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蒸し暑いアパートとにんじんジュース

今日もとにかく暑いですね……って毎日言ってる気がしますが。

こんな蒸し暑い日にふと思い出す、アパートの一室の思い出。

あの日は確かゴールデンウィークのど真ん中で。もうこれ以上関係を続けてはいけないなあ、と思いつつも好きだった人と、初めて遠出した翌日だったと思います。

前日のドライブデートは罪悪感がありながらも夢のような楽しさで。始めから向こうのアパートに泊まる予定だったのか、急遽その日そういう流れになったのかはもう忘れてしまったけれど。

夜が明けて、出かけた先で一緒に買ったパンを分けたりして。そこだけ切り取れば健全なカップルのようでした。

じめじめとした蒸し暑い部屋から一歩も出ることなく、その日はプロジェクターで少し古い映画を見ながらダラダラ過ごして。

そのときに出されたのが、普段は滅多に飲まない「にんじんジュース」。

どちらかと言えば生のにんじんが得意じゃないので、内心大丈夫かなと思いつつ。そんな不安も打ち明けられないくらい、相手の前では背伸びをしていたので。

大人しくいただき、口にしました。


なにこれ……お、おいしい……!!!


暑い部屋とキンキンに冷えた缶の相性がただただよかった、という説もありますが……小さな缶のにんじんジュースはとにかく甘くて、にんじんの独特なクセもなく、飲みやすくて。

にんじんジュースの概念が変わった瞬間でした。

どんな会話をしたのかとか、映画を見る以外何をしたのかとか、もう今となっては詳細が思い出せないほどにぼんやりしてるけど。

今でもにんじんジュースを見ると、あの不毛で甘美な思い出が蘇るから。たまに取り出すこともあるかもなあと思いつつ、「過去の思い出」としてそっと引き出しにしまっておこうと思います。


というわけで本日の一句。


あ、ちなみに写真のにんじんジュースは最近飲んだもので、当時のものではありません。が、これもとってもおいしかったです。

恋のモヤモヤした思い出を詠んだ「恋の成仏短歌」。過去のものはこちらからぜひ……!

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