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「禅とは……途上にあること……だと思う」「Being on the road.....…

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「禅とは……途上にあること……だと思う」「Being on the road......」(沢木耕太郎「深夜特急」より)

記事一覧

愛される者は幸いである。然し愛するすべの在る者はなお幸いであり、世の恵みである。
人を惜しみ、恨み泣く折は多かれど、然ればこそなお、人の為に祈り、また愛すべし。

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6年前
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「表現の武器」を複数持つメリット

文章を書く人間ですが、一年ほど前からTwitterで自作のイラストをポストするようになりました。Twitterなので、「いいね」や「RT」がついて、サイトのPV数にあたる「インプ…

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7年前
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やってはいけないことはたくさん教えられたけど、どうしてやってはいけなくて、やらずに済ませるためにはどうしたらよいかは、やっぱり誰も教えてくれなかった。
生きる偏差値が生来低かったから、勉強の場のないことは、生きる上で致命的だった。

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7年前
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つらいことはつらいと言っていいし、悲しいことは悲しいと感じていいんだ、と気づいて、受け入れるまでに何十年もかかった。子供の頃に知っていれば、あの時代、せめて心だけでも安らかに生きられただろうと思うと、ときどきやるせなくなる。

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7年前
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【たわぶれに】 物語としての砕片:4

身も世もなく取りすがりたいときがある。慟哭の夜を何度かさねても、胸の影はいろ濃いままだ。 この飢えはおそらく、一生をかけても消えない。ひとの一生で最も潤沢に、そ…

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7年前
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【たわぶれに】 物語としての砕片:3

わたしの中に、このひとと同じ光がある? 「それは、どういう意味ですか」 脳裏によぎった思考を打ち消したくて、確認のために尋ねた。 わたしはそんなたいそうな人間では…

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7年前
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【たわぶれに】 物語としての砕片:2

「からかってるんじゃないってこと、最初に言っておこうと思います」 「なんですか、いきなり改まったりして。まあ、いいや。 どうぞ、うかがいますよ」 目前から、立ち昇…

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7年前
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わたしが気づいたことなど、たいていもう誰かが言っている。周りを見渡してみて、少なくともわたしの周りでは、だれも言っていないな、ということだけ言えばいいのだと気づいた。
わたしはこれから、口をつぐむ。
沈黙が金であるのは、金でないものが金になるまで錬成されるからであろう。

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7年前
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構成や設定をキチンと決めて書かなかったのは何年ぶりでしょう。新鮮な気持ちでかけました。長編の構想がいくつかあるものの、今は一気に書ききる余裕が無いので、場面場面の物語を、少しずつオムニバスで書き溜めていくのも面白いかなと思い、ゆるゆるとやってみます。

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7年前
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【たわぶれに】 物語としての砕片:1

「いや、まあどうにも、けしからんことで」 にこりともせずに視線を外す。その表情がむしろ真意をほのめかす。 客人に出す食器のことを言っているのだろう。卓上の白いコー…

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7年前
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物語のかけらを留める

備忘録として: ストーリーとして構築するのはとても時間が掛かるけれども、そのモチーフとして残しておいたり、書き留めておきたいものがたくさんある。そういう「物語の…

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7年前
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「生成され続ける無色の粒子群とその原因たる切弦現象の主に於ける幾つかの考察」サンプル

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7年前

SNSにおける「文章」の載せ方と見せ方

文章が生業ですので、その延長線でいろんなSNSに文章を載せてしまいます。小説だったり、考察だったり、ネタ的なつぶやきだったり、とにかくたくさんやってみているんです…

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7年前
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Complex_entangle.q/re:fix

長く気づかなかった。わずかに首をもたげると、薄く細い影が伸びていた。僕と同じ種と見とめた。ただちに危害を加える様子は見られなかった。だから余計に不思議な思いで、…

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7年前

具体的には、疲れたことや、哀しいこと、納得の行かないこと、傷ついたことなど、いわゆるマイナスの面の記事も、平易な、やわらかめの表現で書いていこうと思います。論理的、理知的な文章においては、どうしようか…アカウント分けは考えていないので、これはひとまず保留。

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7年前
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FBやTwitterとは別のキャラクターを設定し、そのためにどことも連携させていない、このnoteの活用法をもう少し見直してみることにしました。想定される読者対象をもっと広げて、自分の言葉がより届きやすくするつもりです。過去の投稿の整理も同時に始めようと思います。

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7年前

愛される者は幸いである。然し愛するすべの在る者はなお幸いであり、世の恵みである。
人を惜しみ、恨み泣く折は多かれど、然ればこそなお、人の為に祈り、また愛すべし。

「表現の武器」を複数持つメリット

文章を書く人間ですが、一年ほど前からTwitterで自作のイラストをポストするようになりました。Twitterなので、「いいね」や「RT」がついて、サイトのPV数にあたる「インプレッション」がどのくらいあったかもわかります。フォロワー数は400程度(アクティブはもっと少ないでしょう)。
だいたい2000-5000くらいのインプレッションがいただけるようになりました。ありがたいことです。(いいねが4

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やってはいけないことはたくさん教えられたけど、どうしてやってはいけなくて、やらずに済ませるためにはどうしたらよいかは、やっぱり誰も教えてくれなかった。
生きる偏差値が生来低かったから、勉強の場のないことは、生きる上で致命的だった。

つらいことはつらいと言っていいし、悲しいことは悲しいと感じていいんだ、と気づいて、受け入れるまでに何十年もかかった。子供の頃に知っていれば、あの時代、せめて心だけでも安らかに生きられただろうと思うと、ときどきやるせなくなる。

【たわぶれに】 物語としての砕片:4

【たわぶれに】 物語としての砕片:4

身も世もなく取りすがりたいときがある。慟哭の夜を何度かさねても、胸の影はいろ濃いままだ。
この飢えはおそらく、一生をかけても消えない。ひとの一生で最も潤沢に、そして最初に与えられるべきものは、ついに与えられなかった。

それは今もなお、最も欲しいものだ。でも、今生でいくら欲しがろうと、もう決して手に入らない。
ずっと、この飢えを癒せるものやひとを捜してきた。捜し続けるあまりに、いろいろなものを

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【たわぶれに】 物語としての砕片:3

【たわぶれに】 物語としての砕片:3

わたしの中に、このひとと同じ光がある?
「それは、どういう意味ですか」
脳裏によぎった思考を打ち消したくて、確認のために尋ねた。
わたしはそんなたいそうな人間ではない。胸の内の傲りを、どうか粉々にしてほしかった。
薄い唇の右端が上がる。めったに笑わないひとだと聞いていた。少なくとも、世間はそのように認識している。こそばゆいのを我慢しているような表情。眉間に刻まれた深いしわは、照れくささをかくまうよ

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【たわぶれに】 物語としての砕片:2

【たわぶれに】 物語としての砕片:2

「からかってるんじゃないってこと、最初に言っておこうと思います」
「なんですか、いきなり改まったりして。まあ、いいや。
どうぞ、うかがいますよ」
目前から、立ち昇る好奇心の熱を感じた。緊張のために唇に指先を当てる。失礼なことを言うとは知っている。けれど訴えたかった。それはエゴに他ならない。わたしには珍しいことだ。そしてエゴイズムを喚起させるこのひとは、そうとうわたしの心を囚えていた。

一呼吸置い

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わたしが気づいたことなど、たいていもう誰かが言っている。周りを見渡してみて、少なくともわたしの周りでは、だれも言っていないな、ということだけ言えばいいのだと気づいた。
わたしはこれから、口をつぐむ。
沈黙が金であるのは、金でないものが金になるまで錬成されるからであろう。

構成や設定をキチンと決めて書かなかったのは何年ぶりでしょう。新鮮な気持ちでかけました。長編の構想がいくつかあるものの、今は一気に書ききる余裕が無いので、場面場面の物語を、少しずつオムニバスで書き溜めていくのも面白いかなと思い、ゆるゆるとやってみます。

【たわぶれに】 物語としての砕片:1

【たわぶれに】 物語としての砕片:1

「いや、まあどうにも、けしからんことで」
にこりともせずに視線を外す。その表情がむしろ真意をほのめかす。
客人に出す食器のことを言っているのだろう。卓上の白いコーヒーカップは安物。全国どこでも通販で買えるような代物。
「こだわりのない人間なんでして」
カップを覗き込みながら、唇の右端を歪める。
「何もそこまでと言うくらい、こだわるところはこだわるせいでしょう」
なんのためらいもなく、不遜に指摘して

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物語のかけらを留める

備忘録として:
ストーリーとして構築するのはとても時間が掛かるけれども、そのモチーフとして残しておいたり、書き留めておきたいものがたくさんある。そういう「物語の欠片」のようなものを記しておくのはよいかもしれない。
どうも私は、自由に書くとなったとき、一場面からストーリーを膨らませていくスタイルの人間のようなので、「いつかのその日のため」により明確にモチーフの輪郭を溜めておく必要があるもよう。

SNSにおける「文章」の載せ方と見せ方

文章が生業ですので、その延長線でいろんなSNSに文章を載せてしまいます。小説だったり、考察だったり、ネタ的なつぶやきだったり、とにかくたくさんやってみているんですが、媒体によって見せ方も違うな、と感じています。

例を挙げてみます。

noteだと、少しでも長文のテキストは省略されてしまう。
だから省略されるまでの間にインパクトを残さないといけない。

pixivの場合は、キャプションとタグ。一次

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Complex_entangle.q/re:fix

Complex_entangle.q/re:fix

長く気づかなかった。わずかに首をもたげると、薄く細い影が伸びていた。僕と同じ種と見とめた。ただちに危害を加える様子は見られなかった。だから余計に不思議な思いで、尋ねた。

「あなたは、誰ですか?」

影は、やや小首を傾げるようにして、僕を右目主体で見る。

「誰でもいいことではないでしょうか? 私のことは」
「いや、でも……」

影は、言いかけてその先に澱む僕の言葉を、一方的に遮る。

「私は、キ

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具体的には、疲れたことや、哀しいこと、納得の行かないこと、傷ついたことなど、いわゆるマイナスの面の記事も、平易な、やわらかめの表現で書いていこうと思います。論理的、理知的な文章においては、どうしようか…アカウント分けは考えていないので、これはひとまず保留。

FBやTwitterとは別のキャラクターを設定し、そのためにどことも連携させていない、このnoteの活用法をもう少し見直してみることにしました。想定される読者対象をもっと広げて、自分の言葉がより届きやすくするつもりです。過去の投稿の整理も同時に始めようと思います。