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「10分」の謎。

地球の自転周期は24時間。
(正確には23時間56分らしい…..)

一方、ヒトが持つ体内時計を司る概日リズム24時間10分くらい。

これも諸説ありで24時間+20分、あるいは25時間等…..
いずれにしても、24時間よりは長い!

ヒトの睡眠・覚醒リズム….体温などの自律神経系、内分泌ホルモン系、
免疫・代謝系などが、体内時計によって約1日のリズムに調節されている。
このような約1日の周期をもつリズムを概日リズムと言う。

でも、ここが不思議。
なんでヒトの体内時計リズムは地球の自転よりも長いんだろう〜?
しかも、そのズレはちょっとだけ…..「微妙な10分」。

だって、この微妙なズレのおかげで面倒なことが多い。

毎日、毎日、このズレをリセットし続ける必要があるから。
そうしないと、どんどん体内のリズムのズレが大きくなっていってしまう。
それは様々な面で支障がある。

社会生活は24時間で進んでいくから、毎日のズレは……
睡眠時間だけでなく、肥満や生活習慣病まで引き起こす可能性がある。

だから、ヒトは毎朝起きたら、光を浴びるように身体が設計されている。
太陽の光を浴びることによって、24時間にリセットするようになっている。

だったら、最初から、体内時計も24時間に設定してくれれば良いのに!
たった「10分のズレ」をリセットするなんて面倒だなぁ〜。

でも、
その10分のズレ…..一説には遥か遠い昔の名残りらしい。
海のリズムである月の引力が生み出す「概潮汐リズム」は約24.8時間。

生命は約40億年前に海の中で生まれ、陸へ移動したのは約4億年前。
進化の過程で、陸の生活が長くなると共に、太陽のリズムに合わせて
人類は生きるようになったが、生命の歴史は海の生活のほうが圧倒的に長い。

生命進化の途中のヒトの身体の中には、今もなおその頃の記憶が残っている…
そう考えると、「10分のズレ」は進化の証かもしれない。


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