見出し画像

日本ワインが好きな理由と、これから

日本ワインについてnoteを書き始めて2年が経過しました。

▼最初のまとめはこちらです。
 たくさんの「スキ」をいただきありがとうございました🍷

この2年間に飲んだワインや行ったワイナリーで実感したこと、おぼろげに感じたことがたくさんあります。
書き始めた時は知らなかったことが見えはじめてきています。
今回は「日本ワインが好きな理由」を中心にまとめます。

日本ワインの美味しさ、楽しさ

この2年間に飲んだ日本ワインは約100種類です!!
宅飲みが多かったので、興味を持った日本ワインを色々試すことができました。
コロナ前のように外飲みや出張が多かったら、これほど試せなかったと思います。

4年以上前、日本のワインはほとんど飲んでいませんでした。
3年前にワインエキスパートの試験を受けるときに興味がわいて飲んでみたところ「日本ワインって美味しいんだ」とビックリ!!
その後も「こんな美味しいのあるんだ~♪」「これもいい意味で日本ワインぽくない!」と驚くことが多くあり、今では「意外と美味しい」では驚かなくなってきました!

最近は、「こんな作り方してるんだ」とか「今度はこうきたか」という、知れば知るほど「新鮮な驚き」がたくさんあります。

そんな日本ワインの楽しさや美味しさをまとめると以下の3点になります。

  1. 日本の料理に合う

  2. 多様である

  3. 可能性がある

1.日本の料理に合う

まずは、何といっても日本ワインは、和食や普通の家庭料理に合わせやすいです。
先日のおでんや焼き鳥、寿司、蕎麦から納豆まで、違和感なく寄り添ってくれました。

特に、魚介類との相性がいいです。意外とワインと合わないことも多い甲殻類、魚卵もOKです!
例えば、新潟県の海の近くの砂地にある「カーブドッチ」の「アルバリーニョ」は、近所のお寿司屋さんのチラシ寿司のテイクアウトにとっても合いました!!

チラシ寿司にカーブドッチ(新潟県)のアルバリーニョが合いました

もちろん、海外のワインと日本料理も合いますが、やっぱり出汁とか優しい醤油味とかは、日本ワインの出汁のような旨味と相性がいいです。

2.多様である

日本では、北は北海道、南は沖縄でワインがつくられています。
北海道から沖縄本島の緯度の差は、北緯43度くらいから北緯26度くらいまで17度もあります。

例えば、フランスのブルゴーニュ北部のシャブリが北緯47.8度で、そこから17度くらい南だとエジプトのカイロが北緯30度だそうです。
北海道から沖縄と、フランスからエジプトまでの緯度の差がほぼ同じです!

このように日本は南北に長いので、すっきりとした酸が特徴の北海道ワインから、トロピカルフルーツのような果実味が感じられる熊本ワインまで、幅広いワインがつくられています。

また、日本海側と太平洋側、海沿いと内陸でも、その特徴は異なります
例えば、緯度としてはほぼ同じな富山と長野北部を比べてみます。

9月に行った富山県の海沿いのセイズファームは、ワイナリーから海が見えます。
海が見えるワイナリーって世界のなかでも希少です。
こちらのワインは魚に合う「海のワイン」です。

一方で、長野県北部にあって、富山県との県境に位置する大町市のノーザンアルプスヴィンヤードさんは「山のワイン」です。
冬は角煮など肉の煮込み料理、夏にはチキンのレモンバターソースなどが合いました。

また、ワインの種類もクラシックなタイプから自然派まで様々です。
例えば、フランスワインは地域(AOC)によって、品種や栽培方法、醸造方法が細かく決められています。
日本では決まったルールが少ないので、それぞれの作り手さんのスタイルによって、多様なワインが作られています

そのため、日本ワインはこんなワインと一概に言い表すのが難しいです。
南北に長く、地域性が豊かで、かつ、様々なスタイルの生産者がいるので、日本のワインは多様なのです。

3.可能性がある

先ほど「様々なスタイルの生産者がいる」と書きました。
突然ですが、ワイナリーって日本国内にどれくらいあると思いますか?
検討もつかないでしょうか。
100?1000?
ちなみに日本酒の蔵は全国で1,000弱です。

国税庁の調査によると、国内のワイナリーは2021年に413場あり、前年より44場も増えたそうです。
さらに2022年も増加中と聞きます。
日本酒の蔵の半分近い数のワイナリーがあることになります。

ご存じのように、ここ2年間はアルコール関連業にとっては厳しい時期でした。
それでもワインを作ると決めて、ブドウを育てたり、醸造設備を整えたりするのは強い意志なくして進められません。

先日も、新規ワイナリーのご苦労がうかがえる記事を拝見しました。

スズメバチによって葡萄が全滅、2019年の水害ではほとんどの樹が倒れる、醸造免許がなかなか降りないといった苦節を経て、ようやく2021年から自社畑、自社醸造のワイン造りをはじめることができたそうです。な、涙出る……!

シャルドネ収穫記 ~SawaWinesさん編~
3000円ワインの民|ますたや

こんな苦難を乗り越えて、日本ワインは作られています。
サワワインズさんのSNSを見ると、今年の収穫は順調だったようですので、2年目のワインづくりに専念されていることと思います。

また、ワイナリーは新しく作るのも大変ですが、継続していくのも難しいです。
先日、ラジオ( j-wave 「VOICES FROM NIHONMONO」)に北海道余市町の有名ワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」の曽我さんが出ていらっしゃいました。

自分が始めた頃には、余市に2軒しかなかったワイナリーが、いまは周辺エリアに20数軒ある。
ワインは100年かけてつくるもの。自分の代では終われない。
子どもや他の人が継ぎたいと言ってくれる環境をつくる必要がある。

ラジオでの曽我さんのお話より

すこし表現は違うかもしれませんが、こういったことをお話しされていました。

日本ワインの作り手は、そのほとんどが小規模です。
そして、作り手がやっていることは「ほぼ農業」です。
いいブドウをつくることが、いいワインづくりに直結するからです。

現在、農業を継ぎたいという人は少ないですね。
曽我さんは、「ここを継ぎたい」といわれるように、例えば、孫の代には同世代の友達の人数が今より多い地域にしていくことが必要だとおっしゃっていました。

日本ワインに関わる方々は、いい環境をつくりたい、地域を残したいと頑張っていらっしゃいます。
私も地域に関わる仕事をしているので、共感することが多いです。

こういう方々が、これからの日本ワインを更に切り開いていかれることでしょう。
日本ワインは、まだまだ「伸び代」があるのです。

これからについて

この数年間、ワイナリーでは見学等をストップしていましたが、最近はテイスティングを再開して、収穫祭などのイベントも開催されるようになってきました。

今年は、栃木県→静岡県→長野県→富山県→東京都のワイナリーを巡りました。
ワイナリーに行って、畑のブドウの様子をみたり、現地の風景のなかで試飲できるのは楽しいです。
日本語だと香りなどのニュアンスもわかりやすくて、日本のワイナリーならではの良さも感じています。

これからも、実際に行って、見聞きして、試して、日本ワインやワイナリーをご紹介していきます。

また、これまで海外ワインもご紹介してきました。
私はカリフォルニアでワイン好きになり、イタリアワインがきっかけでワイン沼にはまりました。
日本ワインの作り手さんも、海外のワインがきっかけでワイン好きになられた方が多いようです。

ワイン好きの中には、フランスの貴重なワインが好きな方や、自然派ワインが好きな方、また、私のようにブドウ品種が多くて地域性が豊かなイタリアワインが好きな方もいます。
ワインは世界100ヵ国で生産されていて、本当に多くの人が作り、多くの人が味わっています。
日本に留まらず、世界のワインと食もゆるりとご紹介していきます。

白いラベルの赤ワイン達

例えば、この写真の3本は、左から、フランスワイン、イタリアワイン、日本ワインです。
産地も印象も違うワインですが、全部好きな赤ワインです。

  • ルー・デュモン 天地人 ピノノワール (Lou Dumont Pays d'Oc Pinot Noir)2018

  • レ・マッキオーレ ボルゲリ・ロッソ(Le Macchiole Bolgheri Rosso)2019

  • カーブドッチ サブル 赤 (Cave d'Occi Sable)2020

▼「ルー・デュモン」は、日本人醸造家の仲田さんを中心としたブルゴーニュにあるワイナリーで、以前ご紹介した記事はこちら

「レ・マッキオーレ」は、「日本ワインについて書き始めた理由」に書いたとおり、イタリアトスカーナ州のボルゲリというエリアにあるワイナリーです。
この「ボルゲリ・ロッソ」はイタリアワインにハマり、ワインにハマるきっかけになりました。

▼「カーブ・ドッチ」は新潟県の海沿いにあるワイナリーで、以前ご紹介した記事はこちら

以上、1ヵ月かけて通勤時などに少しずつ書き綴って、なんとかまとめてきました。

結局、とりとめない印象になってしまったかもしれませんが、伝えたかったのは、ワイン単体の味だけでなく、色々な視点や流れから日本ワインが好きなこと。
そして、これからも日本ワインに関わることを紹介していきます!という宣言です。

お知り合いのnoterさんも、初めましての方も、これをきっかけに日本ワインに興味を持ってもらえたら嬉しいです🍷

最後までお読みいただきありがとうございました!!

この記事が参加している募集

noteでよかったこと

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?