イチカワヒロシ

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イチカワヒロシ

金融業界14年 | エンジェル投資 | 独立系金融アドバイザー | 投資案件募集中 | 「今までになかった投資機会を」 https://hedgeplus.jp/

最近の記事

市場は利上げ停止を織り込む

米連邦準備理事会(FRB)は22日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決め、政策金利を4.75~5.00%としました。 今回は、米地域銀行の破綻が中小銀行の経営懸念につながっており、スイス金融大手クレディ・スイス・グループの危機も重なっていました。 FRBは緩やかな利上げを継続することで「金融システム不安が広がっていないとの自信を示す」との意味合いもあったと思われます。 今回は「ハト派寄りの利上げ」となったと言われています。 フォワードガイダン

    • IPO「市場蒸発」で銀行破綻

      経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)は、預金の6割超をハイテクやヘルスケアのスタートアップ企業が占め、その預金流出が破綻の決定的要因になりました。2022年以降の新規株式公開(IPO)の記録的な急減が窮地を招いたとも言われています。 FRBの利上げで株式相場が調整局面に入るとIPOの環境は急激に悪化。22年のIPOは71銘柄と前の年から82%も減りました。調達額は95%減の77億ドルと市場がほぼ「蒸発」しました。この金額は、ルネサンスによると30年以上の同社の歴史で

      • 低PBR、高配当に向かうマネー 東証の一声

        「バリュー株」「PBR1倍割れ」「割安銘柄」――このところ毎日のように機関投資家や証券会社のセールストレーダーなどからはこうした言葉が飛び出します。 東証株価指数(TOPIX)採用企業のなかでPBRが低い銘柄で構成される「TOPIXバリュー指数」は算出来の高値を更新しています。 バリュー株や高配当株が選好される理由は3点です。 ①3月末の配当を狙う動き、②日本の金融政策の転換を見据えた動き、③東証のフォローアップ会議の議論 特に東証の議論が「ホットなテーマ」だと言われていま

        • 「デットファイナンス」による調達が急増

          STARTUP DBの集計によると、2022年の年間を通じてのスタートアップ企業の資金調達件数は3,717件、合計金額は約1兆1,386億4,800万円でした。 2022年のエクイティによる調達は、前年から大きく落ち込んでいます。ただし、21年は親会社から子会社への大型出資を含んでいるため、それらを差し引けば大きな差はありません。 違いが鮮明に現れたのは「その他」の数字です。21年が約1,137億6,400万円だったのに対し、22年は約2,538億9,000万円でした。件

        市場は利上げ停止を織り込む

          バリュー株優位つづく

          このところ、日本株市場での「バリュー優位」の様相が一段と強まっています。 東証株価指数(TOPIX)のバリュー指数は21日時点で2008年11月の基準日以降の最高値を上回っています。また、バリュー指数をグロース指数で割った「バリュー・グロース指数」は2019年4月初旬以来の高水準です。 バリュー株(低PBR銘柄)が選好される背景として、東証が市場再編について改善点を検討する「フォローアップ会議」の影響を指摘する声があります。 PBRが継続的に1倍を割る上場企業に、今春にも改

          バリュー株優位つづく

          日銀新総裁「クロダノミクスへの執着心ほぼない」海外勢に聞いた

          日本政府が日銀の新たな総裁に元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めたことは、海外の市場関係者の間でも高い注目を集めています。 人事の評価や金融・資本市場の見通しを聞きました。 【YCCは徐々に解除へ】シンガポールの投資助言会社アシンメトリック・アドバイザーズの日本株ストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏 植田和男氏が日銀の次期総裁となる見通しになったことは、安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の終了を意味する。 植田氏は黒田総裁の「クロダノミクス」への執着

          日銀新総裁「クロダノミクスへの執着心ほぼない」海外勢に聞いた

          AI開発競争加速、長期テーマ投資の好機か

          年明け以降の株高の原動力だった米連邦準備理事会(FRB)の利上げの早期停止観測や年内の利下げ期待がしぼみつつあります。 しかし、人工知能(AI)などのテーマに着目した投資の好機かもしれません。 主要企業の決算発表が一巡し、にわかに注目されるのがハイテク大手のAI開発競争の動向です。 アルファベットは傘下のグーグルが6日に対話型人工知能(AI)「Bard(バード)」を数週間以内に一般公開すると発表し、8日のイベントで紹介しました。 マイクロソフトは7日から検索エンジン「ビン

          AI開発競争加速、長期テーマ投資の好機か

          「ディスインフレ」、市場は利上げ停止・利下げを見込む

          米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米株式市場に安堵感をもたらしています。 「ディスインフレのプロセスが始まった」 1日まで開いたFOMCで0.25%の利上げを決めたFRBのパウエル議長は記者会見でこう言及しました。 物価の伸び鈍化を示す「ディスインフレ」という言葉を会見中に何度も繰り返し、市場ではパウエル議長は物価認識に対してハト派的だったと受け止められています。 声明文でFRBは政策金利について「継続的な引き上げが適切」と前回までの表現を維持しています。 パウ

          「ディスインフレ」、市場は利上げ停止・利下げを見込む

          米株式相場はすでに底入れ?先行指標のラッセル2000が示唆

          米国の小型株で構成するラッセル2000株価指数が堅調です。同指数の構成銘柄には内需系銘柄が多く、米景気動向を先行して織り込むとされる指数です。 チャートでは中長期の上値抵抗線を上回ってきており、米株式相場はすでに底入れしたことを示唆している可能性もあります。 ラッセル2000は今年に入り、7.4%上昇と、S&P500種の4.7%を上回っています。ラッセル2000はS&P500など主要株価指数に対し、先行性があるとされています。 今回の下落相場が始まる前の2021年11月

          米株式相場はすでに底入れ?先行指標のラッセル2000が示唆

          銀行株の動きからみる相場の動き

          1月17~18日開催の金融政策決定会合で日銀は大規模緩和の維持を決めました。市場の一部で強まっていた緩和が修正されるとの思惑は外れましたたが、その思惑は消えていないようです。 すでに緩和修正の先送りとの見方も出始めており、銀行株の動きからは短期目線の投資家の動きも見え隠れしています。 今回の決定会合の直後に売りに押されたのは銀行株の一角。三菱UFJ(8306)は午後に一時、前日比5.1%まで下げました。三井住友FG(8316)は一時5%超、みずほFG(8411)は同

          銀行株の動きからみる相場の動き

          インフレ減速に安堵の米国株、反転した?

          インフレ鈍化基調が鮮明となり、米株式市場では安堵感が広がっています。米消費者物価指数(CPI)でインフレ減速が確認され、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が優勢となっています。米金融引き締めの長期化懸念は後退し、2023年の米株式市場は今のところ良好な地合いです。 市場には、FRBが早ければ次回会合で利上げ局面を終了するとの予想もあり、早期の利上げ停止は米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待を高めます。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も「米経済

          インフレ減速に安堵の米国株、反転した?

          2022年のM&A件数、過去最高を更新

          M&A助言大手レコフが発表したデータによると、2022年1-12月の日本企業のM&A件数は4304件と、2021年の4280件を24件、0.6%上回り、2年連続で最多を更新しました(図表)。 M&A件数は2012年から2019年まで8年連続増加しましたが、2020年に世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けて減少し、2021年に再び増加に転じていました。 他方、金額は11兆4356億円と、前年の16兆7128億円から31.6%減少していま

          2022年のM&A件数、過去最高を更新