記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ペルソナ5タクティカをクリア

ひさしぶりな気がする新作のペルソナのシミュレーションゲーム。難易度ノーマル、20時間と少しくらいでクリアできた。

そこそこのボリュームだが、昨今のコンシューマーゲームがハイエンド&ボリューミ過大なのだらけで、売れなかったときのリスクが高くなったりユーザーへの供給頻度が減る一方だったので、インディーズというか3DSとかVitaで出てたくらいのボリュームのゲームが出てくれるのは寧ろ喜ばしい。もっとやれ。もっとくれ。


ゲームシステムやバトル

1moreによる再行動や総攻撃トライバンクルによる広範囲攻撃に加え1ステージも短めのものが多い(1ターン全滅が条件のステージとかも割りとある)ので、シミュレーションながらも気持ちのいいテンポで遊べた。

各ステージではおなじみ怪盗団のメンバー+新キャラのエルから3人選択して戦う。キャラごとの個性はそこまで強くなく基本となる移動、格闘、射撃が共通して使える上にエル以外はサブペルソナで好きなスキルを2つまで追加できる。また属性の相性が存在せず、スキルツリー制で習得できるスキルも多くは共通になっているので好みのメンバーでクリア可能。

ペルソナ合体もあるがサブペルソナをエルが装備できない点や属性の要素がないため、サブペルソナ使用禁止の縛りプレイでも多分クリアできる。装備は銃のみ変更可能で後半ではサブペルソナを素材にした強力な銃もあり、ノーコストの銃攻撃の威力や射程に加え状態異常の付与もできるためこちらの方が重要度が高い。

P5にあったバトンタッチもあるが、戦闘不能時のみ可能で難易度によって1回の戦闘での交代可能な回数は変わってくる。どうせなら本編同様に1more時に交代できた方が全員で戦ってる感あって好きなのだが。

各ステージには条件達成で☆が3つ付くが大半は初見で取得できた。脱出目的のステージで敵の全滅が条件だったり最初の方のターン制限が厳し目だったりしたステージで取れてない。ボス戦はP5同様にユニークなギミックが多くて楽しかった。

サブクエストにはクリア条件が1ターンクリアのほとんど詰将棋のようなステージもあり、何度かのゲームオーバーはこういうステージで味わった。普通のステージでは戦闘不能になることすらほとんどなかったのでもう一つ上の難易度でもよかったかも。

シミュレーションゲームとしては有り難いアンドゥ機能があるのだが1ターン前に戻るのでクリア条件1ターンの場合は使えなかったり再読み込みのロードがけっこうあったりであまり使えなかった。

P5のUIや画面構成をうまくシミュレーションに落とし込んでる

演出とかストーリー

ディフォルメされたキャラクターでムービーの他、1枚絵とかを使いつつ進行するストーリー。会話シーンにも3Dキャラの演技を入れてた3DSのペルソナQと違いこちらの会話シーンは2D立ち絵。その分、和服とか一時的な服装の変更などもあった。

全体的に3Dムービーのクオリティは高い。スタッフロール見てたらカナバングラフィックスとかの3D動画の会社が関わってた。それを知るとあのぬるっと動いてピタッと止めるようなディフォルメタッチの動きがどこか「ウサビッチ」や「やんやんマチコ」を彷彿とさせるような気もする。特にラストバトル後のムービーはペルソナ召喚カットインもあり全員でアクションしてて熱かった。

一方で全体のストーリーはまぁ普通。P5シリーズでおなじみ、シャドウ、パレス、大衆の意識の機械的神との戦い。名前をレギオンやキングダムと変えているが本質的には同じと考えて良さそう。

エルの正体は統志郎のペルソナか認知存在かな思ってたが、その両方であったらしい。シリーズおなじみペルソナ覚醒シーンは相変わらず熱い!だが統志郎の怪盗服は欲しかったかも。仮面を剥がす場面はあるのだが覚醒時の一瞬しか見れない。

今回のもう一人の主人公とも言える統志郎は最終的に「望まぬ前科持ちからの再起」という点でジョーカーと同じ立場になったわけだが、それについて特に言及はされなかった。政治家に復帰してハッピーエンド!とは流石にならなかったが現実的に考えると政界への復帰は難しそうだが果たして・・・いっそ現実に戻っても革命を起こしたほうがてっとり早いかもしれない。

統志郎のペルソナのエルネスト。元ネタはキューバの革命家「エルネスト・ゲバラ」と思われデザインも軍服っぽい。統志郎の怪盗服もそれっぽい感じになってくれたらなぁ。今回のテーマは(統志郎の)心の革命のようだが、これは以前のインタビューでP3のボツ案が革命をテーマとしてたらしいのでそれの流用っぽい。

今作のカットインは動きがあって良い

ペルソナ5シリーズについて思ったこと

以下、考察めいたツッコミとか個人的価値観に寄った感想。

ペルソナ5S(ストライカーズ)を遊んだときも思っていたのだが、P5本編から設定の名称が変わってる以外、良くも悪くもあまり代わり映えはしないなーと。ちなみに今作の時間軸的には夏休みが舞台のP5Sより前でほとんどP5直後の春前。

P5本編でもあまり深掘りされてなかったパレスなどの設定の核となる「認知訶学」の話とかはこういうスピンオフでもっと掘り下げられないかなとずっと思ってる。ストライカーズの初期のジェイルでは仲間の深掘りが少しあったが今回はそういったメインキャラの話や関係性の変化も特に無い。

本編でイセカイナビの消滅に伴い日常や人生という戦いへ戻ったはずの怪盗団は結局はこうして現実や日常へ戻りきれないところに多少思うところはある。イセカイナビが消えずに普通に本編後も怪盗団を続けてる結末の方が今後も出るだろうスピンオフやコラボ的にも都合が良かったのではと思ってしまう。

いっそ怪盗らしくルパン三世の映画みたいに何度もお馴染みメンツで新しいパレスに挑むようなシリーズになってもいいのかもしれない。学生のままだと厳しいけど何せペルソナ5のオリジナルからは現実でもすでに7年経過してるんだしリアルタイムで同年代だったプレイヤーもとっくに社会人だしジョーカー(25歳)とかでシャドウと戦っててもいいのかも。

初代ペルソナの南條くんやエリーとかは続編で、P3のキャラがP4の格ゲーでそれぞれ社会人として社会人の姿を披露してくれてたので、リアルタイムで年取るのは原点回帰的でもありペルソナが人生を描く作品なら年を取るべきな気もするが、アレは不評だったのだろうか。

大衆の総意を名乗る存在のラスボス(ヤルダバオト、デミウルゴス、サルマエル)も反逆が根底のテーマ故だろうが機械的で秩序寄りな存在というところは3作とも同じ。現実の大衆・ネットはもっと混沌寄りに思えるのでどちらかというとペルソナ2のラスボスのニャルラトホテプが未だ跋扈してるどころか年々力を増してるようにさえ思う。むしろ秩序の神に一旦、支配してもらって欲しいくらいだ・・・まぁP5本編もストライカーズも本作も途中で戦うボス達がカオス寄りな支配者で、それらを一掃したあとで出てくるのが秩序の神なのでバランスは取れているのか?

🤔 (現実で秩序が力を振るうには監視や記録が不可欠で、それを伴わない支配は結局のところ法の皮を被ろうが混沌に根ざしたものになると思っていたが、あるいは歴史や宗教、慣習といったものの方が現実で秩序と呼ばれる敵になりうるか?)

今作のラスボスのサルマエルは舞台が統志郎のパレスだけにやってることはほとんど統志郎のシャドウと向き合うような個人的な戦いになってる。統志郎自身の再起への意思がエルネストでそれを阻む弱さがサルマエルというか。(一応、首相候補だからサルマエルに狙われたみたいな話もあった気もするが)

サルマエルの言も個人的にはそこまで否定はできない。現実的な力を伴わなければ革命は逆効果にすらなり、怪盗団が強い存在なのは確かなので。問題は他人へ価値観を押し付けてる点くらいだと思うが、そうでもないとラスボスとして対立できないので仕方ない・・・そう思えてしまうのもストーリー全体の熱さや説得力が今ひとつ足りないせいかもしれない。もしくは年をとったと言えるか。

特に今作の黒幕でもなんでもなかった冒頭の2名

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?