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ザ・フォーク・クルセダーズ - 帰ってきたヨッパライ - 1968

ザ・フォーク・クルセダーズというと、サディスティック・ミカ・バンドの主催者でもあった加藤和彦さん(奥さんは作詞家の安井かずみさん)、精神科医でもあった北山修さんを中心として、彼らが大学時代に関西で結成したフォーク・グループ。

最初は5人だったのが4人となり3人となり、戻ってきた人がいたり、また抜けたり…で、後にプロデビューする際に、はしだのりひこさん(後にシューベルツ結成)が加わって、3人体制になったのでした。

はしだのりひことシューベルツ「風」1969

アマチュア時代に録音した、曲のひとつがこの…

「イムジン河」1967

この曲は北朝鮮で作られた楽曲(1957年)ですが、長らく本国では披露されることなく、編曲された曲が東京の音楽祭で披露され、今では韓国でも歌われています。

キム・ヨンジャ「イムジン河」

曲の内容ですが、朝鮮戦争によって南北37°線(リムジン江) で分断された朝鮮半島についての曲であり、主人公は臨津江を渡って南に飛んでいく鳥を見ながら、なぜ南の故郷へ帰れないのか、誰が祖国を分断したのかを鳥に問いかけ、故郷への想いを募らせる内容…とのこと(wiki)。

どうして日本のフォーク・グループである、ザ・フォーク・クルセダーズがこの歌を歌ったのかというと…彼らのアマチュア時代のコンセプトが「世界中の民謡を紹介する」というものだったからなのでした。

どうでもいい話ですが…昔、携帯がなかった頃、家電にいたずら電話をかける人も多く、うちにもそういうのが定期的に掛かってきたときにイタ電対策というか、それをしてくる輩に対する嫌がらせとして…受話器を切らずにこの曲(朝鮮語バージョンのもの)をテープに落として、延々とエンドレスでかけていたならば、そのうち掛かってこなくなったかなっっ (他に般若心教とかも流した)

「悲しくてやりきれない」1968

この歌もいい歌です。CMに使われたり、カバーもたくさんされていますね。

オダギリジョー カバー 2005

映画「パッチギ」より。

夏川りみ カバー

多部未華子 カバー

映画「あやしい彼女」のワンシーンに使われました。

コトリンゴ カバー 2016

映画「この世界の片隅に」に使われたみたいです。

「青年は荒野をめざす」1968

哀愁があるメロディから、マカロニウェスタン風になるのであった。

そして…

「帰ってきたヨッパライ」1968

これですねー ものすごく印象的っていうのかなー

 ♬天国良いとこ一度はおいでっ 
  酒は上手いし ねーちゃんは綺麗だっ
  わっ!わっ! わっわ~ー♪

一度聞いたら忘れられませんよwww

子供たちみんな歌ってたもん。おらは~死んじまったどー♪…って。(おっす、おら、悟空!でわない)

神様の「なぁーお前」のセリフも味があって好きでした。

自主製作で動画を創られた方もいたりして

昭和だなあ~って歌でもあるし、懐かしいし、コミックソングといえばそうだけど。なんかこう、面白い、ちょっと変わった歌を歌う人たちって感じでしたよね。いやさ、普通の良い 味のある歌も歌ってたんだけど。

映画予告「帰って来たヨッパライ」1968

エノケン カバー 1968

嘉門タツオ カバー 2018

「水虫の唄」1968

でもフォークグループといいながら、フォークとも違う不思議な存在感。だいたいアルバムのタイトルが「ハレンチ」とかねぇww

確かに「ハレンチ学園」ありましたし(実写化面白かった・今の時代ではまず放送むりむり)、お〜モーレツ!!なパンチラやマスプロ・アンテナが流行りましたけど…

「ハレンチ学園」1970

丸善ガソリン100ダッシュ「オー・モーレツ!」

ドラマ「時間ですよ」のモロだしなお風呂シーンとか、「プレイガール」のミニスカなパンチラキックとか11PMとか…昼間っから不倫の再現フィルムが流れてて子供たちも見放題な昭和。性に関してはおおらかな頃だったから、そのタイトルでも行けたのだろうかと。

なんていうか~昭和40年代って雰囲気ですね。昭和30年代とも50年代とも違う40年代。太陽族とかがいて、サイケデリックな無国籍なものが流行っていたあの頃。

そして音源も動画もないからあれですが、「ヘビに喰われて死んでゆく男の悲しい悲しい物語」という曲もあったりするんですよね<クルセダーズ

聞いてみたーい!

「戦争は知らない」1968

でもって…フォークルはあっという間に解散して、それぞれ別の活動へと流れていくんですが、いちおう再結成とかあったりもする。

そしてこれは真面目な曲?? フォークルの曲ではないですけど、北山さんと加藤さんの連盟の曲。

「あの素晴しい愛をもう一度」1971

日本人はフォークギターというか、アコースティックな技巧に優れた人が多いですよね。とてもナイーブでデリケートかつリリックな音をつまびける人が多いというか~

もちろん海外のプレイヤーでもそういうタイプはいるんだけど。海外の人は、器用さにダイナミックさが加わるので(圧がかかるというか)。日本人ギタリストの方が、柔らかくて軽い 羽のような音を奏でられる人が多いような気がするですよ。

だからエレキ(の若大将ではなく)ギターだと、器用ではあるけど、どこか弱っちぃサウンドになりがちで。

でも、アコースティック・ギターだとその弱点が逆に長所になって、とても素敵な響きのメロディを作れる人がいっぱいいるなあって思ふ。


他blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/12/13 掲載記事より転載


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