介護をしている全ての人へ#64 ~ 父の検査結果、再検査へ

 この日は、父の件で大変な決意をした日になった。

2019年3月5日(火) 母の日記

 今日は、夫の精密検査の結果を聞くために市立中央病院へ。検査結果を聞く前に担当医師から消化器内科の受診を勧められた。11日にヨード剤をつかったMRIで更に詳しい検査をすることになった。
 経験上、こういう時はかなり厳しい。がんは確定と思った方がいいだろう。あとは、がんがどこまで進んでいるかということを確認する作業だと思う。
 手術は避けたいと思っているが、息子たちと相談して決めよう。当の本人はどう考えるのだろう? 胸の内が苦しい。
 夜、息子たちに報告。
 長男は、押し黙ったまま何も言わない。次男はがんが取れるものなら取ってしまえばいいという。ステージⅡくらいなら予後も悪くないはずという。
 いっそのこと入院させてもらえれば、息子たちも私も楽になる。

2019年3月5日(火) 私の日記

  午前中、人事部長の面談、我が家の状態を再度訊かれた。認知症が進行中の父にトイレやインスリン注射の補助が必要であること。母はステージⅣのリンパがんであること、しかし余命宣告はされていないこと。父の債務のことは言えなかった。
 午後は、いつも通りに仕事。終業後、前の上司に午前に人事面談の様子を聞かれる。会社近くの蕎麦屋で話をした。役員が介護のために在宅勤務を許されたことがあるので、認めてもらえると思うと教えてくれた。ただ、一般社員には前例がないとのこと。気にかけてくれたこと、実際リスクを負いながら行動してくれたことにお礼をいって帰宅。
 かなり威圧的なもの言いをする人だが、なぜあの人が同僚から嫌われているのか分からない。前は嫌な奴だったけど、改心したのだろうか?
 帰宅後、母から父の検査のことを聞く。おそらく、すい臓がんで間違いないということ。早期発見というわけではないということ。
 自分の中ではすぐに答えが出た。このまま、枯れるように去ってもらいたい。でも、口に出して言う勇気はなかった。弟は、手術したら治る可能性があるなら手術したらいいといった。ちゃんと息子らしい回答。弟はいつも正しい。
 11日の検査の後、いつ医師との面談になるか分からないが、その時は、自分が結論を下すことにしようと思う。母にも弟にも判断させてはいけないと思う。
 いよいよ追い詰められた感がある。

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