長板になんらかの負担がかかると、軟骨細胞に障害が生じて正常な骨への分化ができなくなり、軟骨にひび割れや亀裂が生じます。これ
成長期に気をつけたい疾患
ウルフハウンドの子犬は生まれて最初の1年間に急成長を遂げ、600g程度で生まれた子犬が12カ月後には60kg前後にもなります。生後3カ月から半年過ぎまではとくに急激に成長し、その成長の速さは、毎日体のどこかが大きくなる様子が文字通り目に見えるほです。それだけの速さで成長することもあり、成長過程ではさまざまな体のトラブルや病気が出やすくなっています。
とくに骨や関節のトラブルが起こりやすく、注意が
アイリッシュ・ウルフハウンドの寿命
アイリッシュ・ウルフハウンドの平均寿命は、各種の調査から6.5〜7歳くらいであることがわかっています※。オスよりもメスのほうが長生きする傾向がありますが、いろいろな犬種のなかでも平均寿命が短い部類に入ります。
この犬種の飼い主にとって、「二桁」の年齢に達することは一つの目標であり、憧れです。しかし残念ながら、10歳のお祝いをすることはなかなか適わないのが現実です。統計データでみると、10歳に達す
スタンダード(犬種標準)
ジャパン・ケネル・クラブが加盟する国際畜犬連盟(FCI)のブリード・スタンダード(犬種標準)です(FCI-Standard No 160, 2001.4.2版)。 FCIに加盟する世界中の国で用いられているもので、原産国であるアイルランドのスタンダードに準拠しています。FCI非加盟のアメリカやイギリスで用いられているスタンダードは、若干の違いがありますが、基本は同じです。
☆☆☆
FCI Br
コート管理(毛のお手入れ)
日々の手入れ
日常的な手入れは、ブラシをかける程度でOK。換毛期にはそれなりに毛が抜けます。スリッカーブラシなどが便利です。
汚れたように見えなくても、毎日お散歩から帰ったら濡らしたタオルで全身を拭いて汚れを落とすようにするときれいに保てます。シャンプー回数も減らせます。
ハサミ
ウルフハウンドの毛には、基本的にはハサミを入れてはいけないとされています。
ただし、お尻の周囲など、おしっこ
繊維軟骨塞栓症(FCE)
Fibrocartilaginous Embolism, FCE / Fibrocartilaginous Embolic Myelopathy, FCEM / 別名:脊髄梗塞 Spinal Cord Infarction
脊髄の梗塞により急性(2~6時間)に四肢の麻痺が進む病気です。多くの犬種では中年齢で発生することが多い病気ですが、アイリッシュ・ウルフハウンドでの発症は非常に早く、生後6~1