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日本の麹文化 甘酒が健康美容にいいのは本当か

巷では小林製薬の紅麹に関して、少しずつ情報が出てきています。
私もニュースが出てすぐに以下の記事を書きましたが、今後情報がある程度揃った段階でまた振り返りの記事を書きたいと思います。

さて、日本でも味噌や醤油など麹食品が生活に欠かせませんが、甘酒も麹から出来ていることをご存知でしょうか?

正確には甘酒には2種類あって、米麹から作る甘酒と、酒粕に砂糖を加えて作る甘酒があります。

お酒が全く飲めない私の父はお正月に神社で振る舞われる甘酒で酔っ払っていたので、甘酒というと後者のイメージが強かったです。

なので妻が甘酒は健康にいい、と毎日せっせと飲んでいるので、

砂糖取りすぎにならないか?

授乳中なのにお酒大丈夫?

なんて心配をしていましたが、どうやらこれは誤解で彼女は米麹から作る甘酒のことを言っていたようです。

ではその米麹から作る甘酒がどんな効果があるのか、あるいは副作用などはどうか、いつものように論文を探して読んでみましたのでご紹介します。ちなみに甘酒は英語でもAmazakeなんですね。

Ingredients, Functionality, and Safety of the Japanese Traditional Sweet Drink Amazake
Atsushi Kurahashi. J Fungi (Basel). 2021.

まずは気になる効能から。

① 抗疲労効果

・ウイルス性肝硬変の患者さん4名で、甘酒を3か月飲むことにより疲れにくくなった、など患者さんが飲む効果を実感できた。
・甘酒が長距離ランナーの筋肉痛や疲労感を軽減(人数など詳細不明)
→効果はありそうですが、十分な根拠があるかは分かりませんでした。そもそも健康な人のデータが無いので、なんとも言えないです。

② 腸の動きの改善

・便秘の女性11人が毎日甘酒150mL(ヤクルト2本分くらい)を2週間飲むことで便秘が改善した。
・健康な人(男性5人、女性9人)が同じ量の甘酒を毎日飲んで、お通じがよくなった。
→こちらはいくつか報告もあり、便通という主観の混じりにくい評価なので、効果の信憑性は比較的高いと思いました。

③ 肌質改善

・乾燥肌の健康な女性64人を半分ずつのグループに分けて、片方は125mLの甘酒、片方はプラセボ(偽甘酒)を1か月飲ませた。甘酒を飲んだグループで頬の水分量が増えた。
→恐らく効果はありそうですが、肌質など個人差も大きいので、誰もが効果を実感できるかは分からなかったです。

その他、動物を用いたコレステロール低下効果など、体にいい効果の報告は多数ありますが、やはり人のデータに勝るものはない為、なんとも言えないと思います。

④ 安全性

甘ーい甘酒を毎日飲んで大丈夫なのかは気になるところです。

・血糖値が高めの健康なボランティア(男性19人、女性5人)に、1日あたり360g相当(ヤクルト5本分!)の甘酒を1か月飲ませたところ、血糖値も体重も変わらなかった。その他副作用も特に見られなかった。
・健康ボランティア(男性14人、女性8人)に120gの甘酒を3か月飲ませても血糖値や体重に変化はなかった。また、飲んだ直後の血糖値上昇もご飯より少なかった(いわゆるGI値は決して高くない)

・菌が繁殖する恐れがあるので冷蔵保存必須

⑤ まとめ

参考になる文献が少なく人での研究も決して多くない為、確実なことは言えませんが、便秘の改善や代謝改善、美肌効果あたりは期待できるようです。
飲む量は1日100g程度であれば、血糖値や体重を気にすることはなさそうです。(一応体重は毎日測定した方が安心とは思います)
効果も個人差があるかもしれません。

調べてみると、確かに健康美容によいことがわかりました。1か月程で効果を実感できそうなので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。

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