フクダユウコ

リッカ・コンサルティング代表 中小企業診断士 さいたまヨーロッパ野菜研究会事務局 農と食でジモトを面白く。 出版業界13年→中小企業支援機関で17年。経営相談のべ1800件超。農業・食品・飲食・起業関連に興味がある人向けの内容です。

フクダユウコ

リッカ・コンサルティング代表 中小企業診断士 さいたまヨーロッパ野菜研究会事務局 農と食でジモトを面白く。 出版業界13年→中小企業支援機関で17年。経営相談のべ1800件超。農業・食品・飲食・起業関連に興味がある人向けの内容です。

最近の記事

2024夏、とうがらしを200㎏収穫してわかったこと

リッカ・コンサルティングのフクダです。 久しぶりの投稿になりました。夏の間は、週2~3回ぐらいのペースで「十色とうがらしファーム」の収穫を手伝っていました。ひと夏、200㎏以上のとうがらしを収穫し続けて気づいたことを書いてみます。 なぜ、とうがらし収穫?  十色とうがらしファームを運営する「合同会社十色」は、2021年に女性3人で立ち上げたスタートアップです。私の仕事は中小企業診断士で、創業時から十色さんの経営のサポートをしてきました。  とうがらしの収穫は自動化・効率

    • 生ハム原木を仕込んで、「無限生ハム会」をやったら最高だった

      リッカ・コンサルティングのフクダです。 先日、私が仕込んだ生ハムの原木1本を食べきる「無限生ハムの会」を開催したら、ものすごく楽しかったので皆さんにもお伝えしたい! なんで生ハム? ことの発端は私の独立開業でした。 こちらにも書きましたが、私は独立に向けて、長野市の「NAGA KNOCK!」という創業支援プログラムを受講していました。 ここでは実際に地元企業で副業(私の場合はプロボノ)をしながら起業準備をすすめていくのですが、私が関わった地元企業が、長野産の熟成生ハム「

      • 飲食店開業したい人が、シェアキッチンでやるべきこと

        リッカ・コンサルティングのフクダです。 私のお客さんは飲食店関係、特に開業前後のかたの割合が多いです。特に最近は、本格的にお店を借りる前に、シェアキッチンを利用するかたが増えてきました。同時に、シェアキッチン利用者からのお悩み相談も増えてきたので、今日はそのお話。 最近多い、シェアキッチン利用者のお悩み 「シェアキッチンを週1で借りたのですが、思うように売上が伸びません。賃料も高いし、このまま続けてよいのでしょうか?」 シェアキッチンはここ数年で急激に増えました。飲食店営

        • 農業・飲食関係者が「食育」に協力するメリット・デメリットと、その対応

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 私は「さいたまヨーロッパ野菜研究会」(ヨロ研)の事務局や、農業・飲食関連のサポートの仕事をしている関係で、教育機関から「(地元農家やシェフに)食育に協力して欲しい」というご相談をよく受けます。 私自身も、保育園から大学、さらにはシニアまで、さまざまな年代の方々に、食育や農業についてお話してきました。 今回は小規模農業者・中小飲食関係者が食育・教育に関わることのメリット・デメリット、さらには対応策についてお話します。 食育にかかわるメリ

          マウンティングで自分が成長することはない、というお話

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 私は飲食店や食関連のコンサルティング案件が多いので、地方に行くと、評判のよいレストランやショップを必ず訪れます。 コンサルティング先、特に開業前や業歴の浅い方には、参考になりそうなお店の視察をおすすめしています。視察する際、かならずアドバイスしていることがあります。 今日は視察のコツについてお話しましょう。 あらさがしをするのは◯◯な人 私が中小企業診断士になって間もない20年近く前、商店街の経営改善に関わる機会が何度かありました

          マウンティングで自分が成長することはない、というお話

          能登半島地震と農業~珠洲の現場で感じたこと

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 先日、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲(すず)市の農業法人・べジュールさんに伺いました。現地の農業の現状を見聞きして、考えさせられることが多くありましたので、今日はそのお話。 (2024年4月末当時の状況ですので、現在とは異なる部分があると思います) 珠洲市の農業に関わったきっかけ 私が珠洲市の農業に関わったきっかけは2015年ごろ。当時、前職で芝浦工業大学と産学連携に関わるお仕事をしていました。そこで知り合ったのが珠洲市

          能登半島地震と農業~珠洲の現場で感じたこと

          「Farm to Table シェフが愛する百姓・浅野悦男の365日」を読んで

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 ここ2週間ほど、私とSNSで繋がっているシェフや農家さんの間で話題になっている本があります。 平凡社「Farm to Table シェフが愛する百姓・浅野悦男の365日」 浅野悦男・成見智子著 浅野さんは、私がヨーロッパ野菜に着目するきっかけになった農家さん。「情熱大陸」や「ザ・プロフェッショナル」に取り上げられたこともあり、レストラン向け野菜を作っている農家やシェフで知らぬものはいないくらいの超有名人です。成見さんも「ヨロ研」の取材

          「Farm to Table シェフが愛する百姓・浅野悦男の365日」を読んで

          街の本屋さんが生き残るため、本当に必要なこと~後編・出版界全体の生き残り策~

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 前回は「街の本屋さん」が置かれている出版界全体の状況についてお話しました。 今回は「じゃあ、具体的に何をすれば本屋さんを残せるの?」というお話です。 何を残したいのか? 私は今、農業や食関連のコンサルティングをメインにしているのですが、農業の世界でも「農業者の減少」や「耕作放棄地の増加」が問題となっています。そこで関係者とよく話すのが「本当の問題はなにか」「何を優先的に残したいのか?」ということ。 具体的に言うと、農地を残したい

          街の本屋さんが生き残るため、本当に必要なこと~後編・出版界全体の生き残り策~

          街の本屋さんが生き残るため、本当に必要なこと~前編・出版業界の裏事情~

          リッカ・コンサルティングの福田です。 ここ数日、話題になっている「経産省が街の書店の経営支援に乗り出す」というニュース。 SNSでは「役人が書店経営の指南なんてできるか」「ブックカフェなめんな」的な意見が多いようです。 さらに「10年間で書店764社が倒産・廃業」というニュース 私は1993年に当時の出版取次(卸)最大手・トーハンに就職して13年間、バイヤーや書店向けリテールサポートのお仕事をしていました。 中小企業診断士となって退職後も、業界に残る同僚や先輩たちから話を

          街の本屋さんが生き残るため、本当に必要なこと~前編・出版業界の裏事情~

          沈丁花と、樹木の寿命の話

          リッカ・コンサルティングの福田です。 仕事柄、いつもは野菜の話ばかりしていますが、植物全般が好きです。 特に沈丁花(じんちょうげ)の花は、特別に好きな庭木で、毎年咲く時期を楽しみにしています。 ところがこの沈丁花、昔はよく庭木で植えられていたのに、最近はめったに見かけなくなりました。 うちの同居人は庭師なので、よく庭木の話をします。以前、こんな話を聞きました。 沈丁花の思い出と寿命 あるお宅から「家を建て替えるから、庭木を移植したい」とのご依頼があり、伺ってみると沈丁花

          沈丁花と、樹木の寿命の話

          値段ってどうやって決めればいいの? 価格の決め方には3つの方式がある

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 今回は「価格」のお話。 先日、とある食品会社の社長さんから経営相談を受けました。材料の仕入価格も人件費も上がっていて、利益が出ない。どうしたらよいでしょうか?というご相談でした。 商品のラインナップを見ると、どれも量が多くて価格が安い。少人数の家族ではとても食べきれないような量だったので「この量と価格って、どうやって決めたんですか?」と伺いました。すると「先代の頃からこの価格と量です。まわりの会社も大体それぐらいなので、合わせなきゃ

          値段ってどうやって決めればいいの? 価格の決め方には3つの方式がある

          「自腹」で学習したことが将来の自分につながる

          リッカ・コンサルティングのフクダです。 今日は「自腹」のお話。 知り合いからも、ちゃんと買っています 農業や飲食に関わる仕事をしていると、いつも「タダ」で商品をいただいたり、食事していると見られることがあります。 私は基本的に、知り合いであっても「自腹」で農産物や食品を買いますし、食事も当然、正規の代金をお支払いします。 よく、農家さんからは「言ってくれればタダであげるのに」と言われますし、ご厚意でおすそ分けをいただくこともありますが、できるだけ定価で購入します。その理

          「自腹」で学習したことが将来の自分につながる

          50代でコンサル起業1年目の収支、会社員時代とどう変わった? 

          リッカ・コンサルティングの福田です。 2023年4月に中小企業診断士として独立して、12月末で1期目を終えました。 (個人事業主なので、暦年で1期目をカウントしています) 以前の記事でも書きましたが、独立前は「独立してちゃんと食べていけるだろうか…」と不安でいっぱいでした。 こちらの記事の反響が結構ありまして、最近、独立を目指す方からご相談を受ける機会が増えました。今回は2023年の収支や気づいたことなど公開します。 総収入は会社員時代より約100万円のマイナス まず収

          50代でコンサル起業1年目の収支、会社員時代とどう変わった? 

          仕事を受ける、受けないの判断基準

          中小企業診断士のフクダです。2024年初記事です。 年末年始は毎年恒例、狂った量のおせちを作っていました。(仕事ではなく趣味です) 独立したばかりの2023年、おかげさまで何とかお仕事が繋がり、正月の餅も買うことができました。 最初は「お声掛けいただいた仕事は断りません!」的なモーレツ営業をしていたのですが、9月に仕事を受けすぎてパンクしかける失態があり、今は仕事量をセーブしています。 https://note.com/witty_peony490/n/n175534a

          仕事を受ける、受けないの判断基準

          「最近の若い人は○○だから△△すべきだ」の不毛

          中小企業診断士のフクダです。 これまで、市場が縮小している業界の関係者にお話を伺うと、共通してよく聞かれる言葉があったのです。今日はそのお話。 日本茶業界の悩み 狭山茶をご存知でしょうか。「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」という有名な茶摘み唄があります。 埼玉県の狭山丘陵を中心に広がるお茶の産地で、埼玉県の地域ブランド認知度ランキングでは、深谷ねぎと並んで常にトップクラス。 ところが近年、お茶の価格が低迷し、お茶の栽培をやめてしまう茶農家さんが増えています。

          「最近の若い人は○○だから△△すべきだ」の不毛

          農産物直売所オタクは、売り場のココを見ている

          中小企業診断士のフクダです。 私は今、食に関連するコンサルティングのお仕事をしていますが、元々は料理好きな消費者として30年以上、全国の農産物直売所や道の駅、朝市などでお買い物しまくってきました。 今でも仕事やプライベートで地方を訪れると、必ずその地域の農産物直売所を訪れるようにしています。長年にわたり農産物直売所に通い続けるうちに、農産物直売所をざざっと15分も見れば、その地域の農業や食文化、地域活動の特徴が分かるようになってきました。今日はそのお話。 野菜・果物売り場:

          農産物直売所オタクは、売り場のココを見ている