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第2回読書会の振り返りと次回開催について、及び活動報告書と今後の催事出店スケジュール

先週のことになりますが、私どもが主催する文献読書会の第2回が終了しました。プロの醸造家の方も参加していたというのもあり、非常に濃い議論が出来たと思います。録音した内容を書き起こしながら熱量の高さを改めて感じるのでした。

少々議論を振り返っておくと、テーマは「ビアスタイル」でした。各ビアスタイルを一つずつ見ていくことにも一定の意義があると考えますが、それはすでに様々な人によって語られていることであり、そういう内容の記事や文献をご紹介すれば済むことです。そのため、この読書会で取り上げる必要がないと主催者として判断し、別のアプローチを行うこととしました。

今回ビアスタイルに対して検討したのはその内容ではありません。形式や文体、使用される語句に着目しました。ビールがビアスタイルというものによって理解されるとすれば、その記述形式はビールへの認識、ビール観を構成するものになると考えられます。よって、様々な立場で書かれたビアスタイルガイドやそういった記述を比較することでそこからどのような認識が得られるのかを考えてみることにしました。正確に申し上げるなら、今回のテーマは「ビアスタイルの記述形式と認識」とでもなるでしょうか。

議論を全てご紹介することは難しいので少しだけ。ビアスタイルの記述によくある国や地域の名称は概念であって、もはや現実と関係が無いのではないか。そんなことを考えさせられるエピソードです。

ジャパニーズライスラガーについてなのですが、少し前にアメリカに行きました。とあるブルーパブに行ってジャパニーズライスラガーを飲んだんですよ。で、ブルワーがいたので『どんな米を使っているんですか?』と尋ねてみたら、『これはね、長い粒のインディカ米というのを使っているよ』と。『日本人はその米を食べないですよ』と言ったら『ええっ!?そうなの?米だから日本だと思っていたよ』と驚かれました。

ビアスタイルというもの切り口に私たちがどんな表象空間を生きているかを考えるのはとても面白いです。国という概念は虚構でしかないのかもしれません。心の中にあるのはベイマックスの舞台であるサンフランソーキョーのような国だと言えないくもないわけです。

さて、来月も読書会を開催する予定です。これまで通り、無料です。どなたもご参加頂けます。第3回は6月23日に行いますが、そのやり方がこれまでとは少々異なります。ご注意ください。(これまでの投稿と重複する内容ですが大事なことなので再度ご案内致します。ご容赦ください。)

3部制で各回参加自由です

12時〜、14時〜、16時〜の3部制で、それぞれ内容が異なります。参加者の方からのご要望とそれまでの反省を踏まえ、第3回と第4回は試験的にこういう形で行うこととします。

第1部は「とりあえず聞くだけ」の会です

主催のヲキがクラフトビールに関するトピックについて色々お話します。ぼんやり聞いて頂けたらと思います。この会は第3回読書会で初めての試みなのでお話するテーマをどうしようかと思案しております。まだ開催まで時間がありますので是非テーマをご提案下さい。Xfacebookでコメントを頂けると嬉しいです。

なお、この会は2時間ありますが、お話するのは1時間くらいにしてその後質疑応答の時間とします。私に答えられることは何でもお話しますのでお気軽にどうぞ。

第2部は「事前に読まずにその場で読んで議論をする」会です

初回同様、主催者が用意した短めの文章をその場で読み、発表・議論をします。クラフトビール文献読書会とは(詳細版)で示した通り、うまく考えをまとめられなかったら一旦パスしてしても構いません。他の方の意見を聞いてから後で必ず発表してください。ちなみに、前回の反省も踏まえ、読んで頂く文量はもっと少なくします。

今回は日本のクラフトビールマーケット事情に関する文章を取り上げようと思います。

第3部は「事前に読んで発表し、議論をする」会です

事前に指定された文章を読み、そこから読み取れたこと、読んで考えたことを発表して頂きます。その後、挙がった論点について更に議論してまいります。第3回読書会は「地ビールからクラフトビールへの変化と歴史」をテーマにします。指定図書は黄金井さんの「地ビール業界の現況と展望」(2012)です。余裕のある方は同氏による2018年発表の「地ビールの将来展望」もお目通しください。

上記文章を読み、①自身の経験から当時と今を比較して何がどう変わったか?を発表し、②自身の経験や見聞きした情報から、変化のポイントだった考えられる事象とその時期を挙げてください。

何の指針もないと発表しづらいと思うので少しだけ。たとえば、スプリングバレー代官山店の開業は2015年4月でした。一つ象徴的な出来事であり、意識しておくべき時期だと思います。また、google trendsで「クラフトビール」が「地ビール」を抜いたのは2014年9月です

クラフトビールのニュース系ウェブサイトの過去記事を見るのも良いと思いますし、持っている昔の雑誌を読み返しても良いでしょう。また、拙著で申し訳ありませんが、ここ10年のシーンに関する参考文献としてサシノミ1サシノミ2を挙げておきます。前者では地ビール時代の名残がある頃から今までのガージェリーの歩み、けやきひろばビール祭りの変遷を記しています。また、後者では映像ディレクターで、Brewfilm.jp主催の奥村氏による振り返りの中にたくさんの出来事、具体的なビールのことが語られています。

会のルールや申込み方法はnoteにまとめてあるのでそちらをご確認ください。皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。

上記noteにも書きましたが、この読書会はオフラインです。オンライン方式のご希望も頂きましたが、見られているという感覚があると本音で話せないし、見られているせいで建前、ポジショントークになっては意味がないと考えています。遠方の方、ごめんなさい。その代わり、参加出来ない方にも有益な議論については知って頂きたいので活動報告誌を作ります。

というか、もう1冊作りました。


以下、目次です。

はじめに クラフトビール文献読書会発足の経緯と意図 1
美味しく楽しく飲むために 1
ものが言いにくい世界 1
閉鎖空間の良さ 2
オンラインではなくオフライン 2
会の形式 3
無料にする理由 4
まずは一年 4
第1回 4月21日 「クラフトビールとは何か?」 5
1.テーマ選定と意図 5
2.取り上げた文章 6
3.結果①「私の考えるクラフトビール」 9
4.結果②「世間の考えるクラフトビール」 10
5.グループディスカッション 11
6.主催者による補足 主体性について 13
7.補論 『ローカル原料』という、モノではなく情報について 13
第2回 5月11日 「ビアスタイルの記述形式と認識」 17
1.テーマ選定と意図 17
2.論点と取り上げた文章 17
3.結果 ビアスタイルと言われるものは… 22
4.考察① 形式の違いから見えてくること 22
5.論点 『ビアスタイルの記述は十全なのか?』について 24
6.考察② ビアスタイルの裏側、虚構の世界 24
7.考察③ 現実的な運用 26
8.考察④ 要素還元的なビール、情報を飲むということ 27
9.考察⑤ ビアスタイルによるスタンプラリー化 29
10.考察⑥ サンフランソーキョーの出現と場所の喪失 30
11.補論 今いる場所とここまでの距離を考えた 31

B5で40ページ、38000字。2回の活動報告としては大分大盛になってしました…2024年4・5月 発足記念号を19日の文学フリマ、26日のCOMITIAにて頒布致します。CRAFT DRINKSの本屋にてご予約も承りますが、発送は6月1日からを予定しております。少々お時間頂戴しますが何卒ご容赦くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。

一点追加です。申し込み方法をメールではなく、webからフォームを入力することに変更します。ご希望の方は下記からお申し込みをお願い致します。

クラフトビール文献読書会参加申し込みフォーム


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