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長女が泣いて帰ってきた日

弟を溺愛する長女が弟のことで一度だけ泣いて帰ってきた日がありました。

原因は、その日の朝のことでした。

我が家の地域は集団登校で、集合場所まで家族が送っていくように
学校から言われていました。

旗当番を毎日交代でするのですが、その日の旗当番は上級生のお婆ちゃんでした。

そのお婆ちゃんが長女を送っていたお義母さんに
『私が〇〇ちゃん(長女)見よってあげるからもう帰っていいよ』と
言ってきたそうです。
我が家の地域では人の噂を有る事無い事言うと評判なお婆ちゃん。
いつもは、そんなことを言わないお婆ちゃんに何か嫌な予感をしつつ
背中を押されたので、そのまま長女をお願いして帰ってきたんですが。

やはり予感は的中!!

お義母さんが帰るとすぐに

👵『〇〇ちゃん、〇〇ちゃんの弟は、来年小学校に来るん?』

👧『まだ分かりません』

その時は、まだ長女と弟の小学校について話ができていませんでした。

👵『障がいがあるって聞いたけど、どんな障がいがあるん?
見たことないけど、家にいるん?』

👧『家にいます。』

👵『本当は、どっかの施設に入ってるんちゃん?』

そんなことを当時まだ小学3年生の娘に次から次へと聞いてきたそうです。

そこまで聞かれた時にみんなが集まり話が途中で終わったらしいんですが
学校では必死で涙を堪えていたらしく
帰ってきて玄関を入るなり号泣。

理由を聞くと、涙を流しながら朝の出来事を話してくれました。

次の日、また〇〇ちゃんのお婆ちゃんに聞かれたら嫌だからと泣き
その日は学校をお休みさせました。

長女が泣いた理由

大好きな弟のことを聞かれた時、弟の障がいの状態のことなどを

話せず隠してしまった自分に腹が立ったらしいんです。

隠した理由は、上級生のお婆ちゃんが

弟のことを心配して聞いてるのではなくて

笑いながら面白がって聞いてる気がしたから

ということでした。

けど言えなかったことで

弟たちの存在を自分自身が隠してしまったようで

自分自身のことが嫌になった。

そう言ってあたしに

『〇〇君と〇〇君のこと隠しちゃってごめんなさい』

と泣いて謝ってきたんです。

小学3年生の子供に、こんな辛い思いをさせて
私も涙が止まらなくなりました。

そして長女と話をしました。

『ママでもね、〇〇君と〇〇君のこと聞かれたら正直に言えない人もいるんよ。色んな人がいるからね。だからね、〇〇(長女)がこの人には分かってもらえんな。言いたくないな。という人には無理して言わなくていいよ。〇〇(長女)が〇〇くんや〇〇君のことを大事に思ってくれてるのは、ママよく分かってるから』


そう言ったら、長女も笑顔を取り戻し次の日は元気に学校に行ってくれました。

そして、その学校に行った日に、自分から弟の障がいのことをお友達に話したらしいです。

お友達は、みんな普通に接してくれたそうです。

そして、原因となったお婆ちゃんのお孫さんが

『〇〇(長女)ちゃん、お婆ちゃんが〇〇ちゃんの弟は
どんな障がいがあるんか聞いてきー。あんたにやったら
言うかもしれんわって言ってたんやけど、どんな障がいなん?』
と聞いてきたらしく

長女は、こう答えたそうです。

『私の弟には、自閉症っていう障がいがあるんよ。めっちゃ可愛い弟なんよ。お婆ちゃんにもそう言うといてくれるかな』

そう言ったそうです。

後日、お孫さんの話によると

👵『やっぱり子供やなあ。子供はなんでも正直に言うわ』

と言ってたらしいです。

2日間、長女が泣いて過ごしたこと。弟の障がいのことを何も考えなく話したのではなく、勇気を出してお友達に話をしたこと。そのお孫さんもお婆ちゃんも何も知りません。


長女には、本当に辛い出来事でしたが、
その出来事があり、娘も強くなりました。

その日から、長女が弟のことをお友達にも自分から話すようになりました。



きょうだい児は、しなくてもいい苦労を経験しなければなりません。


小学3年生の娘に、弟の障がいのことを長女の口から打ち明けさせてしまったこと。


今でも胸が痛みます。

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