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自死(自殺)は悪いこと?自死遺族が思うこと


◆自殺は悪いこと?

自死(自殺)というと世間一般的には当然よいイメージがありません。
当然命は大事だし、人生は一回しかない。
そんな命・人生を自ら断つ行為なのですから、
よいイメージがあるわけがないと思います。

しかし自死遺族という立場にいざなってみると、
自死(自殺)ということについて見え方が変わってきます。
自殺は悪いことなの?
私の結論としては・・・
『尊重はしないが否定もしない。』
これが正直な気持ちです。

◆これ以上生きるなら死んだほうがいい◆

自死遺族として母の自死(自殺)を考えた時、
私はその選択を尊重・肯定はしませんが、
否定もできないなと感じています。

ある程度生きていれば人生は良いことばかりではなく、辛いこと、苦しいこと、悲しいことで溢れていると気づきます。
(当然、楽しいことも嬉しいこともあります。)
そんな人生の中、本人にとっては、
『これ以上生きるのなら、死んだほうがいい』
という選択であったわけです。
悲しいが、本人の選んだこと・・・
ただ、母の人生が穏やかさや安心で満たされた人生でなかったことが
なによりも苦しく、悲しく感じます。

◆人間は死ぬことを選択ができる◆

人間はなんとも不思議な存在です。
生まれることは選べないのに死ぬことは自身で選択ができます。
生まれるときはもはや選択の余地など一切なく、
この世に生まれてきます。そうして人生が開始します。
この始まりは選べないが、死ぬことは選べる。
人生を終わらせる最後の選択は選べるのです。

◆身近な人との関係が破綻している場合◆

人はなぜ自死(自殺)をしようと思うのか?
これには当然色々な理由があると思います。
しかし、突き詰めると最後には・・・
『身近な人との関係』に行きつくのだと感じます。
言い換えると、『自分にとって重要な人との関係』ともいえます。

どんな状況になっても、自身を信じ、支えてくれる人が
世界に一人でもいれば、自死(自殺)を思いとどまるのではないか。
そう思うわけです。しかし、こうした身近な人間関係に
信頼を持てない、安心感がない。
こうした状況というのはあまりにも苦しい。
身近な人間関係が破綻している・・・。
人に不幸感をもたらすのは身近な人との関係なのだと感じます。

◆あなたにとって『大事な人との関係』を大切に◆

自死(自殺)は悪いことはなのか?
ここでは哲学的なことや世間一般的な意見ではなく
100%私の主観としての意見であることはご承知いただきたい。
私の意見はというと・・・
『尊重はしないが否定もしない』ということです。
本人の選択である以上、責めることもできない。
ただ、残された者には生涯消えることない哀しみが残るだけ。

こうなった今、私がお伝えできることがあるとすれば、それは・・・
『あなたにとって大事な関係を大切にしてほしい』ということです。
それは親・子・夫婦などの家族、友達、職場の人間関係でもいい。
とにかくあなたにとって大事な関係の人間を認識して、
具体的な行動をとることではないかと思うのです。
感謝を伝えたり、愛していると伝えたり。
どうやら生きているというのは、
思った以上に当たり前ではないのかもしれないです。

大切な人がこの世界に生きている時間はそう長くないのかもしれない・・・
そう考え、行動することで後悔が少ない日々を生きられるのではないか。
そんな風に思います。

今回は以上です。

武田 もとやす

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