サンシミ ピノ・ノワール2019/小布施ワイナリー「妖艶なアロマとカラー」
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サンシミ ピノ・ノワール2019/小布施ワイナリー「妖艶なアロマとカラー」

2019年は、小布施ワイナリーさんがあります長野県の千曲川が、台風19号により10月13日に堤防決壊により氾濫した年でもありました。長野新幹線が泥水に使ってしまって何台も横並びになっていた映像はメディアから伝わってくるものとして衝撃的でした。そして醸造所がある町は氾濫流域で、多方面に渡って大きな被害があったと代表取締役であり栽培醸造責任者の曽我彰彦さんから聞きました。カレンダー上はちょうどブドウの収穫シーズン。ブドウの生育がストップする事は当然ありません。ただでさえ収穫醸造時は繁忙なのにも関わらず更に重い石を背負わされて従事するようなもの。彰彦さん御自身はワインリリース時にはあまりその事には触れませんけれども、ワインを預かり、飲み手の御仁にサーヴするソムリエとしましては、駆け足ながらその事もお伝えしつつコメントを発信して参ります。

上述のような事を言いつつも、その事が全く無関係かのような、むしろ造り手達の情熱を刺激したかのような、毎年この赤ワインをテイスティングしている自分からしてもここ十年ほどの中でベストクオリティかと思わせてくれる逸品なのです。ひたすらに敬意を表したいです。さて、2019年は日照時間も多くはなく冷涼な年。それでも高湿度からの病害が多かった訳ではないようで、ワイン名のサンシミとは化学農薬不使用栽培だった自社畑の原料ブドウを醸造する事を意味していて、病害の多少は最終的にはワインの品質に大きく影響をします。なので結果ピノ・ノワールとしてはなかなかの良年だったよう。それを、上述のようなアクシデントがありつつも、区画や果房ごとに丁寧にブドウの成熟度を見分けつつ三回に分けて手での収穫を実行。房も選りすぐった為、最終的に醸造後瓶詰めされた生産本数は587本と低収量となってしまいました。それから、全房を醸造タンクに詰め込んで自然酵母発酵。樽熟成を経て無濾過無清澄非加熱処理にてリリースされました。


後ほど下記の画像を注視いただきたくて、とても淡いながらも不可思議な透明感と光沢感があるピンクの色調は、自分の感性に響くものがあります。アルコール度数は12度。薫るアロマはサワーチェリー、イチゴキャンディ、アセロラなど。グラスを回すと加えてほのかに根菜や東洋スパイス、樽由来の甘さもヒントに。飲み込むと見た目よりもグリップある印象で口中での広がりがあります。ボディはスリムながらピノらしい明るく心地好い酸味があるので後味まで楽しめます。余韻は短めで、凛とした感想を残して過ぎ去ります。


よって、ワインラヴァーはもちろん皆々様にお奨めです。日本ワインの王道中の王道かと。必飲也。ペアリングは豚肉の低温調理や鴨などジビエのグリル、そして筑前煮など日本料理店に寄り添うのも一興かと。

9+/10p


《ドメイヌソガ ヴィーニュ・サンシミ ピノ・ノワール クレレ2019》

小布施ワイナリー株式会社 長野県小布施町

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宮城県仙台市『和酒バル 二喬/NIKYO』のソムリエ店主が、普段の仕事からちょっと視点を変えて、めくりめく日々の日本ワインと日本酒のマーケットについて感じた事を綴っていきたいとおもいます。