[教育発想源]003:「早期教育」とは何をする教育のことなのかを考えよう
教育の本質を突き詰めていく新連載「教育発想源 〜異能な逸材の育て方〜」。
「教育」を正しく学べば、会社経営における人材の育て方、プロジェクト内におけるチームの鍛え方、さらにはお子さんの学習指導や乳幼児の育児と、人生のあらゆる場面で生かすことができます。
「マーケティング発想源」を読んでいる人だけが学べる、マーケティング的な独自の教育論。
ぜひこの「教育発想源」で学び、いろいろと考えてみて、自社の経営やお子さんの育児に活かしてみてください。
■[教育発想源]003:「早期教育」とは何をする教育のことなのかを考えよう
子どもが生まれてその教育を考えなきゃ、という時に必ずといっていいほど耳に入ってくるのが、「早期教育」という言葉です。
書店や玩具屋に行くと、3歳のための早期教育グッズだの、幼稚園から始める早期教育カリキュラムなど、いろんな早期教育ツールが並んでいます。
早期教育のためには、こういう知能を育てるパズルをやらせるべきだ、英会話教室に通わせて脳の柔らかいうちに英語に触れさせるべきだ、こういう音楽を聴かせるべきだ、こういう絵画を見せていくべきだ、などなどいろんなツールにあふれていますよね。
やっぱり子どもはちゃんと早期教育をして賢く育てたい、と焦るあまりにあまり深く考えずに、そういった早期教育ツールにやたら手を出してしまいがちです。
早期教育をするには、何をすればいいのか?
それを考えるにはまず、なぜか誰も考えようとしないある根本的な部分から考えるといいでしょう。
それは何かというと、
「自分の思う早期教育とは、何に対して『早期』なのか?」
ということです。
これ、早期教育をやらなければならないという親御さんに聞いても、ちゃんと答えられる人ってめちゃくちゃ少ないのです。
つまり、分かっていないことをやりたがっているわけで、それはもう業者にカモられて当たり前ということです。
「早期」というのは「早い時期」ということですが、多くの親御さんは「"教育の始める時期"を早期にと考えているだけで、"教育の目的"が早期にはなっていない」と思いませんか?
どういうことなのかというと、例えば「周囲の子たちが7歳から始める勉強を、うちの子は3歳から始める」といった、その教育を開始する時期がみんなより早期だと考えるわけですよね。
でも、そう考える早期教育で目指すところは何かと「教育の目的」を聞くと、大半の人が「良い大学に合格してくれること」とか「一流の会社にしてくれること」といったことなんですね。
大学の合格や一流企業の入社というのはみんな横並びでやることなので、そこを目的にしてしまうと、始める時期を早めるのは従事期間を延ばしているだけだから大した意味がないわけです。
伝わりづらいかもしれませんが、例えば「うちの子はみんなが22歳頃に就職するのに対して、早めの18歳ぐらいで起業させたいから、そのための教育をみんなより早くやるんです」というような考えなら、早期教育による早期の成果に意味がある。
でも、成果を出す場面がみんなと横並びになる受験とか就職といったことが目的なら、ただ前伸ばしにしただけだから、「みんながやることをみんなより長い時間やらされた」だけになるということです。
「いや、うちは小学校や中学校で早くお受験をして一貫校に通わせるために早期教育をやるんです」という方も、「ではなぜ早くお受験をして一貫校に行くんですか?」と聞くと、結局「良い大学に行くため」「良い会社に入るため」で一緒じゃんということが多い。
ゴールがみんなと同じ部分を時間で引き延ばすのは、「教育」ではなくて、「作業」の考え方です。そんな「学習作業」を人より長くやらせたところで、成長するのは「学習作業が得意になる」ことでしかありません。
……というのは極端な話なのですが、要するに「早期教育を!」と言っている人たちの多くが、そもそも「早期というのは何が?」という定義が曖昧というのは、よくよく考えなければならないことと言えるでしょう。
では、早期教育には意味がないのか、というとそういうわけではありません。
早期教育というのは、ちゃんとした早期教育であれば、ちゃんとした意味があるのです。
では、早期教育とは何をするべきなのか?
特に、0歳〜6歳ぐらいの小学校就学前の小さな子どもたちには、どんな教育をするべきなのか?
ここから先は
マーケティング発想源 〜経営と商売のヒント〜
日本一のメルマガを決める「まぐまぐ大賞」にて5年連続でビジネス部門第1位を獲得した経営者向けビジネスメディア『ビジネス発想源』シリーズに、…
noteマガジン『マーケティング発想源』では、皆さんのお仕事やご商売に活きる有用で有益な発想源を多数お届けしています。新事業や新企画のアイデアの発想源がいろんな視点から次々と。応援よろしくお願いいたします!