第八回:壊滅そして再起へ「トラック諸島大空襲」[和魂の酋長・南洋雄飛篇]
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第八回:壊滅そして再起へ「トラック諸島大空襲」[和魂の酋長・南洋雄飛篇]

『ビジネス発想源』note版(by ウィンビット)

太平洋戦争が勃発し、アメリカ軍の攻撃によって壊滅していく、「太平洋の真珠湾」と呼ばれた日本占領下のトラック諸島。森小弁が生涯をかけて私財を投じて築き上げていった島のインフラは、大空襲によって次々に破壊されていきました。

森小弁が築き上げたものは、戦争の破壊によって何一つ残らず無に帰したのでしょうか。いや、森小弁の遺志はやがて、南洋の再起と発展に大きく影響をしていくことになるのです。

これからのグローバル社会を生き抜く日本人にとって、激動の人生を歩んだ森小弁が教えてくれることとは…?

経営者・マーケティング担当者向けメディア『ビジネス発想源 Special』で連載中の、歴史上のエピソードから現代ビジネスの経営やマーケティングに活かせるヒントを見つけ出す人気コンテンツ「歴史発想源」。

南太平洋と日本の架け橋となった日本人の大酋長・森小弁の生き様を描く「和魂の酋長・南洋雄飛篇」(全8回)、最終回をどうぞ!


▼歴史発想源「和魂の酋長・南洋雄飛篇」〜森小弁の章〜

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【第八回】壊滅そして再起へ「トラック諸島大空襲」

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■アメリカ軍に焼き尽くされる「太平洋の真珠湾」


第二次世界大戦下で、日本海軍によって次々に接収されていくトラック諸島。

私財を投じて森小弁が作ってきたインフラも全て、戦時を理由に日本軍に取り上げられてしまいました。

森小弁は、激化する戦火から島民たちを守り抜くため、日本軍に奪われた住み慣れた平地を捨て、彼らを連れて山の奥地へと消えていきました。


1941年(昭和16年)12月8日、日本軍がハワイの真珠湾基地を攻撃したことで、日本とアメリカ合衆国の間で戦争が勃発。

そう、太平洋戦争の始まりです。

開戦直後の日本軍の勢いは凄まじく、占領地域も拡大し、優勢にあるかのように見えました。

しかし、日本の占領下にあるトラック諸島でも日本軍の快進撃に人々が湧いている中、森小弁は「日本は必ず負けるだろう」と予想していました。

日本に一時帰国して以来トラック諸島を出たことがなく、アメリカ合衆国にも行ったことがないというのに、森小弁は日本軍の占領のやり方を見ただけでそう確信し、その敗戦に巻き込まれないように大酋長して部族を率い、森の奥地へと身を隠すのです。

それは決して、祖国日本の敗北を望んでいるわけではありませんでした。

日本は敗北して全てを失うことで、また学ぶこともある。その時に自分たちも生きていれば、必ずできることがある。

そういう将来の再起を図るための決断だったのです。

森小弁が私財を投じて築き上げてきた島のインフラが全て日本軍によって理不尽に接収されていき、またここが戦地になると、全てが破壊され、全てがなくなってしまうことになります。

それでも森小弁は、若き日に日本からたった一人でトラック諸島に降り立って生き抜いてきた経験がありますから、「何もなくなってしまっても、絶対に一からやりなおせる」ということを、部族の人々に説いたのです。

島民たちは森小弁を信じ、島の奥で雌伏の時を過ごします。


さて、1942年(昭和17年)の6月に日本軍がミッドウェー海戦で敗北をしてから、日本は次第に劣勢になっていき、南太平洋に大きく広がっていた日本の占領地域は、次々にアメリカ軍に攻め取られていくことになります。

日本の戦局はどんどん厳しくなっていったんですね。

トラック諸島は南太平洋の島々の中でも、珊瑚礁に囲まれた天然の良港であり、「太平洋の真珠湾」とも言われるほどに日本軍の連合艦隊の有力な本拠要塞となっていました。

世界に知れ渡るあの戦艦「大和」や「武蔵」も、一時はトラック諸島に停泊していたほどです。

当然アメリカ軍は、日本軍の中心基地となっているこのトラック諸島を集中攻撃の目標に定めることになります。


1944年(昭和19年)2月17日。

ついに、アメリカ軍の戦闘機によるトラック諸島への大空襲が始まります。

真珠湾攻撃の復讐に燃えるかのように、2日間にわたり米軍機500機以上がトラック諸島上空から総量500トン以上の爆弾を投下し続けしました。

トラック諸島は、次々と炎の柱に包まれていきます。

トラック諸島沿岸にびっしりと築かれていた日本軍の建物や燃料タンクなどの軍事施設はもちろん、戦艦、駆逐艦など多くの軍備も破壊されていきました。

壊滅していく、日本軍のトラック要塞。

タンカーや商船も次々に沈められていき、この時の日本人の戦死者は7,000人を超えたと言います。

それは、まるで地獄絵図のようでした。

もはや軍事拠点として機能しないほどに、完膚なきまで爆撃で破壊されていったのでした。


この時、島の部族たちを率いて森の奥地に退いた大酋長・森小弁は病に倒れていました。

「日本は必ず負ける。戦争が終われば、我らもまた一からやり直そう」

病の床に伏せながらも、部族のみんなに語り続ける森小弁。

森小弁の子どもや孫たちは、島の奥の高台から、その森小弁の予測どおりに、日本軍の要塞が壊滅していく様子を目に焼き付けます。

トラック諸島の英雄・森小弁が人生を賭けて造り上げてきた島のインフラが、日本軍の接収、アメリカ軍の空爆によって、全て燃え尽くされ消えていく……。

しかし、…

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