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消化器系の「基礎」①噛んで、飲み込んで、胃に送る

比較的イメージしやすい「消化器系」

消化器系といえば、割と親しみがあり、登場する臓器もイメージしやすいものが多いですよね。

ざっくり

口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸

と、「前へ前へ」と蠕動運動しながら、食べたものを吸収しやすいレベルまで「細かく」し吸収する、という働きをしています。

消化管全体に共通する一般的な特徴

消化管に共通する特徴として、「蠕動運動」という方法で、食塊を前に、前に進めていきます。この運動が悪くなると、便秘になるし、激しくなってしまうと下痢傾向になってしまいます。

注意しておいて欲しいのは、消化管の「管の中」は人体にとっては、「外」扱いになる、ということです。口から肛門までが一本の「管」構造になっていて、その中は「体外」という扱いです。

だから、消化管の中に「吸収しては困るもの、体内に入られては困るもの」がいる場合は、ある程度防御できるようになっています。例えば、食べたものに付着しているバイキンも、容易に入ってきますが胃酸である程度退治できたりします。

そして、不要なものは、吸収せずにそのまま素通りさせて肛門から外に出すこともできます。もちろん消化や吸収ができないものは、そのまま便に混ざって出てきます。うっかり魚を食べていて骨を食べてしまったら、「便と一緒に出てくるよ」とか言われたことありません?(腸の壁に刺さっちゃうと結構大変だったりしますが、、、)

消化管は、口腔、胃や十二指腸のように(食道は残念ながらこの記事では「ただの通り道」と扱います)「吸収しやすいように下準備」する部分と、「吸収して物流システムに放り込む」部分(腸)とにおおまかに分けて考えましょう。

前半部分は胃カメラで観察でき、後半部分は大腸カメラで観察できます。これは「消化管」が体外だからですね。ただ、管の長さや物理的な限界で、「小腸を見る」のは厳しいです。この辺はカプセル内視鏡(飲む内視鏡)の発展に期待です。


口 - よく噛んで食べよう

口腔の役割は「咀嚼」と「嚥下」になります。「歯」というカタいモノで食べ物を砕いたり小さくしたりできるのは他の消化管にない大きな特徴です。ここでしっかり噛むことはめちゃくちゃ大事です。

また、糖質を消化する第一歩は、すでにここから始まります。「米」や「パン」などの主食に含まれる炭水化物は、唾液中の「アミラーゼ」で分解されます。いわゆる炭水化物は、ミクロレベルでみると、「糖」がたくさんつながってできています。これを小さく切り取って、本当に「糖」みたいに甘いものにしてしまうのが「唾液アミラーゼ」の役割です。よく噛んで食べていると、甘さを感じるのはこのためですね。ここでしっかりよく噛んで糖質分解をしておくことも、このあとの胃・十二指腸の負担を減らすために大事です。

※ 厳密には炭水化物には「食物繊維」という「難消化性炭水化物」が含まれますが、ここではあえて無視した言い方をしています。

ざっくり、「ただの通り道」の「食道」

胸郭(横隔膜の上の部分)は、心臓や肺でいっぱいいっぱい。ほとんどの消化管は「腹部」にあります。食道という細長い管を通って食べ物は、「横隔膜の下」の胃まで直行します。

食道も蠕動運動します。もちろん食道は便秘や下痢の原因にはなりませんが、つっかえ感を訴える方もいらっしゃいます。

では、次回から、②「下準備」担当の胃・十二指腸、そして③「吸収」担当の小腸・大腸の話に移っていきます!(毎日、これくらいコンパクトの方が良いですか?もしよければコメント、ダイレクトメールお待ちしています!)


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