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アートをめぐるあれこれ

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さすがに長く生きていると色々考えてきた。 文章にすることで少しずつ思考をまとめようとしたら、 書き散らしているだけだなこれは。
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#エッセイ

サルの絵

サルの絵

遠い昔の学生時代。

私が卒業制作に描いた絵は「ヒューマニズムと自然」というタイトルでした。
ずいぶんと哲学的かつ難解で、今となっては自分でもさっぱり理解できないんですが、まぁ、ずっと過去のことです。きっとあの頃は、少しばかり賢かったのでしょう。

で、その高尚なテーマのもと何を描いていたかと言えば、「サル」の絵なのです。いったい何でサルだったかはここには書きませんけれど、もちろん当時の私のなかで

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キャッチボールと遠近感

キャッチボールと遠近感

その昔、戯れにボール遊びなどした時であった。
誰かが、「キャッチボールができない奴は信用できない」といったことを口走った。

わたしはキャッチボールが苦手である。

この日のことは、今でもたまに思い出すし、苦い気持ちにもなるので、結構悔しかったのだと思う。

キャッチボールが苦手なのにはわけがあって、わたしは生まれつきの弱視で、左目の視力が極端に弱かった。

人間は右目と左目の視点のズレから、対象

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