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CXのデータアナリストが、初めてコールセンターの現場に行ってみた話

導入

昨年の11月〜12月にかけてコールセンターの現場に足を運んだときのお話です。自分の所属している会社はフルリモートワーク環境で、入社して数ヶ月経ったというのもあり、見学は自ら申し出ました。

自身の所属する部門のデータ系職種にとって、コールセンターへの出張や現場体験はマストとされているものではなかったものの、実際に行ってみたらすごく良かったので、備忘録的に文字に起こしておこうと思いnoteを書くことにしました。もちろん、ポエムです。

なぜ現場に行ったか

なぜ現場に行くことにしたかというと、単純に未経験領域だったからというのがあります。

自分は書籍や社内wikiなどの机上で分かることや、知ることのできる範囲は限定的だと考えており、「業務的に絶対現場を見たほうが良さそうだし、個人的にも行きたいと思っていたし、上司への顔合わせなど、諸々のタイミング的にちょうど良かったから」という経緯で現場へ足を運ぶことにしたのです。

私が所属するCX部門は、データ分析チームが立ち上がったばかりというのもあり「データやファクトを用いて事業貢献する」という点についてはまだ浸透させきれていない部分がありました。

自部署でデータアナリストをしている私は、唯一の“異業種かつ未経験者”であり、自身の発信力や地に着いた意見というのも必要だと考えていました。

自分以外のメンバーが顧客体験の向上を経験してきたスペシャリストであるため、データと睨めっこしていても、経験や知見の差は埋まらないと思ったのです。

自分の業務はデータ分析やCX戦略の策定であり、フィンテックのCX部門において、データを扱う仕事と顧客からの問い合わせは、文字通り直接的に結びついています。

そして、顧客からの問い合わせを支えるチャネルデータやVOCにフォーカスすると、データを眺めるのみならず、時には現地現物現実も必要になるドメインであることは、きっと容易に想像できました。顧客の問題解決はネットだけで完結するわけではなく、文字通り生の声が届くリアルな世界がコールセンターにはあるからです。

また、自分の前職はエンジニアだったので、分析会社の現場を見学しに行ったりと、数字や文字だけでは読み解けない様々な事象の大切さについては、元々認識していたというのもありました。

テーブルデータや分析レポートとは違うリアルな次元に、自分がハンドリングするべきデータやロジックが眠っていたりする現場を見る機会を伺っていました。

実際に何をしたか

特にコールセンターのオペレーターについては、各ベンダーによって施策や対応が全然違うことだったり、目指すあり方やノウハウが全く異なり、とても勉強になることが多かったです。

コールには多数の問い合わせがきており、中にはオペレーターがその場で解決に繋げられず、エスカレーションをする場合があります。
このような状況が発生した際に、クイックに確認したり今後の対応方針を練るなど、即座に会話を交わすことができるのは、やはりオフラインや内製にメリットを感じました。

現時点でのリモートワーク環境で、部屋からPCとスマホに触れるだけでは、取れる解決策にどうしても限界があると感じたのです。

ベンダーとの関係は、各々の思惑や人の数が情報伝達のロスとなり、現場の声の純度は下がってしまうリスクをはらんでいると強く感じました。

行ってみて何をどう思ったか

ベンダーやステークホルダーについて理解するきっかけになったのはいい経験でした。

当たり前な話かもしれませんが、ベンダー各社には現在に至るまでの、長い歴史の積み重ねがあります。現場に行くと、その土地でコールセンターを運営するスタッフや、コールでエンドユーザーの声に触れることができます。それに触れるために、入社して数ヶ月の段階で行かせてもらえたのも良かったかもしれません。

自身が異業種の出身というのもあり、新鮮な目で現場を見られたというのも大きかったです。
現場を見るということは、デジタルになっていない、現場での声やエンドユーザーの声は自社のプロダクトへの関心を高め、そして自身のオーナーシップを高めることに繋がり、時間を投資する価値のある行為だ、と改めて思いました。

月並みな話ではありますが、コールセンターのいわゆる”現場感”を肌で感じることができたのは、期待以上の収穫がありました。

初めてコールセンターのブースにも入ったし、スタッフの生の声や、ユーザーからの問い合わせといった「悲鳴」も聞くことができました。

そして、コールセンターを支えてくれるスタッフの方々の力無くして、顧客の声をしっかりと聞くことは実現できないので、顔を合わせて挨拶することが出来たり、実際にコールをしている場所や対応を見ることができたのは、本当に良かったと思います。

また、問い合わせを管理する画面や様々なツールについて、操作方法の解説などはオンラインの画面共有ではなく、オフラインで隣り合わせで行ったほうが早い場合もあります。

システム図やデータだけでは難しかった「どのようにして顧客の声を届けているのか」への解像度を高めることができました。

他にも、オペレーターやマネージャーへのインタビューを通して、生のフィードバックを頂くことが出来ました。もちろん月の定例会などで報告はして頂いていますが、リモート環境では会議が定刻であるのと、ざっくばらんに、温度感を探りながら話すことは難しく、直接の方が効率がよかったです。

逆に、自社にはどんなニーズや課題感があって、それをどう解決できるかをブレストのようにインタビューできたのは、貴重な時間でもありました。自社のプロダクトへのポジティブな感想や実際に使ってくれているという話も、生で聴くこともできて素直に嬉しかったです。

今後に何が活かせそうか

ファクトを求めて現場に行くというのは、システムの開発や分析の仮説出しにも役立ちそうだと思いました。

現場の声を聞くというのは、何もCXだけの専売特許ではないし、開発やマーケティングなどの上流工程の人にも体験してもらえると、良い効用が期待できるのではないかと思いました。

CXには顧客の声が集まりやすい環境があり、顧客データの解像度をあげて、プロダクトや社内への意識の浸透、エンドユーザーの体験向上に寄与する責任があるため、データをどんどん活用しながら色々と企んでいきたいと思います。

まとめ

まとめます。

データアナリストとして現場を見ることは、顧客理解や扱うデータの解像度を上げることができる効果がありました。
システムの開発や課題解決の仮説出しなどにもに役立つため、ファクトを求めるという点でもまた行きたいと思いました。
そして、社内の上流工程の人(経営層・マーケティング・プロダクトなど)も行くと得られるものが多いのではないかと感じました。


原理原則として、三現(現場・現物・現実)を見ることは効果があります。


この記事を見ているあなたも、現場を見に行くチャンスがあるなら行ってみることをオススメしたいです。

それでは。

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