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いくつかのセレナーデ

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遅れてきた青春時代。短くも濃密な時間をともに過ごしたヒトとのあれこれを、いくつかの音楽を交えて綴ったもの。
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いくつかのセレナーデ(全)

いくつかのセレナーデ 遅れてきた青春時代。短くも濃密な時間をともに過ごしたヒトとのあれこ…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 1 気にしてる

気にしてる 彼女は言った「気にしなくていいよ」。 「気にしてるんじゃない。気になってんだ…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 2 「My Ever Changing Moods」

「My Ever Changing Moods」 初めて彼女の部屋を訪れたボク。 彼女は紅茶を淹れると、お気に…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 3 空耳、あるいは「Roxanne」

空耳、あるいは「Roxanne」 The Police の名曲の有名な「空耳」について、彼女に教えてあげた…

WK2013
2年前

いくつかのセレナーデ 4 やわらかなパンチ

やわらかなパンチ 添い寝したボクの顔の、すぐ前に彼女の顔。 「オトコマエ」という言葉が、…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 5 小さなビルの小さなオフィス

小さなビルの小さなオフィス 阪神高速沿いの小さなビルの小さなオフィスの 小さな会社に、ボ…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 6 束縛という形

束縛という形 彼女のことをボクは、束縛しないようにしたかった。 しっかりと自分を持っている人。だから、 彼女の素振りにどこかよそよそしいところがあっても、 問い質さなかった。 彼女が、思わせぶりなことや、不安気な言葉を口にしても、 ただ微笑んで「大丈夫だよ」としか言わなかった。 二人の間には、幸せな時が流れていた。いや、 流れている、と信じ込んでいたボクには、 気付くことができなかった。 「愛の表現には、束縛という形も必要だ」ということを。

いくつかのセレナーデ 7 「北へ」

「北へ」 彼女は北へ向かっていた。金曜日の夜、四つ橋筋を。 彼女の家とは反対方向。ボクは…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 8 回した彼女の手

回した彼女の手 ボクは彼女にキスしようとし続けた。 彼女はそれを拒み続けた。 力尽きたボク…

WK2013
2年前

いくつかのセレナーデ 9 眠れぬ夏の夜

眠れぬ夏の夜 彼女の部屋の電話が鳴った。 真夜中だった。 ボクを向いて人差し指を口の前に立…

WK2013
2年前

いくつかのセレナーデ 10 払い戻し手数料

払い戻し手数料 正月にボクは招かれて、地方都市の彼女の実家に行った。 家族から歓待を受け…

WK2013
2年前

いくつかのセレナーデ 11 花

花 金曜日になるとボクたちは心斎橋筋へ出て、そのままずっと南に歩いた。 ボクが、開いてい…

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 12 モノガタリ、あるいは「風を忘れて」

モノガタリ、あるいは「風を忘れて」 童話風のモノガタリを書いた... 彼女は白い鳥さん。 …

WK2013
2年前
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いくつかのセレナーデ 13 絶交

絶交 「彼」について、彼女はボクの知らないヒトだと言った。 もしも知っているヒトだったら「絶交」するとボクは言った。 戎橋筋商店街の食堂で、彼女は本当のことを話した。 「絶交」という言葉が、ボクの口から反射的にこぼれた。 彼女の顔が悲しげに曇った。 一番つらかったのはキミだろう、嘘をつくことができない人だから。 そうボクは言った。 彼女の顔に、少し憂いを帯びた笑みが広がった。 ボクたちは「仲直り」した。