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広告とAI 広告代理店はAIに淘汰されるのか

//こんな人に読んでほしい//

広告業界で働きたい
広告に関わる仕事をしている
事業会社に転職しようとしている
広告代理店に転職しようとしている

こんにちは。よろまる。です。

今回は広告代理店で働く立場から、今話題のAIと広告について思っていることを書いてみようと思います。

広告業界における人工知能(AI)の活用は、近年急速に進展してきました。広告代理店がAI技術をどのように活用しているのか、またその影響がどのように現れるのかを探ることは、業界の将来を考える上で重要です。

本記事では、広告代理店のAI活用の流れ、AIによる仕事の代替の可能性、クリエイティブの未来、中小広告代理店の行方の四つの視点から、広告業界とAIの関係について深掘りしていきます。

代理店のAI活用の流れ


広告代理店におけるAIの活用は、効率化と効果向上のためにさまざまな形で進められています。ここでは具体的な事例として、大手広告代理店であるサイバーエージェントと電通の取り組みを紹介します。

サイバーエージェントのAI活用


サイバーエージェントは、デジタル広告市場でのリーダーとして、AI技術を積極的に取り入れています。具体的には「極予測AI」などのオリジナルAIの研究開発に加え、AILABの設立、大学などの研究機関との連携などを行なっています。


彼らのAI活用の一つの例は、「AbemaTV」の広告運用におけるAIの活用です。AIを用いて、視聴データやユーザーの行動データを解析し、最適な広告配信タイミングやクリエイティブを自動生成するシステムを導入しています。これにより、視聴者の興味関心に基づいた広告配信が可能となり、広告効果を大幅に向上させています。

また、サイバーエージェントは「AI Lab」を設置し、広告配信の最適化やクリエイティブの自動生成に関する研究を行っています。このラボでは、ディープラーニングや自然言語処理といった最先端のAI技術を駆使して、広告のパフォーマンス向上を目指しています。

個人的にはサイバーエージェントが一番AIに対して投資を行い、成果を上げている印象です。電通グループがそれに続き、最後に博報堂グループが追従している印象で、業界最先端であると言えるでしょう。

電通のAI活用

電通もまた、AI技術の活用に積極的です。特に注目すべきは、電通が開発した「AIコピーライター」です。このAIコピーライターは、過去の広告データを学習し、効果的なコピーを自動生成することができます。これにより、クリエイティブの制作プロセスが効率化され、短時間で高品質なコピーを作成することが可能となっています。

またグループ会社の電通デジタルでは、生活者が商品、ブランドを発見しファンになることをサポートする「♾️AI」を開発し広告効果の最大化に尽力しています。

広告代理店はAIに仕事を奪われる?

結論から言えば多くの職種でAIに奪われる要素が大きくなると考えています。

近年のAI技術の進展に伴い、広告代理店における従来の業務がAIによって代替されるでしょう。特に、データ解析や広告配信の最適化、クリエイティブといった領域では、AIの能力が人間を凌駕しつつあります。

実際に私が知る広告代理店では、AIを活用して広告運用を行なっていますし、デザインの分野でもAIが進出してきています。
代表的なものでは2023年にパルコが作成したAI広告や、伊藤園が作成したAIタレントを活用した広告が挙げられます。これらは現在の技術で作成可能なものであり、今後AIの技術が進歩していけば、さらにクオリティが高いものを作ることも可能でしょう。

AIに仕事を奪われない職種は?(考察)

仕事を奪われないのは事業を1からスケールさせることができるマーケター型の代理店社員や、上流の広告設計に関わるストラテジックプランナーなどだと予想します。

マーケティングの工程は複雑で、手段は広告だけに限りません。
それら全てを把握し適切にコミュニケーションを設計できる人材はそう簡単にはAIにとってかわられることはないと思います(少なくともここ数十年は)

AIに仕事を奪われる職種は?(考察)

仕事を奪われるのは前述したように作業するだけの運用人材や低単価のデザイナーであると予想します。広告の運用を実際に行う(管理画面を見て予算配分を行う)人材や自身のブランド力がないデザイナーはスピード、予算の両面でAIに勝てないでしょう

クリエイティブの危機


AI技術の進展により、広告業界におけるクリエイティブの役割が変わるのではないかという懸念があります。特に、AIが自動生成するクリエイティブが人間のクリエイティビティを凌駕するのではないかという不安が広がっています。

AIクリエイティブの可能性


AIによるクリエイティブの自動生成は、すでに実用化されつつあります。例えば、AIコピーライターやAIデザイナーは、過去のデータを学習し、効果的なコピーやデザインを自動生成することができます。これにより、クリエイティブの制作プロセスが効率化され、短時間で高品質なコンテンツを作成することが可能となっています。

具体的には前述した広告代理店が開発したAIだけでなく、OPENAI社が開発する画像生成AI「DALL-E」や「Midjourney」、Googleが開発した「Veo」「Bard」などが挙げられます。

人間のクリエイティビティとの共存


しかし、AIがいくら優れたクリエイティブを自動生成できるとしても、人間のクリエイティビティが完全に不要になるわけではありません。AIは過去のデータに基づいてクリエイティブを生成するため、新しい発想や斬新なアイデアを生み出すことは苦手です。一方で、マーケティングは「人の心と体を動かすこと」が重要になる以上、人間のクリエイティビティは、既存の枠にとらわれない新しいアイデアを生み出す力を持っているという点でAIに対して優位性を持っていると言えるでしょう。

広告業界におけるクリエイティブは、AIの技術を取り入れながらも、人間のクリエイティビティとの共存を目指すことが重要です。AIが提供するデータやインサイトを活用しつつ、人間のクリエイティビティを駆使して新しいアイデアを生み出すことで、より効果的な広告キャンペーンを実現することができます。

まとめ

広告代理店におけるAI技術の活用は、業界全体に大きな変革をもたらしています。サイバーエージェントや電通の事例に見るように、AIは広告の効率化と効果向上に貢献している一方人間の仕事を奪ってしまう可能性も指摘されています。
今後の自分のキャリアとして広告代理店に入社する際には、どの職種なのか、そこでどんな能力を身につけるのかまでを考えておくとAIに負けない人材となれるでしょう。

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