【精神科医が教える】CxO必読!サービスをボコボコにされた時にメンタルを保つ方法

こんにちは。スタートアップ専門の産業医/精神科医/セミナー講師をしております野原弘義です。

起業すると、提供するサービスやアイデアを通じて、他人のニーズや期待に応えることを目指されると思います。しかし、どんなに努力を重ねても、クライアントや顧客からの批判や不満の声に直面します。

それでも、そのようなフィードバックが私たちの成長には欠かせない一環であると頭で理解していても、批判や否定を受ける瞬間は、どうしても心に引っかかってしまいます。

この記事では、そんな難しい状況に立ち向かうためのヒントやアイデアを探求していきたいと思います。どのようにして自分の自信を保ち、建設的なアプローチで批判に向き合うことができるのか。

今まで行ってきたアドバイスの経験やスタートアップ業界に携わっていたからこそ、サービスをボコボコにされた時でもメンタルをしっかりと守る方法をお伝えしていきたいと思います!

※この内容は下記から一部抜粋し、事例に当てはめたものです。


1. ボコボコにされるとなぜメンタルにくるの?

VCや顧客からの否定的なフィードバックを受ける瞬間、どうしても心に引っかかってしまいます。それを理解するためには、ストレスの本質に迫ってみましょう。

ストレスは、大きく二つの要素、つまり「度合い」(intensity)と「時間」(duration)から成り立っています。この二つの要素を数学的に表現すると、「ストレス=度合い×時間」という形になります。具体的な状況やエピソードに適用してみましょう。

例えば、クライアントから怒られる瞬間、その「度合い」はかなり大きいです。しかし、それが10秒後には忘れられてしまうならば(「時間」は小)、そのストレスは小さいものとなります。

一方で、仕事の進め方に対する悩みは、度合いとしては小さいかもしれませんが、その悩みが仕事の就業時間以外にまで広がる場合(「時間」は大)、ストレスは大きなものになります。実際、精神的な負担を感じて精神科を受診する多くの人々は、後者のタイプに属することが多いです。

ストレスを軽減するためには、「度合い」か「時間」のどちらかを減らすことが大切です。例えば、クライアントからの否定的なフィードバックがあったとしても、過度に考えすぎない(引きずらない)ことが、メンタルの健康を保つポイントと言えるでしょう。

2. メンタルが強い人と弱い人の違いは?

「ボコボコにされるとなぜメンタルにくるのか」を考える際にメンタルが強い人と弱い人の違いを把握することでヒントが得られます。

結論、「ストレス=度合い×時間」の”時間”の部分に差が出てきます。

実は、否定的な経験によって受けるダメージ(度合い)の大きさは、人によってあまり差がないのです。意外かもしれませんが、メンタルが強そうな人でも、みなさんと同じ程度ダメージを受けているのです。

では、メンタルが強い人は何が違うのかというと、ダメージを受けた後の回復が早く、考える時間(引きずる時間)が短いため、ストレスが余計に発生しません。逆に回復力が遅い人は、考える時間(引きずる時間)が増えるので、ストレスが増えていきます。これが、メンタルの強い人と弱い人の違いです。

メンタルが弱いと言われている人(ダメージを受けた後に考える時間が長い人)は、その負の感情を引きずります。反省や自己評価は大切な要素ですが、過度な分析や悲観的な思考は、ダメージを大きくしてしまうことがあります。考えれば考えるほど、負の感情がエスカレートし、回復が遅れる可能性があるのです。

3. 〇〇を意識して、ストレス対策をしてみよう

ここまで読まれてきた方でしたら、〇〇に入る言葉はわかっていると思います。そう、考える時間を減らすことを意識して、ストレス対策をすることが大切です。

例えば、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMichael Freeman博士が提案した5つのメンタルヘルス維持方法は下記の通りです。

①睡眠
②運動(必ず汗をかく)
③ビジネスと関係ない友人を作り、維持する
④バランスよく、戦略的に食べる
⑤メンタルヘルスの問題は、数カ月単位でなく、数週間のうちに対応する

メンタルヘルス維持方法

②③⑤は、まさに考える時間を減らすことに寄与していることがわかります。運動をすること、ビジネスと関係ない友人を作ること、メンタルヘルスの問題はすぐに対応することは、否定的な経験を忘れられ、結果的に考える時間(引きずる時間)を短くすることができます。

『Hard Things』著者の米著名VCのアンドリーセン・ホロウィッツ氏も、気持ちを鎮める方法として「友人に本音を打ち明けること」を勧めています。

考える時間を減らせる何かをご自身の中で見つけていただくと、メンタルを保つことができるようになります。

上記②③⑤以外にも、音楽を聴く、Youtubeを見る、湯船に浸かるなどを行って、考える時間を減らす(切り替えを行える)ようにしてみてください。

私はYoutubeを見て、切り替えることが多いです。Youtubeの番組は15分ほどで見終わるので、時間もそんなに取られないですし、気軽に家でできるのでオススメです。

<追記>
「度合い」は変わらないとお伝えしましたが、必要以上に否定を感じてしまう人は、
・不安や緊張に襲われたら、次にやるべきこと(The next right thing)を1つだけに絞る
・会社と自分を同一化しない
が該当することが多いです。また、機会がありましたら、こちらについても発信していきたいと思います。

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