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鴨とすだちの冷やしぶっかけ蕎麦

今週もずっと帰宅が遅い日続きで、まともに台所に立てなかった。

ようやく迎えた週末、ヨッシャヨッシャ!今日は揚げ物なんかしちゃおうかしらね!とはりきって起床したものの、布団干したり洗濯したり掃除機かけたりしてるだけでそら恐ろしいほどの発汗に見舞われ、汗と共にやる気も流れ落ちてしまった。首タオル3回交換したわ。汗かき大魔神のつらみ。

こうなると、揚げ物とかもぉマヂで無理だょ…………であります。つべたいメンメンしか勝たん。


でもせっかくのお休みだし、ちょっとくらい手のこんだ冷やしメンメンを食べたくなるのが乙女心といふもの。ついでに、今週よくがんばった己をねぎらってやりたい想いもある。


となれば貴族の鶏肉の出番であろう。



ということで今夜の晩ごはんは、鴨で出汁を取った冷たい蕎麦を食べることにした。ジルを冷やす時間を考慮して、仕込みは午後イチで。良く晴れた真夏の昼下がり、我が家の台所はソラモー(お察しください)状態なのだけれど、食い意地を満たすためと思えばなんのその。


ロピアで買っておいた冷凍の合鴨肉は、皮と身を切り離し、それぞれ適当な厚さにスライスしておく。小鍋で昆布を浸しておいた水を沸かし、昆布を引き上げたら、まずは皮を投入。しばらくするとアクがどんどん出てくるので、「アク……!一泡も逃がさねえ……!」という心意気でもってていねいに除去。ああ、アク取りはいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ。

気の済むまでアクを取りましたらば、皮を引き上げ、料理酒・白だし・みりん・醤油ごく少量でちょいと薄めに味を決めて、ここに鴨の身をぶちこむ。鴨は煮すぎると固くなっちまうので、さっと煮る程度ですぐに引き上げて火を止める。そのまましばし放置して、ジルの粗熱が取れたら再び肉をぶち戻し入れ、冷蔵庫にてキンキンに冷やす。

あとは蕎麦を茹でて冷水でゴリゴリに締め上げ、鴨出汁と共に丼にホイ。鴨肉、すだち、紫蘇、梅干しをトッピングしたらできあがり。


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ホッホッホウ……!すだちがなんとも涼しげな佇まいだ。すだち入れたお蕎麦、一度作ってみたかったんですよね。


すだちを箸でぐいぐいと蹂躙しつついただくと、うむ……!狙い通りなんともさわやかでありながら、同時にリッチな味わい!鴨のお蕎麦って今までアチアチの鴨なんばんしか食べたことなかったけれど、冷たくしてもめちゃくちゃおいしいなー。鴨から出た濃厚な旨みと、すだちの酸味が素晴らしくマッチングしている。私は蕎麦やうどんのジルはちょい甘めが好きなので、みりん多めで甘口に寄せてみたのだけれど、狙い通りとてもいい塩梅に仕上がった。鴨もほどよくやわらかな歯ごたえだし、紫蘇と梅干しも効いてる。暑さと忙しさで疲弊していた心身を、涼やかにやさしく癒してくれるようだ……。はー、おいしかった!ジルまで全部飲み干してしまった。ごちそうさまでした。


以前もどっかの記事で書いた気がするけれど、千早茜さんの著作に『さんかく』という小説がある。


おいしいものが目白押しの名作なのだが、メインキャラの草食系男がとにかくムカついてならない。読むたびに天井から逆さに吊るして布団叩きでしばき倒したくなる。高村さんも華ちゃんも貴様にはもったいねえんだよ伊藤!おめーの血は何色だーーーーー!!!


この中にすだちをたっぷり入れた冷たい蕎麦ってのが出てくるのだけれど、これは作中で「はりそば」と呼ばれている。これ、どうやら実在するみたいなんですね。


お店のHPにアクセスすると、いかにも西の都らしい澄み切ったお出汁にすだちがたっぷり並んだお蕎麦の写真が出てきた。うわーん、食べてみたいなー。つーか京都に行きたいわー。

このところ旅というとソロキャンプばっかりになっているけれど、今年は寒くなったら久しぶりに京都旅行ってのもいいわねぇ……行きの新幹線から呑んでさあ。へへ、ぐへへへへ。

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