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山頂にう○このカレーがあった話

さくらももこが書いた短編集の中に「二十歳になった日」と言う話があります。二十歳になった日に散歩してみると、見慣れた風景が尊く感じ人々の営みが愛しく感じる。まあ有りがちな内容なんですが、当時これを見た私は二十歳の日に対して憧憬の念を抱いてました。


いざその日が訪れ、素敵な体験に心踊らせ蓋を開けてみるとうんこが詰まってました。
てか本当にうんこが詰まってました。私が開けたのはパンドラの箱でした。


友達と夜景を見に行くため苦労して山を登り、山頂につくと異臭が漂ってました。異臭の原因は山頂に置かれた、1つのサトウのご飯と一匙のスプーン、そして一本の糞。国民的料理を連想させるあの配置。


猫のしわざと信じたいけど明らかあれは人糞でした。だってティッシュあるし。だって普通うんこでカレー作らんし。結局トイレットペーパーを買ってきて涙と鼻水にまみれ、誰かもわからない赤の他人の人糞処理をした二十歳の夜になりました。


さくらももこは話の最後の一文に「二十歳になるあの日の、あの時間の感覚を、私は一生忘れない。」と文を綴ってましたが、私も記憶の片隅にへばりついて忘れたくても一生忘れれない、糞食らえな思い出になりました。

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