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双極性障害(双極症)の概要

はじめましての方ははじめまして。
いつも見てくださっている方はお世話になっております。

マルです。

今日は私が患っている病気、双極性障害がどのような病気なのかを解説します。
よろしくお願いいたします。

みなさま、双極性障害という病気をご存じでしょうか。
古くは「躁うつ病」と呼ばれており、最近では「双極症」という名称も用いられるようになっています。

双極性障害は躁状態という気分が高揚する状態とうつ状態という気分が沈む状態、それからこの躁とうつが同時に起こる混合状態を繰り返す病気です。1)

もう少し詳しく説明しますね。

躁状態というのは心身の活動性が高まり、気分が異常に高揚したり、不必要な浪費をしたりなどする状態です。

逆にうつ状態というのは心身の活動性が低下し、強く憂鬱な気分が続いたり、思考のスピードが遅くなったりする状態になります。

また、(躁うつ)混合状態ではこの2つの状態の症状が両方とも出現します。

そして、これらの状態の間に、寛解期と呼ばれる、症状が出ずに気分が安定する時期が挟まるという特徴があります。1)

双極性障害は気分障害と呼ばれることもありますが、上記のように躁状態及びうつ状態の症状は単なる「気分」の問題にとどまりません。

躁であれば睡眠時間が減少したり、考えが次々に浮かんで思考がまとまらないなどといった症状が出ます。

また、うつ状態でも体重が増減したり、身体的に強い疲労感を感じるなどの症状が出てきます。

また、あまり知られていませんが、(躁うつ)混合状態という病相になることもあり、その時は「憂鬱な気分と不安を伴う躁状態」、「興奮しやすく焦燥感の強いうつ状態」などの状態になります。 2)(ちなみに最近私が調子を崩したときはこの混合状態でした)。

なお、これらの状態の他に、軽躁状態という病相が出現することがあります。これは見てのとおり、軽い躁状態という事で、躁状態との違いは社会生活に支障をきたすようなレベルか否かという点になります。

双極性障害の治療はこれらの急性期の病相をなくし、平常状態を維持する維持治療を行うという方略で行われます。2)

治療の中心になるのは薬物療法で主に気分安定薬という薬が使用されます。

気分安定薬の厳密な定義は「①急性期の躁状態、②急性期のうつ状態、③維持治療のすべてに効果のある薬」ということになります。2)。

薬剤によってはこれらすべての定義を満たさないなどの理由で、抗精神病薬という種類の薬などと併用することも多いです。2)
(双極性障害の薬物療法については患者の視点から今度別の記事を書く予定です)

また、治療には非薬物療法の心理社会的治療を行う場合もあります。双極性障害は脳神経の病気ですが、症状は精神面にも作用し、心理的または社会的治療が有効な場合も多いです。2) 3)

心理社会的治療はたくさんの種類がありますが、例えば心理教育や認知行動療法などがあります。3)

心理教育とは、内服を自ら中断してしまうなどという事がないように、患者に薬の働きについて資料を提示しながら説明したり、内服をやめたときに必ず再発するのではないかといった強い不安に配慮したりしながら、治療教育を行うことです。2) 3)

認知行動療法というのは、身体ではなく、人間の「心」(認知)と行動にフォーカスして治療を行います。あえて不安な場面を経験し、それにさらすことで、クライエント(患者)が思うような不安な出来事は起きないと、徐々に学習したりするのが一例です。3)

このような治療を通して、再発の予防をしながら、安定した社会生活が送れるようにするのが双極性障害の治療の目的になります。2) 3)

文献
1)     脳科学辞典「双極性障害」:
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%8F%8C%E6%A5%B5%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3
2)     加藤 忠史 (2023). 双極症――病態の理解から治療戦略まで―― 医学書院
3)     佐々木 淳 (2015). 躁の理解と支援 丹野 義彦・石垣 琢磨・毛利 伊吹・佐々木 淳・杉山 明子 (編) 臨床心理学 (pp.435-509) 有斐閣
 
 
なお、このnoteに誤っている部分がありましたら、お教えいただけると幸いです。指摘を鑑み、修正いたします。
 
 

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