福祉の人間が大真面目にマネジメントを考える
新年も明けてもう2週間が過ぎました。
お正月気分は流石にすっかり抜けて(割と早くから抜けてはいるんですけどね)、今年の目標に向かって手探りであれやこれやと動き始めています。
プレイヤーとしての僕はそんな感じなんですが、実は一応事業所運営も行っているもので、年が明けると次の年度に向けての計画を立てたり、事業所内のマネジメントについて考えなければならなかったりします。
ちょうどここからそんな作業に入らなければならないなぁ、と思っています。
なのでちょっと自分の備忘録も兼ねて、これから何回かに分けて自分のマネジメントの中で大事にしていることを整理しながら書きたいと思います。
福祉業とはいえチームを率いて事業運営をしているとマネジメントは欠かせません。
もしどなたかの参考にでもなれば幸いかなぁ、と思いながら書きます。
あまり体系立てては書けないかもしれませんが、よかったらご覧ください。
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基本は「人をどうやって活かすか」
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事業運営ですから、今後の事業展開のビジョンや収支の計画、つまりマネタイズなどについての問題などもとっても大事なんですが、僕らの仕事ってまず「人」が商品です。
今までもいろんなところで働いてきて経験してきて痛感したのはとにかく「人」の扱い方です。
僕自身、いいのか悪いのか割と若い頃から管理者的な役割を担わせてもらうことが多かったので余計に感じるんですが、事業自体の計画や収支の計画、事業展開の展望なんかを考えるよりも圧倒的に人のマネジメントに頭を悩ませてきました。
若い頃はそりゃもう上手くいかないことばかりで、僕自身もそれにイラついてとても厳しくスタッフに接してしまうこともよくありました。
今思えば完全に僕の勉強不足ですし力不足なんですけれど。
立場や自分が持っている権限をカサに着て上から威圧的にものを言えば、言うことを聞かせることは簡単です。でもそれは結局自分の信用を下げるだけじゃなく、もし自分の職場から人が去っていった時にはその人は確実に自分達の敵になります。
かと言ってマネジメントを行う際に下手に出るのも違う。
今まで仕事をしてきた組織では、あまり人の扱い方に長けているなぁ、と感じるところは多くありませんでした。
すごく極端にカテゴライズすると、いわゆる典型的な「福祉の仕事は人に奉仕する仕事なんだから、24時間365日が仕事だ」というような、今で言うとちょっとブラック企業のようなスタンスだったり、逆に売上や利益への意識づけを強く求めて、研修や勉強会などに力は入れているけれど、あまりに営利色が強すぎるのかキャリア志向が強すぎるのか分かりませんが、スタッフによっては負荷が強すぎる、みたいなことが起こり易いスタンスの場所か、働きやすいんだけど負荷がなさすぎてなぁなぁになり易くてあまり人が育つ、ということが望みにくそうなスタンスのところか。
そういうところが多かったなぁ、と思うんです。
そういう中でマネジメントをしていてだんだん感じるようになってきたのは、「あまりに働くスタッフの想いとコミュニケーションをとってお互いが納得しないと人は動かない」ということでした。
会社にはそれぞれ理念があります。その理念を叶えるためにいろんな事業や活動を営んでいるわけですが、雇用しているから全て会社の言いなりになれ、と言わんばかりに姿勢や思想、果ては言動までを統制しよう、というようなスタンスって特に今の時代には全く適していないと思うんですが、なんかそんな同調圧力みたいなものが多くて、そもそもスタッフが言いたいことが言えない、みたいな風土ってよくある気がするんです。
そもそもそこから間違っているんだろうな、と僕は思っています。
心理的安全性、というんでしょうか。
理念がある。そしてその理念を推し進めるためにいろんな活動を行う。その理念を叶えるために全スタッフがそこに向かう、というのは全然間違っていないんですが、そりゃ理念を考えた当人じゃないんだからいろんな疑問も不納得なことも途中で生まれることはあるじゃないですか。
否定、ではなく純粋に疑問に思うことも矛盾を感じることも、腹落ちしないこともあれば、建設的な批判という姿勢だって持つ方はいるわけで。
でも、そこできちんとコミュニケーションを交わして「あぁ、なるほどそういうことか」って腹落ちしてもらうことや、「あなたが言うのなら分かりました」って思ってもらえるプロセスを踏むってめちゃくちゃ大事だと思うんです。
言うことを聞かせるんじゃなく、コミュニケーションを交わして相互理解を深めていくプロセス。
そしてそれが出来うる空間づくり、というか風土づくり。
ここを抜いてしまってただビジネスライクな職場を作ってしまったら、そもそも雇用側 > 従業員 という力関係が生まれてしまうのでフェアじゃない。
だからまずスタッフが自分の意見を表明しやすい環境を作ること。そしてその上で丁寧にコミュニケーションを交わす、交わせる関係性を構築する、と言うのが何よりまずやらなきゃいけないことなんだろうな、と思うようになりました。
ちょっと話を戻します。
とにもかくにも「人」の扱い方からきちんと考えていかなければ、僕らの仕事は「人」で成り立っているので、成立しなくなってしまいます。
じゃあその商品たる「人」とどうやって向き合ってマネジメントしていくのか、です。
少なくともマネジャーがスタッフにとって「自分の意見を表明してもいいんだ」と思ってもらえていれば、理念やビジョン、もう少しミクロに言えば今の仕事についてやオペレーションについてもいろんな意見を持ってそれを述べてもらえるんじゃないかと思います。
そしてぶっちゃけ疑問に思っている、納得できていないこと、矛盾してるんじゃないかと思うこと、不安なことや不満なことなども聞くことです。
疑問は説明して解決すればそれだけで納得が増えます。納得ができていなければすり合わせをします。もちろん、どう擦り合わせようとしても納得ができない、というところが生まれたらそれは喧嘩じゃなく部署を変わるなり仕事内容自体を変えるなり、最悪スタッフが退職する、と言うこともあり得るとは思います。
矛盾していると見られていることについてもきちんと紐付けを明らかにしてあげることで解消すればそれでいいと思いますし、本当に矛盾していればそれはむしろこちらが正さなければならないでしょう。
不安や不満についてもきちんとお応えすることです。見通しをつけることや、解消できる限りのことであれば不満も解消にむけるためにどうするかを話し合ったらいい。
シンプルだけど、こういうやりとりを日常からどれだけするか、ということが大事な気がするんです。
理念やビジョンについても「分かってるだろう」「分かっていて当然」ではなく、折に触れて伝えること、日常的に触れられるように伝えることの方がよっぽどか大事です。
だって、理念もビジョンも結局は「自分ごと」になってもらえない限りは絵に描いた餅ですから。
その上でスタッフが自分の職場で「何をしたいか」、それが明確にないならば「何をしようか」を一緒に考えればいいんじゃないかと思います。
当然やりたいことをやりたいように、というわけにはいかないと思いますが、むしろスタッフが伸びたい方向、もしくは伸びれそうな方向に彼らのキャリアを設計できるように事業を組み立てていく、くらいの方がよっぽどかパフォーマンスは上がるんじゃないかと思います。
と言うことは、マネジメントを行う者はいつだってスタッフの「活きるポイント」ってなんなのか、つまりいいところ探しをずっとしておかなきゃいけない、と言う事です。
普段の仕事の様子、実際の仕事の成果(成果とは何か、と言うのはまた別の話で)、メンタルバランス、他者との関係性、人としてのタイプ、などなどをもちろんマネジャーは誰もが見ていると思うんですが、それは「ダメなところ」「不足しているところ」「問題点」を探すんじゃありません。
そんなものはほっといても浮き彫りになります。
それよりも「このスタッフはどこに強みがあるんだろう」「どういう役割を任せると活き活きするんだろう」ってことを必死で探すことなんだろうな、と思います。
今僕はあまり大きな組織には属していません。
だからこそスタッフが1番活きることがあればそれを役割として振り切ったり、場合によればそこから自分の構想と混ぜ合わせながら新しい事業を考えたりします。
誰だって自分が得意だったり、やりたいと思っていたり、より不自然でない方がなんでもやり易いじゃないですか。
そして納得できて、矛盾や疑問をあまり持たずに仕事できる方が迷いも少なくなるじゃないですか。
そして人ができるだけイキイキとしている方が事業も前に進みやすくなります。
そんな空気にまた人が集ってくるものじゃないのかな、と思っているので、結局自分が描く理念やビジョンを叶えていくことにも繋がるんじゃないか、と思えるんです。
ちょっと思ったことをそのままつらつら書いてしまったんですが、特に福祉業を営む上でマネジメント、と言うのはまず「人」です。
もちろん研修とか勉強会とかそう言う仕組みとしての人のマネジメント、というのも大事なんですが、人のことを仕組みだけで片付けることは多分できないんじゃないか、と僕は思っています。
ちょっと長くなってしまったので今日はこのくらいにしたいと思います。
また次回続きを書こうと思います。
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