いのち

一度しかない群青
この紅葉下の回廊
懐かしい
あぁそうだった
むかし 私は走りまわってたんだ
いつの間にか
眩しい朝日は
束の間に見るから価値があるんだと
思い込んでいたんだった
苦しみは
やがて来る
光のためにあるだと
思い込んでいたんだった

沈黙のなか
心臓の鼓動が私を見透かしてるようで
とても怖かった
本当は 気付いていた
走馬灯はまばゆくばかりに通りすぎ
もうこんなところまで一人歩いて来たのだった

初めて見たハリウッド俳優も
先日知った日本の俳優も
もうこの世を自ら去っていった
おばあちゃん、おかあさん
よく
白髪一本抜いたら誉めてくれた
かあさん、
とても驚いていた
もうこんな年なのかと
今は もう白髪だらけ

私はここで何をしてるのだろう
生きているのだろうか
息をしているか


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