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成人のお祝いワイン

明日は成人の日。成人を迎えられる皆さまやご家族の皆さま、おめでとうございます!!

ご両親にとって、お子さんが成人されて、一緒にお酒を飲めるようになるのは嬉しいことでしょうね~♪

コロナ前、行きつけのビストロのカウンターで男性のお客さんが「今度、20歳になる息子と、初めてお酒を飲みにきます」と、嬉しそうに予約を入れていらっしゃいました。
「当日は何を飲もうかな?」とニコニコしながら、店長に相談されていました。

私が二十歳になった日や成人の日に、お酒を飲んだか飲まなかったか忘れてしまいましたが、父はビール好きなので、ビールを飲んだ可能性が高そうです。
ワイン好きになってから、自分の生まれ年のヴィンテージを飲んでみたいと思いましたが、まだ飲めたことはない(はず)です。
かつて購入しようとチャレンジしたことはありましたが、高価だったりして、躊躇しているうちに40ウン年ものは入手しにくくなってしまいました。

そんななか、年末に購入したワインのヴィンテージが2002年で、ちょうど20年でした。
周りに20歳になる親せきなどいないですが、成人の日のお祝いにちょうど良かったんだと、気付きました。
渋味の柔らかいピノ・ノワールで、ワイン初心者も飲みやすそうなワインでした。

ルー・デュモン レア・セレクション アロース・コルトン 2002
Lou Dumont Léa Sélection Aloxe Corton

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ルー・デュモンは、日本人醸造家がブルゴーニュにつくった人気ワイナリーです。
「レア・コレクション」は、ルー・デュモンの仲田氏がブルゴーニュの古酒のなかから良いもの選び買い取って販売しているシリーズで、ヴィンテージが古い蔵出しワインとしてはコスパがいいです。この20年もののワインでも5000円(税込)しませんでした。
ラベルに「天地人」とあるものいいですよね。日本ワインで20年ものは見つけにくいなか、日本人が関わるレアな古酒だと思います。

生産者は不明で、コルクにも「所有者元詰め」という意味の「MIS EN BOUTEILLE A LA PROPRIETE」とだけ記載がありました。

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「アロース・コルトン」は、ブルゴーニュの北部「コート・ドール(黄金の丘)」といわれる地域の一部です。
地方都市ボーヌの北にある、アロース・コルトン村は、東から南東向きの斜面にあるグラン・クリュ(特級畑)に囲まれた村だそうです。
手入れされたブドウ畑が広がるのどかな農村の風景が浮かびます~。

香りはブラックチェリーや干し葡萄、柔らかい樽のニュアンスがあり、いい熟成感がありました。ミディアムボディで飲みやすく、自家製のローストポークと合いました。

このワインは、以前ご紹介した荻窪の「URARA」さんで購入。
年末にあと2~3本ありましたが、もう売れちゃったかな?!

ちなみに、タイトルの画像の右側にあるワイン「ヴィッラ・ピッロ シラー 2000 (Villa Pillo Syrah)」も、昨年、近所の酒屋の蔵で見つけて購入しました。
21年ものでピーク過ぎてるかなと思いきや、果実味が豊かで、タンニンがこなれていて美味しかったですね~。価格は5000円(税込)ほどでした。
先ほどのルー・デュモンより重めなフルボディで、和牛と合いました。

といったようなこれまでの経験を踏まえて、ワインはキライじゃないけど詳しくないという親御さん向けに「ヴィンテージワイン購入時の注意点」を以下にまとめます。

ヴィンテージワイン購入時の注意点①:
ワイン想いの酒屋さんに相談すべし

先ほどの例のように、身近な地域の小さなお店にも意外に美味しい20年ものワインがあるので、探してみるといいと思います。
ワインに想いのある酒屋さんは、古酒でもそんなに価格を上げずに、好みや想い出のある地域などを伝えると合うものを出したり、確保してくれたりすることもあるので相談してみるといいのではないでしょうか。

ネットでヴィンテージだけを重視して購入しようとすると、高価だったり、値段の割に美味しくなかったりするイメージがあります。(あくまでもイメージですが、私ならそういう買い方はしないので…。)

またしてもお店で飲みにくいご時世になってきましたが、お店で飲む場合も、冒頭で書いた男性の例のように、信頼できるソムリエさんやお店の方に相談するのがいいと思います。

ヴィンテージワイン購入時の注意点②:
渋い赤ワインをムリして飲ませないために

20年以上の長期熟成に耐えられるのは、赤ワインでタンニンが強いものが多いですが、20歳でタンニンが強い渋味のあるワインを美味しく感じるのは難しいと思います。
「親が高いワイン用意してくれたけど、渋くてあまり飲めなかった~。」ということもあるかもしれません。

例えば、赤ワインを選ぶ場合、ボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨンよりは、今回ご紹介したようなブルゴーニュやイタリアの方が渋味が柔らかくて初心者も飲みやすいものがありそうです。

とはいえ、ワイン好きな20代の後輩は、白ワインは好きですが、赤ワインは渋いといってほぼ飲みません。赤ワインは好みが分かれますね。
白ワインの20年ものもあるでしょうが、少なくとも私は飲んだことがありません。白ワインで評価の高いものでも、10年以上経つとピークを越えてしまっていると感じました。
白の方が、赤よりピークをむかえる年数が短いです。
また、長期熟成タイプの白ワインは樽香が強かったりもします。

あとは、甘口ワインなら長期熟成タイプがあります。娘さんがいらっしゃる場合(もちろん、甘党の息子さんでも)、マデイラなどのデザートワインを食後に用意するのもいいと思います。甘口ワインは飲みきらなくてよく、保存しやすいのもいいです。
その際、食中酒はスパークリングワインなど、軽めにしてはいかがでしょうか。ロゼのスパークリングワインも華やかでいいものです。

以上、ぼんやりしたアドバイスではありますが、成人の日のお祝いや、誕生年のヴィンテージワインを購入する際の参考になると嬉しいです。
美味しいヴィンテージワインを見つけるのは、正直いって面倒かもしれません。
それでも、大切な人と同じ年に生まれて同じ時代を経た古酒ならではの魅力があります。

さいごに、成長してきた年月を想いながらワインを傾ける時間が、あなたやご家族にとって良い時間になることを願っています🍷

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