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板挟みにされる子どもたち【小1プロブレムを考える】


皆さんは小1プロブレムをご存知でしょうか。


その小1プロブレムたるものが、また、文科省にて梃入れされようとしています。以下の記事にて、分かりやすく取り上げられていますので(くじわわの記事を読んだ後で)お時間ある方は是非、ご一読下さい。


本日はこの”小1プロブレム”について、くじわわ的見解を述べさせていただきます。


まず最初に、

この問題に対しては、もちろん「小学校の現場を変えるべき」という長期的な課題はありますが、今回の記事では、今を生きる子どもたちのために、「どのように現状に向き合うのが良いのか」を追及していきます。


それらを踏まえたうえで読んでいただけると幸いです。



小1プロブレムとは


まず、

小1プロブレムとは何なのか


概念的には、進学時に小学校の形になじめないという問題であり、
具体的には、立ち歩く、授業を聞いていられない学習についていけないといった多角的な問題があります。



簡潔にまとめるとこのような問題となっています。


くじわわ的には、これは話を聞けない子どもの問題ではなく、大人側・制度側の問題であると考えています。




もちろん子どもには素晴らしい力と可能性が秘められています。


しかし、その可能性という綺麗な言葉で、この問題に向き合わず自主的な育ちを待つ形で、片付けてしまってはいないでしょうか。



この問題でいう所の「座って授業を聞く」「授業中、私語を控える」といったことを制御する力は、先天的に身につくものではなく、いくらかのトレーニングや習慣化が必要となってきます。


それを身に付けるタイミングを見逃したが故に、このような問題が顕在化してきているのです。


問題の大きな原因は、この「タイミングを逃した」という部分にあるのだと考えます。



各現場の声は、


私自身、保育現場での経験が6年ほどあり、小学校の教員免許も持っています。この問題は、大学の授業でもよくテーマとして取り上げられました。


そして、久々に会った教育関係者の友人の話のネタにもよくなります。


本章では、保育現場で働く私の考えと、小学校の現場で働く友人との話から感じた、両現場の現状における幼保小の連携における感覚の乖離について述べさせていただきます。


小学校で教員をしている友人によると、進学したばかりの小学1年生の授業態度には子どもにとって大きな差があり、進学までに「座って話を聞く」「私語を控える」といった”小学校マナー”を身に付けたうえで進学してきてほしい。というのが現場の意見でした。



しかし、保育現場では「主体的対話的で深い学び」と銘打って、自主的に活動することを望まれています。近年注目されているプロジェクト型の保育展開は、その自主性を重んじて進行していきます。



なので、子どもとしては、「保育園の間は自分の好きなことを真っすぐ頑張ったら褒められた」けど、「小学校に上がるとみんなと同じことを頑張らないと怒られる」という壁にぶつかる訳です。



つまり、子どもたちは板挟みにされているというのが現状なのです。



どのようにこの問題と向き合えばよいのか


では、この問題にどのように向き合えばよいのか。


くじわわ的には、

まず子どもの姿をしっかりと理解することが第一です。

そして、その次に進学予定の小学校の情報を集めます。


それらを照らし合わせて、本当にその子がその小学校で良いのかを考えるのです。


現代のいくつかの小学校は少しずつ変化し、そういった問題に積極的に取り組んでいる小学校も増えてきています。子どもの育ちにあった小学校が見つけられると何より安心でしょう。


以下の軽井沢風越学園がその素晴らしい例です。



しかし、

こういった取り組みを積極的に取り組んでいる学校は現状ではまだ多くなく、子どものために住む場所を変える、高額な学費を払うというのは、あまり現実的ではありません。



では、地元の”普通の公立”に進学するにあたって、小1プロブレムに向き合う育ちの「タイミング」を逃さないためにはどうすればいいのか。


くじわわ的には、一日の中で小学校に向けての時間を設けるというのが効果的であると考えます。


まずは5分、10分、15分、、と無理なく集中して話を聞いたり、ワークに取り組む時間を設けると良いでしょう(まずは読み聞かせなどが効果的)。


子どもの集中力は、年齢×5分程は集中できるといわれています(科学的根拠はなくあくまでの目安ですが)。なので、それらを軽い基準にしつつ、少しずつ何かに集中して取り組む時間を設けられるといいですね。


そして、4・5歳になってくると自己制御の力が育ってきます。

そうした年齢になってくると「したいこと以外」で数分頑張る習慣を付けていくと、より効果的です。


例えば、「映画館で静かにする」「病院では歩く」など簡単なところから、しっかりとその理由を説明して自己制御を育てていきましょう。


これにおいては大人の力が必要です。

しっかりと今の子どもの姿を捉えつつ、少しずつ取り組んでいってあげてください。



くじわわ的まとめ



子どもたちは制度の板挟みにされている。

現状を見つめた上で、小1プロブレムにうまく付き合うことが結果として子どもを救う事になる。


その為には、


まずは子どもの姿をよく見る
そして小学校の現状を知る
それらを鑑みた上で少しずつトレーニングを始める。



これが、子どもたちを「小1プロブレム」から救う現状の唯一の方法なのではないかとくじわわは考えます。



もちろん、この方法は2021年7月現在の緊急対処法です。


早く小学校の現場が改善され、子どもたちが好きなことを真っすぐに追求できる現場が多くなってくることを祈っています。





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