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農業と異業種の「通訳」という仕事

中小企業診断士のフクダです。
今日は農業の「専門用語」についてのお話です。



私は10年以上、公的機関で農業と他産業(飲食業、卸売業、食品メーカー、教育機関、IT、などなど…)とのコーディネートをしてきました。

どの産業でもそうですが、専門性の高い仕事ほど、「会話に専門用語が多すぎて、何を言っているのかわからない」問題が発生します。

初めて農業と関わるようになった頃、無知すぎて生産者の説明が全く分かりませんでした。

1タン5セってどのくらいの面積?
ハシュ? テイショク? チュウコウ?
ハチハチハチ? え? 肥料?
ハンマーモアとかパオパオってナンデスカ?
作業の名前、品種の名前、機械や農業資材や肥料の名前、聞き慣れない言葉ばかりです。

生産者に、それナンデスカ?と聞いたら「えっ、そんな言葉も知らないの⁈」と呆れられると思い、メモしてからこっそり検索したり、その後図書館で農業関係の入門書を読みあさったりしました。

農業関係者同士の会話ならそれで構わないのですが、レストランや流通関係者、教育機関といった異業種の方々とコラボする時は「通訳」が必要になります。

私は「農業以外」の方に農業の話をする時、極力専門用語を使わず言い換えるようにしています。
播種(はしゅ)→種まき
定植(ていしょく)→苗植え
1反(たん)→学校の25mプール4つ分
完全に正確な定義とは言えないかもしれませんが、まずは「伝わる」ことが大事です。

また、用語だけでなく、考え方自体が違っていて噛み合わない場合もあります。

「生産者に伝わる言葉」を使う必要性

ところで昨日、私自身も知らないうちに「専門用語」を使っていることに気付かされました。
普段、できるだけコンサルティングの専門用語は使わないようにしていたのですが、とある農業関連の取材で、フクダさんのコンサルティングの専門分野は何ですか?と聞かれ
「一番得意なのはブランディングです」と答えました。
すると、記者の方から
「農業関係の方にブランディングというと、デザインなどをイメージするかもしれません。他の言葉で言い換えると何ですか?」
と聞かれて、答えに詰まってしまったのです。

そうか、ブランディングって言葉だけじゃ通じないか。
「売れるためのストーリー作り、ですかね…?」
「それもコンサルの皆さん、よく仰るんですが、もう少しわかりやすく…」

自分自身も「お客さんに分からない言葉」を知らず知らず使っていたな、と反省しました。
その時はうまい言い換えができなかったので、ちゃんと考えてみます。

ブランディングとは、多くの商品の中から自分の商品を「わざわざ選んで買ってもらう」ための理由と仕組みを作ること
具体的には、

どうでしょう、伝わるでしょうか?


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