介護をしている全ての人へ#24

 読書をしたという自分の日記を見て驚いた。この日記を書いた頃は、父の認知症と債務、母のがんで読書するなどという余裕は無かった時期だと思っていた。
 義務感のようなものが瀕死の精神をよみがえらせたのか、Kさんが与えてくれた福音だったのか?

2019年1月24日(木) 母の日記

 夫を心療内科に連れていく。
 先生にいろいろ相談するが、今の状態が最高と思った方がよいとのこと、暗澹たる心持になった。
 介護施設で多くの老人の介護を経験したが身内のこととなるとうまくいかない。
 夫は私のことを身内と思ってくれているかどうかは分からない。
 デイサービスに夫を送り届けてから、長男に頼まれていた、土地、建物の登記簿謄本と公図を取りに行く。いよいよ夫の尻拭いが本格的にはじまった。息子たちが頑張ってくれていると思うと闘志がわいてくる。
体調が戻りつつあるのが実感できるようになってきた。暖かだったので、帰宅後は掃除と庭いじり。
 明日は長男が来てくれると電話あり。

2019年1月24日(木) 私の日記
 すごい寝汗で4時前に目が覚めた。頭痛も寒気もひどい。風邪をひいたかなと、体温を測ってみると36.8℃と微妙な感じ。
 インスタントコーヒーを淹れて、炬燵で暖まる。せっかく早起きしたので、買っただけでページを開くこともなく床の上に積みあがっていた本を読んでみることにした。
 最初は、弟に勧められた本『わかりやすい交流分析』。これで人付き合いが少しは上手になれるといいのなと思って買った本だった。ただ、この本のシリーズは5巻からなっているらしく読み進めるのに時間がかかりそう。本によると、人間は「子供の自我」「親の自我」「大人の自我」、3つの自我を場面場面で使い分けながら人と交流するらしい。なかなか面白いと思ったが、知らない言葉も多くて読み進めるにはちょっと時間がかかる顔しれない。仕事前に読む本ではないかなと思い、30分ほどで別の本『病院で死ぬということ』に移った。この本は母の病を知ったときにブックオフで買った本。古い本なのでページが黄ばんでいたし、活版印刷の活字が読みにくかったり、少し違和感があったが、著者でホスピス勤務の医師、山崎章郎氏が抱いている患者たちの生きざまに対する尊敬と死に瀕している患者とその家族に対する愛情がしっかり綴られていた。いずれ母を見送ることになる自分にとってもよい教訓がちりばめられていた。
 こちらは読んでいるうちに感極まってしまい、やはり1時間程でページを閉じてしまった。時間を見つけてまた読むことにする。

 仕事はつつがなく進行した。明日は残業できないので少し残業して帰宅。背中合わせに座っている同僚のKさんが気になって仕方ない。中学生かよ。

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